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教員名 : 竹本 泰敏
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授業コード
511020
オムニバス
科目名
電力系統技術
科目名(英語)
Electric Power System
配当学年
3年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
月曜2限
対象学科
基_電電,基_電情
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
竹本 泰敏
教室
5-104
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
電気エネルギーの発生から消費に至るまでに変電設備、送電設備、配電設備などのさまざまな設備を一体的に結合したシステムを電力系統という。電力系統の構成と運用方法、送配電設備機器の役割と形態、送配電線路の等価回路表現、故障計算について講義する。本講義を通して、基本的な電力系統の構成と運用方法、送配電線路の接地方式と基本的な故障計算、調相技術について修得することを目的とする。
達成目標1
電力系統を構成する要素とその役割、グリットコードについて説明することができる.【20%】
達成目標2
基本的な送電系統、配電系統の構成と計画、単位法について説明することができる【20%】
達成目標3
基本的な線路条件から電力円線図を作図して、有効・無効電力、力率、調整容量の導出ができる【20%】
達成目標4
中性点接地方式の種類と特徴について説明することができる【20%】
達成目標5
1線地絡故障2線短絡故障などの基本的な三相不平衡故障についての回路計算ができる【20%】
達成目標6
達成目標7
アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
電力系統の概要
【予習】日本の電力系統と諸外国の電力系統について調べて、それぞれの特徴を整理すること。(2時間)
【復習】電力自由化前後の電力事業者の役割、電力系統運用の変化について復習すること。(2時間) 第2回
交流回路・電力計算(複素電力)
【予習】ベクトル、複素数計算、交流回路(単相、多相)について基本的な計算ができるように予習しておくこと。(2時間)
【復習】三相交流回路の電力計算(有効、無効、皮相)、ベクトルを用いた表現、ベクトルオペレータについて復習すること。(2時間) 第3回
電力系統の構成要素
【予習】電力の発生から需要地までの電力設備について調べてまとめておくこと(2時間)
【復習】電圧階級、電力系統の運用、送電線路の構成要素について説明できるように復習すること(2時間) 第4回
線路定数
【予習】自己インダクタンス、相互インダクタンス、抵抗率について調べて基本的な導出ができるようにしておくこと。(2時間)
【復習】基本的な線路条件下での線路抵抗、作用インダクタンス、作用静電容量について導出できるようにすること。(2時間) 第5回
電線路の等価回路
【予習】四端子回路(四端子定数)、分布定数回路の基本的な回路計算ができるようにしておくこと。(2時間)
【復習】短距離線路、中距離線路、長距離線路の等価回路表現が説明できるように復習しておくこと。(2時間) 第6回
電力方程式・電力円線図
【予習】複素数計算、ベクトル計算について確認しておくこと。また、電力円線図と調相容量について調べておくこと。(2時間)
【復習】基本的な線路条件における電力方程式求めて電力円線図が作図できるようにしておくこと。(2時間) 第7回
まとめ①
【予習】第1回から第6回までの講義で提示した演習問題の説明ができるようにしておくこと。(2時間)
【復習】「まとめ①」の問題について理解していない内容を復習すること。(2時間) 第8回
単位法・故障計算(三相地絡故障・三相短絡故障)
【予習】送電線路の代表的な事故の種類、単位法について調べておくこと。(2時間)
【復習】単位法の基準容量を変換した場合の各値を求めることができるようにしておくこと。また、三相短絡故障についての故障計算ができるようにしておくこと。(2時間) 第9回
対称座標法・1線地絡故障
【予習】対称三相交流回路計算、非対称三相交流回路計算と対称座標法について調べておくこと(2時間)
【復習】一線地絡事故について説明できるようにすること。また、基本的な一線地絡事故について対称座標法を用いて故障電圧、故障相電流を求めることができるようにすること(2時間) 第10回
2線地絡故障・2線短絡故障
【予習】2線短絡故障、2線地絡故障がそれぞれ、どのような事故であるのか調べておくこと。(2時間)
【復習】基本的な線路条件下における2線短絡故障,2線地絡故障について故障電圧,故障電流を求めることができるようにしておくこと。(2時間) 第11回
中性点接地方式
【予習】中性点接地方式について説明できるように調べておくこと。(2時間)
【復習】中性点接地方式の種類と、それぞれの特徴について説明できるようにすること。(2時間) 第12回
配電系統の構成、計画と調相
【予習】配電系統の構成要素について調べておくこと。(2時間)
【復習】配電系統の配線方式を説明できるようにすること。また、負荷率、需要率、全日効率、不当率について説明できるようにすること(2時間) 第13回
電力系統の変遷とグリットコード
【予習】電力自由化以前の電力系統と現在の電力系統の違いについて調べておくこと。(2時間)
【復習】諸外国の電力系統と日本の電力系統の違い、電力系統の課題について整理して説明できるようにすること。(2時間) 第14回
まとめ②
【予習】第1回から第13回までの講義で提示した演習問題の説明ができるようにしておくこと。(2時間)
【復習】「まとめ②」の問題について理解していない内容を復習すること。(2時間) 課題等に対するフィードバック
講義時に提示する演習課題やレポートについては、次回講義時に解答および解説およびフィードバックを行う。
評価方法と基準
「まとめ①」および「まとめ②」で実施する「理解度確認演習」の成績を60%、講義内に実施する演習課題40%として100点満点で成績評価を行う。最終的な評価点が、60点以上70点未満の場合、C評価となる。
テキスト
荒井純一、伊庭健二、鈴木克己、藤田吾郎著、「基本からわかる電力システム講義ノート」、オーム社【ISBN:978-4-274-21489-9】
参考図書
道上勉著,「電気学会大学講座 送配電工学(改訂版)」 電気学会【ISBN:4-88686-238-1】
大久保 仁 編著 ,「新インターユニバーシティ 電力システム工学」 オーム社【ISBN:978-4-274-20640-5】 石亀篤司著,「OHM大学テキスト 電力システム工学」オーム社【ISBN:978-4-274-21472-1】 小亀英己 石亀篤司著,「基礎からの交流理論例題演習」電気学会【ISBN:978-4-88686-281-5】 科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
電力系統技術は、電気回路、電磁気学などの電気工学の基礎的内容をもとに、電力の発生から需要地までを統合的なシステムとして扱う電力系統に関する基本的内容を修得することを目標とする。電気電子通信工学科のディプロマポリシーにある「工学に関する基礎的な考え方と電気電子通信工学に関する専門知識を有する」に関連する科目である。
履修登録前の準備
「電気回路」、「交流回路」、「電気磁気学」、「電機エネルギー変換」、「電力系統技術」、「電気電子通信工学実験Ⅲ」、「電気電子通信工学実験Ⅳ」が電気工学分野での関連科目となる。また、力学および熱力学に関する諸法則を用いるため事前に学習していることが望ましい。特に、「電気回路」、「交流回路」については応用的に利用するため事前に確認しておくこと。
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