シラバス情報

授業コード
510372
オムニバス
科目名
物質の探求
科目名(英語)
Discovery of Subatomic Particles
配当学年
2年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
木曜3限
対象学科
基_機械,基_電電,基_電情,基_応用,基_環生,先_ロボ,先_情報,先_データ,建_建築_Aコース,建_建築_Lコース
コース
科目区分
共通教育科目
必選の別
選択科目
担当者
狩野 みか
教室
2-375
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
『物質の基本は何か』という根源的な疑問に答えるために、古代から今日に至るまで人類は自然科学の探究を行なってきた。この授業では、古代からの思考の履歴を追うことから始め、近代科学で解明された物質の姿について理解を深めていき、自然科学を探求する先人たちの知恵と創造のプロセスを学ぶことを目的とする。毎回の授業の後半で小課題を課すので、授業終了時に提出すること。
達成目標1
近代科学以前の物質のあり方の思想について説明できる。【30%】
達成目標2
近代科学以降の化学的および物理的物質像の思想を説明できる。【30%】
達成目標3
物質の基本要素を発見した化学実験および物理実験について説明できる。【30%】
達成目標4
量子論について説明できる。【10%】
達成目標5
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
科学発展の歴史(概要)
予習として科学発展の歴史について調べ、偉大な科学者1人についてレポートを書けるよう調査しておくこと。(1時間) 
第2回
古代ギリシャの物質観
予習として、古代ギリシャの哲学者による物質観について調べておくこと。(1時間)復習として、東洋の物質観から近代科学へと大きく発展する流れが生まれなかった原因についておさらいしておくこと。(1時間)
第3回
物質の4態 - 固体・液体・気体・プラズマ
予習として、物質の相転移(状態変化)について調べておくこと。(1時間)復習として、理想気体の状態方程式の元となった3法則(ボイルの法則・シャルルの法則、アボガドロの法則)についておさらいしておくこと。(1時間)
第4回
物質の基本を知った科学的アプローチ
予習として、質量保存の法則、定比例の法則、倍数比例の法則について調べておくこと。(1時間)復習として、原子を直接観測する手段や理論が確立していない中で原子の存在を巨視的に確認し始めるに至った流れをおさらいしておくこと。また、数々の法則の内容と発見者についてまとめておくこと。(1時間)
第5回
電子の発見
予習として、真空放電について調べておくこと。1時間)復習として、電気の発見の歴史、電気を貯める取り組み、陰極線が負の電荷を運ぶという推論に至った経緯をまとめておくこと。(1時間)
第6回
電子素量の測定
予習として、J. J. トムソンが電子の比電荷を測定するために行った陰極線管の実験について調べておくこと。(1時間)復習として、ロバート・ミリカンが行った電子の電荷そのものを測定した実験(ミリカンの油滴実験)の測定方法についておさらいしておくこと。(1時間)
第7回
放射線と原子核
予習として、放射線の発見の歴史について調べておくこと。(1時間) 復習として、原子構造のラザフォードモデルが提唱されるに至った実験(ラザフォードの大角度散乱)についておさらいしておくこと。(1時間)
第8回
放射線の主な性質
予習として、主な放射線の性質、種類、検出器について調べておくこと。(1時間) 
第9回
第1回〜第8回授業の振り返り
(授業後半に課題として理解度チェックを実施)
予習として、第1回〜第8回授業の内容をノートにまとめておくこと。(1時間) 復習として、理解度チェック(課題)で解けなかった問題を授業資料を参考にしおさらいしておくこと。(1時間)
第10回
元素誕生の歴史
予習として、ビッグバンの後に新元素が誕生していく過程について調べておくこと。(1時間)復習として、 課題の内容でわからなかった部分を自分なりに調べておくこと。(1時間)
第11回
光の性質と量子力学のはじまり
予習として、光の波動説、光の粒子説について調べておくこと。(1時間)復習として、量子力学に発展していった光の研究の歴史的な流れについておさらいしておくこと。(1時間)
第12回
物質の量子化
予習として、物質の量子化とは何か、それによってとりうる電子軌道の条件について調べておくこと。(1時間)復習として、水素原子の発光機構、物質波の概念、シュレーディンガー方程式の解(波動関数)についておさらいしておくこと。(1時間) 
第13回
円電流と磁気モーメント
予習として、磁性の起源となっているスピンの発見につながったシュテルン・ゲルラッハの実験について調べておくこと。(1時間) 復習として、角運動量の量子化と原子の電子配置についておさらいしておくこと。(1時間)
第14回
第1回〜13回授業の振り返り
第1回〜13回の授業内容における重要なポイントをノートにまとめておくこと(2時間)


課題等に対するフィードバック
前の授業で課した課題等は次回以降の授業開始時に解説を行う。解説後に自分の解答を振り返り内容を必ず復習すること。 
評価方法と基準
期末試験(80%)、課題レポート(20%)として60点以上を合格とする。
テキスト
授業資料を配信する。
参考図書
"The Discovery of Subatomic Particles"、 S. Weinberg 著(ISBN: 0-521-82351-X)(和訳本: 「電子と原子核の発見」日経サイエンス(1986))
「初歩から学ぶ固体物理学」(矢口裕之著、講談社、ISBN-10: 4061532944、ISBN-13: 978-4061532946) 
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
本科目は、教養科目の位置づけであり全学に開講されている。科学発展の歴史や応用について学ぶことにより、物質と私たち人類との関係について深く知ることを授業テーマとしている。科学的思考、問題解決法、工学技術の応用における発展の歴史を追うことにより、自らの科学的思考力や問題解決能力を養うことができる。
履修登録前の準備
前提となる知識は特に要求しないが、物理または化学関連科目を履修しておけばより理解は深まる。ただし、講義中に紹介した内容については積極的に自分で調べること。