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教員名 : 飯塚 完司
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授業コード
520321
オムニバス
科目名
先端エレクトロニクス
科目名(英語)
Advanced Electronics
配当学年
3年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
金曜3限
対象学科
基_応用
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
飯塚 完司
教室
3-321
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
本講義では、半導体ナノテクノロジーによる電子デバイスや光デバイスの最先端技術について解説する。量子力学の概略を理解するとともに、既に民間で利用されている各種量子デバイスの原理および特長を習得できる。さらに、量子細線や量子ドットといった近未来の超高性能半導体ナノ構造についても理解し、その特長と実現の可能性について知ることができる。
達成目標1
混晶半導体の物性値制御について修得できる。【20%】
達成目標2
超格子の分類と各条件の場合に出現する量子効果の関係を説明できる。【20%】
達成目標3
量子準位の計算の概要を理解し、計算結果を示すことができる。【20%】
達成目標4
量子ドットを用いた波動伝搬の原理を説明できる。【20%】
達成目標5
高電子移動度トランジスタの動作原理を修得できる。【20%】
達成目標6
達成目標7
アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
先端エレクトロニクスの概要について講義する。
【予習】「ナノ材料プロセッシング」の内容を復習しておくこと。また、ノーベル物理学賞を受賞した日本人を調べておくこと。(1時間)
【復習】講義で扱った半導体の基礎に関する内容を整理しておくこと。(1時間) 第2回
エネルギーバンド構造について講義する。
【予習】「ナノ材料プロセッシング」で扱ったエネルギーバンドの内容を復習しておくこと。(1時間)
【復習】講義の内容を整理し、エネルギーバンドにおけるキャリアの発生と再結合について説明できるようにしておくこと。(1時間) 第3回
化合物半導体について講義する。
【予習】13族と15族の元素の特徴を調べておくこと。(1時間)
【復習】講義の内容を整理し、化合物半導体の名称を列挙できるようにしておくこと。(1時間) 第4回
化合物半導体のk空間バンド構造について講義する。
【予習】物理定数表等を参考にして、化合物半導体のエネルギーバンド図を入手し、内容を調べておくこと。(1時間)
【復習】講義の内容を整理し、直接遷移型と間接遷移型の区別が付けられるようにしておくこと。(1時間) 第5回
混晶半導体と組成比について講義する。
【予習】電卓により比例計算を速やかにできるようにしておくこと。また、Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体について復習しておくこと。(1時間)
【復習】組成比を含む混晶半導体を列挙できるようにしておくこと。(1時間) 第6回
混晶半導体による物性値の制御について講義する。
【予習】混晶半導体における組成比が意味するところを復習しておくこと。(1時間)
【復習】組成比と希望する物性値のどちらからでも互いの値を計算ができるよう復習を行うこと。(1時間) 第7回
超格子の分類について講義する。
【予習】配布したプリントの121ページから122ページを予習しておくこと。
(1時間) 【復習】井戸層厚と障壁層厚がそれぞれ厚い場合と薄い場合で発生する物理現象を整理しておくこと。(1時間) 第8回
量子井戸構造について講義する。
【予習】配布したプリントの122ページから124ページを予習しておくこと。
(1時間) 【復習】量子井戸構造の3つのタイプを説明できるようにしておくこと。特に、タイプⅠについては,各所の名称も記述できるようにしておくこと。(1時間) 第9回
量子準位の計算について講義する。
【予習】配布したプリントの124ページから126ページを予習しておくこと。
(1時間) 【復習】授業で配布した量子準位の計算に関して、その計算手順をよく見直しておくこと。(1時間) 第10回
量子井戸幅の揺らぎによる量子準位の変化について講義する。
【予習】授業計画9で扱った内容を十分に復習するとともに、量子井戸幅の増減によって量子準位がどのように変化するのかを説明できるようにしておくこと。(1時間)
【復習】量子井戸幅が1原子層異なっただけで、どの程度、量子準位が変化するのかを配布したグラフから読み取ってみること。さらに、この読み取りを色々な量子井戸幅で行ってみること。(1時間) 第11回
量子井戸発光と波長分割多重通信について講義する。
【予習】量子井戸幅に対する量子準位を表にまとめておくこと。(1時間)
【復習】量子井戸幅が僅かに揺らいだだけで発光波長がどの程度シフトするかを見積もってみること。さらに、光ファイバでどの程度の波長が使われているかを調査し、この揺らぎが光通信波長にどの程度影響するかを検討してみること。(1時間) 第12回
量子ドット構造について講義する。
【予習】量子井戸、量子細線、量子ドットについて調べておくこと。(1時間)
【復習】量子ドットの定義を述べられるようにしておくこと。また、量子ドットの作製方法についてまとめておくこと。(1時間) 第13回
配列した量子ドットによる波動伝搬について講義する。
【予習】量子準位の計算方法を復習しておくこと。そして、量子準位を変化させる要因をまとめておくこと。(1時間)
【復習】配列された量子ドットにおける波動伝搬が起こる条件を整理しておくこと。(1時間) 第14回
高電子移動度トランジスタについて講義する。
【予習】配布したプリントの89ページから94ページを熟読しておくこと。(1時間)
【復習】高電子移動度トランジスタの構造及びバンド図を書けるようにしておくこと。そして、二次元電子ガスによって、なぜ、高移動度が実現できるのかを説明できるようにすること。(1時間) 課題等に対するフィードバック
提出された小テストの解答例を次週の講義の冒頭で解説する。自らの解答と照合し、必要に応じて復習すること。
評価方法と基準
授業中の課題への取り組み(レポートを含む)(20%)、期末試験(80%)として、総合点を100点とします。
すべてあわせて60点以上で合格となります。60点以上,69点以下はC評価となります。 テキスト
必要に応じてプリントを配布します。
参考図書
榊 裕之、横山直樹 『ナノエレクトロニクス』 オーム社 (2004年) [ISBN: 4-274-19719-0]
ただし絶版中なので、古本を購入するか、LCセンターで閲覧すること。 科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
この科目は、究極の0次元量子構造である量子ドットに至るまでの量子半導体について講義するものである。内容の理解は容易ではないが、この分野の講義を受けられる機会は少ない。研究室によっては、卒業研究に必要不可欠な知識である。
履修登録前の準備
「電磁気学」、「ナノ材料プロセッシング」の内容を良く復習しておくこと。
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