シラバス情報

授業コード
510416
オムニバス
科目名
機械設計2
科目名(英語)
Machine Design 2
配当学年
3年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
金曜1限、金曜2限
対象学科
基_機械
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
近藤 篤史、二ノ宮 進一、金井 秀生
教室
CAD室、製図室
実務家教員担当授業
二ノ宮は、公的機構での研究および企業人への設計・生産技術の指導経験を活用した授業を行なう。金井は、企業で、商品の設計・製造等に携わってきた。その経験を活かして授業を行う。近藤は、CAD/CAM/CAEソフトウェア関連企業での技術サービス業務の経験を活用した授業を行う。
授業の目的と進め方
本科目では、実際の現場で行われているCAD/CAM/CAE/CATを用いた設計手法を修得することを目的とする。「機械設計1」で行った課題の発展・応用的な内容を取り扱う選択科目であるため、受講者は「機械設計1」の合格を必須とし、B以上の成績であることが望ましい。授業は次のように進める。
(1) 機械要素部品の設計に関する理論式の成り立ち、JIS規格の参照方法の座学講義
(2) 理論式とJIS規格を用いた設計仕様に基づく寸法決定の問題演習
(3) 設計仕様に基づく寸法を用いた3次元CADによるモデル作成実習
(4) CAE構造解析による設計検証の実習
達成目標1
機械要素部品を設計条件に基づいて3次元CADで設計できる【40%】 
達成目標2
設計式やJIS規格を理解して機械要素部品の寸法を決定することができる【40%】 
達成目標3
CAD/CAM/CAE/CAT技術を理解し、それぞれを活用することができる【20%】  
達成目標4
達成目標5
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
機械設計におけるCAD/CAM/CAE/CATの役割
構想設計・詳細設計・生産設計の概要
製品開発における構想設計・詳細設計・生産設計の各段階で検討される内容を理解する。
【予習】 「機械設計 1」の課題「減速機」の主要寸法を確認しておくこと。
【復習】 製品開発における構想設計・詳細設計・生産設計についてまとめておくこと。
第2回
CADとNCデータ変換、加工軌跡シミュレーション
2DCADとCAMを使用して工作機械のツールパスを自動作成する方法を学ぶ。
【予習】 ツールパスを作成するデザインを考えておくこと。
【復習】 生成されたNC加工プログラムの意味を確認しておくこと。
第3回
構想設計3Dモデル作成
構想設計段階で決定した減速機全体の主要寸法から3D構想設計モデルを作成する。また、ケースの3Dモデル作成を開始する。
【予習】 減速機全体の主要寸法の間の関連性を検討しておくこと。
【復習】 構想設計の3Dモデルの未完成箇所を完成させておくこと。 
第4回
歯車の設計方法
歯車の設計仕様から各種寸法を決定する方法を理解する。
【予習】 機械設計製図便覧の11.1章「歯車」を予習しておくこと。
【復習】 授業中に導いた式の意味およびJIS規格の参照方法を理解しておくこと。 
第5回
歯車の3Dモデル作成
小歯車、大歯車の3Dモデルを作成する。また、ケースの3Dモデル作成を進める。
【予習】 歯車の主要寸法を確認しておくこと。
【復習】 歯車の3Dモデルの未完成箇所を完成させておくこと。
第6回
軸の設計方法(1)
軸の設計仕様から各種寸法を決定する方法を理解する。
【予習】機械設計製図便覧の9.1章「軸」を予習しておくこと。
【復習】授業中に導いた式の意味およびJIS規格の参照方法を理解しておくこと。
第7回
軸の3Dモデル作成
入力軸、出力軸の3Dモデルを作成する。また、ケースの3Dモデル作成を進める。
【予習】 軸の主要寸法を確認しておくこと。
【復習】 軸の3Dモデルの未完成箇所を完成させておくこと。
第8回
軸の設計方法(2) 
軸の設計仕様から各種寸法を決定する方法を理解する。
【予習】機械設計製図便覧の9.1章「軸」を予習しておくこと。
【復習】授業中に導いた式の意味およびJIS規格の参照方法を理解しておくこと。 
第9回
CAEによる軸の強度検討
CAEにより、軸に曲げ、ねじりの荷重が作用したときの応力や変形を調べる。
【予習】 材料力学の曲げ、ねじりの単元を復習しておくこと。
【復習】 解析結果の応力分布を意味を説明できるようにしておくこと。
第10回
キーの選定方法
減速機の設計仕様からキーの寸法を決定する方法を理解する。
【予習】機械設計製図便覧の8.3章「キー」を予習しておくこと。
【復習】授業中に導いた式の意味およびJIS規格の参照方法を理解しておくこと。 
第11回
キーの3Dモデル作成
小歯車、大歯車、入力軸、出力軸の3Dモデルにキー溝を作成する。また、ケースの3Dモデル作成を進める。
【予習】 キーの主要寸法を確認しておくこと。
【復習】 キーの3Dモデルの未完成箇所を完成させておくこと。 
第12回
軸受け・オイルシールの選定方法
減速機の設計仕様から軸受け、オイルシールを選定する方法を理解する。
【予習】機械設計製図便覧の10.3章「転がり軸受」を予習しておくこと。
【復習】授業中に導いた式の意味およびJIS規格の参照方法を理解しておくこと。
第13回
アセンブリモデル作成 
減速機全体のアセンブリモデルを作成する。
【予習】 減速機全体の主要寸法を確認しておくこと。
【復習】 減速機全体の3Dモデルの未完成箇所を完成させておくこと。
第14回
製品「減速機」設計の総括
減速機全体のアセンブリモデルを修正・改善する。
【予習】行った設計の改善可能な点を整理しておくこと。
【復習】完成モデルの不具合箇所をまとめておくこと。  


課題等に対するフィードバック
提出されたワークシートをチェックして理解度を確認し、修正事項について添削して返却する。3次元CADで製作したモデルをチェックして、理解度を確認する。
評価方法と基準
提出された記述式ワークシートと課題モデルによる評価を行い、合計60点以上を合格とする。 
テキスト
機械要素部品の設計に関するワークシートを配布する。
参考図書
大西清『機械設計製図便覧』理工学社【ISBN:978-4-8445-2024-5】
水野谷啓希 長坂保美『SolidWorks 3次元CAD入門』丸善【ISBN:978-4-86345-060-8】 
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
本科目は、1年および2年次の設計製図系科目の集大成と位置づけている。したがって、本科目の履修には「機械CAD」「機械要素・製図基礎」「実用機械製図」「機械設計1」の合格を必須とする。CAD/CAM/CAE/CATを用いた設計手法を修得し(DP2:科学技術の修得)、現場での応用方法を学ぶことで(DP3:技術実践)、一人の設計製図技術者としてスタートできる能力を修得する(DP1:広い視野)。 
履修登録前の準備
機械要素部品の設計式の成り立ちを理解するため、「材料力学1・2」の復習をしておくこと。また、「機械設計1」の課題「減速機」で作成した図面を再度チェックしておくこと。