シラバス情報

授業コード
510445
オムニバス
科目名
応用流体力学
科目名(英語)
Applied Fluid Mechanics
配当学年
3年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
月曜3限
対象学科
基_機械
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
桑原 拓也
教室
3-226
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
「応用流体力学」は「流体力学」に続く科目であり、主として三次元流れにおける流体の運動方程式を学ぶ。流体実験や数値シミュレーションで基礎となる方程式を理解できる。連続体力学の基礎から完全流体とニュートン流体の運動方程式へ展開する。さらに、磁性流体やプラズマ流では電磁気学の知識も必要となるが、これらの式は流体の方程式と類似している。電気の流れとして電磁気学の基礎を学び、活用する能力を身に付ける。  
達成目標1
場における時間微分を理解し説明できる【10%】
達成目標2
三次元流れの質量保存則を理解し応用できる 【15%】 
達成目標3
流体の運動の基本要素を理解し説明できる【15%】  
達成目標4
三次元流れの完全流体の運動量保存則を理解し応用できる 【15%】  
達成目標5
三次元流れのニュートン流体の運動量保存則を理解し応用できる 【15%】 
達成目標6
電磁気学の基礎方程式を理解し応用できる【15%】
達成目標7
各種流体の流れの特性を理解し説明できる【15%】

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
三次元形式の連続体の時間微分:実質微分
予習では、ラグランジュの記述とオイラーの記述を理解しておくこと。合成関数の微分と積の微分も理解し計算できること(1時間)。復習では、実質微分の定義を理解し、導出できるようにすること(1時間)。  
第2回
三次元流れの質量保存則:連続の式
予習では、「流体力学」で学んだ一次元流れの連続の式の導出を理解しておくこと(1時間)。復習では、三次元流れの連続の式を理解し、導出できるようにすること(1時間)。
第3回
流体運動の基本要素:速度勾配テンソルと変形速度テンソル、回転テンソル
予習では、流体の運動としてどのようなものがあるかを考えて挙げておくこと(1時間)。復習では、速度勾配テンソルを理解し、変形速度テンソルと回転テンソルから成ることを理解すること(1時間)(1時間)。
第4回
応力テンソルと流体の構成方程式
予習では、ニュートンの粘性法則を理解しておくこと(1時間)。復習では、応力テンソルと流体の構成方程式を理解すること(1時間)。
第5回
レイノルズ輸送定理とコーシーの運動方程式
予習では、応力テンソルと構成方程式を理解しておくこと(1時間)。復習では、レイノルズ輸送定理とコーシーの運動方程式を理解し、導出できるようにすること(1時間)。 
第6回
三次元流れの完全流体の運動量保存則:オイラー方程式
予習では、「流体力学」で学んだ一次元流れのオイラー方程式の導出を理解しておくこと(1時間)。復習では、三次元流れのオイラー方程式を理解し、導出できるようにすること(1時間)。
第7回
三次元流れの粘性流体の運動量保存則:ナビエ・ストークス方程式 
予習では、三次元流れのオイラー方程式の導出を理解しておくこと(1時間)。復習では、三次元流れのナビエ・ストークス方程式を理解し、導出できるようにすること(1時間)。
第8回
ポテンシャル流れ 
予習では、勾配(grad)と物理学におけるポテンシャルとは何かを理解しておくこと(1時間)。復習では、ポテンシャル流れを理解すること(1時間)。
第9回
等角写像、ジューコフスキー変換
予習では、ポテンシャル流れを理解しておくこと(1時間)。復習では、等角写像とジューコフスキー変換を理解し、様々なジューコフスキー翼をExcek等で作成してみること(1時間)。
第10回
ストークス近似とオセーン近似、境界層方程式
予習では、三次元流れのナビエ・ストークス方程式を理解しておくこと(1時間)。復習では、ストークス近似とオセーン近似、境界層方程式を理解すること(1時間)。
第11回
渦と循環、渦度方程式
予習では、身の周りの渦を挙げすとともに、回転(rot)を理解しておくこと(1時間)。復習では、渦と循環、渦度方程式を理解すること(1時間)。
第12回
電磁気学の基礎
予習では、高校や大学初年度で学んだ電磁気を理解しておくこと(1時間)。復習では、電場や磁場の基本法則を理解すること(1時間)。
第13回
電磁気学の基礎方程式:マックスウェル方程式
予習では、三次元流れの連続の式を理解しておくこと(1時間)。復習では、マックスウェル方程式を理解し、導出できるようにすること(1時間)。  
第14回
電磁ポテンシャルとゲージ変換、ローレンツ条件
予習では、マックスウェル方程式を理解し、説明できるようにすること(1時間)。復習では、電磁ポテンシャルとゲージ変換、ローレンツ条件を用いたマックスウェル方程式を理解し、導出できるようにすること(1時間)。


課題等に対するフィードバック
課題を課す場合は、提出後に授業内で解説する。演習問題については授業内で解説し、フィードバックする。
評価方法と基準
成績評価は期末試験と課題で行う。期末試験(満点70点)と課題(満点30点)で60点以上の場合に合格とする。
テキスト
中谷 司『流体力学 非圧縮性流体の流れ学』森北出版(2013)[ISBN-13:978-4-627-67441-7] 
参考図書
清水正之『図解 流体力学の学び方』オーム社(1986)[ISBN-13:978-4274085697]、日野幹雄『流体力学』朝倉書店(1992)[ISBN-13:978-4254200669]、望月修『オリンピックに勝つ物理学』講談社(2012)[ISBN-13:978-4062577809]、今井 功『流体力学 (物理テキストシリーズ 9)』岩波書店(1993)[ISBN-13:978-4000077491] 
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
物理の応用であるが、場の考え方が初めて導入される科目である。そのため、内容的にはかなり高度になり、数学的知識も要求される。一般的に流体力学や流体工学は難しい科目に分類されるが、工学的応用も多岐に渡るため、学生が将来実工学の現場で活躍するためには避けては通れない科目である。
履修登録前の準備
「流体力学」の後継科目であるため、「流体力学」を履修しておくこと。微分積分の知識も必要不可欠で、単なる計算だけでなく、偏微分も含む微分の意味や積分の意味や組立て方なども理解し、現象を積分型に直せるよう大学初年度の数学も復習しておくこと。