シラバス情報

授業コード
520302
オムニバス
科目名
内燃機関
科目名(英語)
Internal Combustion Engine
配当学年
3年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
水曜3限
対象学科
基_機械
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
中野 道王
教室
5-104
実務家教員担当授業
担当教員の中野道王は、民間企業における内燃機関に関する研究開発等の実務経験を活かした授業を行う。
授業の目的と進め方
内燃機関は、自動車、船舶、航空機などに用いられる重要な動力源である。同時に、エネルギー消費や地球温暖化、環境汚染などに関して改善すべき課題も多い。本講義では、自動車用の内燃機関を題材に、構造、原理、評価手法や、燃料、燃焼、排気に関わる理解を深める。これにより、高い熱効率とクリーンな排気を実現する内燃機関の開発における基本的な技術指針を示すことができるようになる。
達成目標1
内燃機関や過給機の分類と基本的構造について説明できる。【25%】
達成目標2
内燃機関の理論サイクルを用いて熱効率の計算ができる。【20%】
達成目標3
内燃機関に使用される主な燃料について、その特徴を説明できる。【20%】
達成目標4
内燃機関の異常燃焼について、その原因や特徴と基本的な対策を説明できる。【25%】
達成目標5
内燃機関から排出される有害物質とその抑制方法について説明できる。【10%】
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
内燃機関の歴史と作動原理
予習:内燃機関の作動原理、構造、分類について、テキスト第一章を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:内燃機関の分類方法とその内訳をまとめること。また、テキストP.7演習問題〔1〕〜〔4〕を解けるようにすること。(2時間)
第2回
・内燃機関の分類と特徴
・熱力学の基礎(1)熱力学の第一法則および第二法則
予習:テキスト第一章を復習しておくこと。熱力学の第1法則と第2法則についてテキストP.8〜11を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:熱力学の第1法則および第2法則をまとめること。また、テキストP.7演習問題〔5〕〜〔7〕を解くこと。(2時間)
第3回
熱力学の基礎(2)状態変化と仕事
予習:断熱変化とポリトロープ変化についてテキストP.11〜17を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:ポリトロープ指数を変えることで等圧、等積、等温、断熱の各状態変化を表現できることをまとめること。また、テキストP.17演習問題を解くこと。(2時間)
第4回
サイクルと熱効率
予習:オットーサイクルと実際のサイクルを中心に、テキストP.18〜34を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:オットーサイクルの熱効率を計算できるようにすること。空気標準サイクルと実際のサイクルの差について、その要因をまとめること。また、テキストP.34演習問題〔1〕〜〔4〕を解くこと。(2時間)
第5回
内燃機関の燃料
予習:炭化水素の種類と燃料の規格に着目してテキストP.36〜P.50を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:炭化水素の分子構造について、その分類と代表的な化合物をまとめること。ガソリンと軽油のJIS規格について、その種類と用途をまとめること。また、テキストP.70〜71演習問題〔1〕〜〔4〕を解くこと。(2時間)
第6回
・燃焼の基礎
・火花点火機関の燃焼(1)火花点火と燃焼過程
予習:反応方程式、空燃比、発熱量についてテキストP.50〜P54を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:任意の炭化水素と空気との混合気に関する反応方程式を記述できるようにすること。空燃比、空気過剰率、当量比についてまとめること。また、テキストP.71演習問題の〔5〕〜〔8〕を解くこと。(2時間)
第7回
火花点火機関の燃焼(2)火炎伝播、ノック、表面点火
予習:ノックの原因と防止方法に着目してテキストP.54〜P63を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:火花点火機関の異常燃焼についてまとめること。また、ノックが引き起こす障害と回避方法をまとめること。また、テキストP.71演習問題の〔9〕〜〔12〕を解くこと。(2時間)
第8回
圧縮点火機関の燃焼
予習:ディーゼル機関の燃焼過程についてテキストP.63〜P70を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:ディーゼル機関の燃焼過程について、物理的過程と化学的過程に着目してまとめること。ディーゼル機関の異常燃焼とその対策をまとめること。また、テキストP.71演習問題の〔13〕〜〔17〕を解くこと。(2時間)
第9回
性能と計測
予習:平均有効圧力、トルク、出力の関係に着目して、テキストP.72〜P84を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:平均有効圧力を用いることで何を比較できるかまとめること。平均有効圧力、トルク、出力の関係式を導出できるようにすること。また、テキストP.85演習問題の〔1〕〜〔10〕を解くこと。(2時間)
第10回
吸気および排気装置
予習:4サイクル機関と2サイクル機関のガス交換と過給機に関して、テキストP.87〜P100を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:体積効率と充填効率の定義をまとめること。これらを高めるための手法をまとめること。過給機の種類と特徴をまとめること。また、テキストP.100演習問題の〔1〕〜〔4〕を解くこと。(2時間)
第11回
火花点火機関の構造と制御因子
予習:空燃比が機関性能と排出ガス成分に及ぼす影響に着目して、テキストP.101〜P119を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:HC、CO、NOxと空燃比の関係をまとめること。空燃比と燃料消費率とトルク変動の関係をまとめること。また、テキストP.119〜120演習問題の〔1〕〜〔5〕を解くこと。(2時間) 
第12回
圧縮点火機関の構造と制御因子
予習:燃料噴射装置に要求される項目と燃料噴射装置の種類について、テキストP.121〜P145を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:ディーゼル機関の燃焼室と噴射系の種類と特徴をまとめること。また、テキストP.146演習問題の〔9〕〜〔14〕を解くこと。(2時間)
第13回
内燃機関の環境対策
予習:HC、CO、NOx、PMとその規制について、テキストP.147〜P169を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:排気浄化装置の種類と特徴をまとめること。また、テキストP.169演習問題の〔4〕〜〔7〕を解くこと。(2時間)
第14回
内燃機関の冷却
予習:内燃機関の熱勘定と冷却方式の特徴についてテキストP.195〜P205を読んで理解しておくこと。(2時間)
復習:熱勘定と図示出力および正味出力の関係をまとめること。空冷式と水冷式の特徴をまとめること。また、テキストP.206演習問題の〔1〕〜〔3〕を解くこと。(2時間)


課題等に対するフィードバック
各回の課題に関する正解や考え方などは、その次の回の授業において説明を行うので、内容を必ず復習すること。
評価方法と基準
授業で課す課題や小テストに基づいて総合的に取り組みを評価し、60点以上(満点100点)の場合に合格とする。
テキスト
廣安博之ほか『改訂内燃機関』コロナ社(1999)【ISBN-10: 4339040673、ISBN-13: 978-4339040678】
参考図書
是松孝治ほか『エンジンー熱と流れの工学ー』産業図書(2005)【ISBN-10: 4782840934、ISBN-13: 978-4782840931】
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
本科目は学科専門科目の中で応用的な要素を多く含む講義内容であり、これまでに履修した基礎科目で身に着けた知識をベースに、機械の構造や機能をより深く専門的に学ぶことの一つとして位置づけられている。
履修登録前の準備
熱力学に関係する授業内容を復習すること。また、テキストを熟読しておくこと。