シラバス情報

授業コード
520328
オムニバス
科目名
倫理と技術
科目名(英語)
Ethics and Technology
配当学年
2年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
月曜1限
対象学科
基_機械
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
林 正弘
教室
3-227
実務家教員担当授業
担当教員の林正弘は、米国製三次元測定機などを製造する測定機メーカーの日本支社において、計量法校正事業者登録制度 (JCSS)の登録事業における校正業務の責任者としての実務に従事してきた。また データ分析やシステム開発などの実務に従事してきた。その実務経験も踏まえ授業を展開する。 
授業の目的と進め方
技術者は、技術とその成果が社会にもたらす影響がきわめて大きいことを常に意識して、最大限の配慮の上で技術を正しく用い、向上させる責務を負う。この責務を果たすために、倫理そして、倫理学というものを基本とする、技術者倫理を学び、その視点を身に着けることを目的とする。
授業では具体的な事例を交えながら技術者の社会的責任・倫理について考えていく。
達成目標1
技術者の社会的責任と倫理との関わりについて説明できる。【25%】
達成目標2
技術者倫理をベースとした人材育成が、ものづくりの原点であることについて説明できる。【25%】
達成目標3
今後さらなる多様性社会における技術者倫理の取り組みについて説明できる。【25%】
達成目標4
技術者として、倫理に関わる事件や事故に対して、自分の意見を述べることができる。【25%】
達成目標5
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
技術者倫理概論(1)
倫理とは、技術者倫理とは
新聞、テレビ等で最近の企業の不正問題について、事前に学修すること(1時間)。
技術者の倫理原則について復習すること(1時間)。
第2回
技術者倫理概論(2)
技術者の社会的責任と倫理
企業が存在する理由について、事前に学修すること(1時間)。
前回学んだことも踏まえて、技術者倫理教育の目的を復習すること(1時間)。
第3回
研究倫理
研究活動における不正行為には、どのようなものがあるか、事前に調べておくこと(1時間)。
なぜ不正行為が起きてしまったかを技術者倫理の視点で説明できるように復習すること(1時間)。
第4回
説明責任
過去の事故隠しや虚偽説明など、社会的に大きな問題が発生した事故、事件について、事前に学修しておくこと(1時間)。
技術者として消費者、公衆に対する説明責任の重要性を復習すること(1時間)。
第5回
製造物責任
過去に発生した事故について、作る側の責任と使う側の責任を事前に学修しておくこと(1時間)。
使用者は弱い存在であることを前提にしたPL法について復習すること(1時間)。
第6回
内部通報と内部告発
組織の一員としての技術者が不正行為を知った場合、自分ならどのような行動にでるか、事前に検討しておくこと(1時間)。
内部告発は技術者にとって、最後の手段といわれている理由について復習すること(1時間)。
第7回
リスクとヒューマンエラー
自分が経験したヒヤリハットはどのようなものがあったか事前に調べておくこと(1時間)。
代表的なリスク低減策としては、予防的対策はフールプルーフであり、対処的対策はフェールセーフであるが、具体的な事例を復習すること(1時間)。
第8回
知的財産の保護と営業秘密
知的財産には、どのようなものがあるか、事前に学修しておくこと(1時間)。
技術者が組織の一員であり、その職務に従事した過程でなした発明である職務発明について、復習すること(1時間)。
第9回
環境保全と倫理(1)
環境倫理の三原則
地球環境問題は年々深刻化しているが、その環境問題はどのようなものがあるか、事前に学修しておくこと(1時間)。
環境倫理三原則について、具体的な事例で説明できるように復習すること(1時間)。
第10回
環境保全と倫理(2)
地球環境保全に対する技術者の取り組み
地球温暖化対策として、CO2排出量の削減があるが、どのような取り組みがあるか、事前に学修しておくこと(1時間)。
環境保全に対する具体的な取り組みを復習すること(1時間)。
第11回
新技術と倫理(1)
ナノテクノロジー、バイオテクノロジーと倫理
ナノテクノロジーおよびバイオテクノロジーとは何か、具体的な応用製品は何か、事前に学修しておくこと(1時間)。
どちらも新興分野の技術であり、将来どのような倫理問題が生じるか十分把握されていないが、考えられる倫理的懸念について復習すること(1時間)。
第12回
新技術と倫理(2)
情報ネットワーク社会における倫理
身近な情報倫理問題はどのようなものがあるか、事前に学修しておくこと(1時間)。
情報ネットワーク社会における倫理問題とその対応策について復習すること(1時間)。
第13回
多様性社会と技術者倫理(1)
ユニバーサルデザインの原則
ユニバーサルデザインとは何か、その具体的な例はどのようなものがあるか、事前に学修しておくこと(1時間)。
人権の尊重およびユニバーサルデザイン7原則について、復習すること(1時間)。
第14回
多様性社会と技術者倫理(2)
ものづくりのグローバル化と科学技術の多様化
グローバル化における倫理問題について、ものづくりを資源調達、製造、廃棄の工程に分け、技術者の視点で事前に学修しておくこと(1時間)。
昨今の海外現地主導型ビジネスにおける倫理問題および科学技術の多様化について、復習すること(1時間)。


課題等に対するフィードバック
小テストの採点結果をフィードバックし、各授業の復習をすることにより、授業への理解をさらに深められるようにする。
評価方法と基準
期末試験60点、授業中に複数回実施する小テストを40点を100点満点として、合計60点以上を合格とする。
テキスト
適宜オンラインで配布する。
参考図書
小出泰士「JABEE対応技術者倫理入門」、丸善、(2010)
北原義典「はじめての技術者倫理」、講談社、(2018)
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
技術の有用性を確かめ倫理感を持って、ものづくりを実践するための能力を養うことを主目的とするための科目である。そのためにものづくり技術者として社会的責任と倫理を理解する必要がある。他の教養科目とも関連している。
履修登録前の準備
日々の新聞記事(産業、社会、経済関連)になるべく触れることが好ましい。