シラバス情報

授業コード
510635
オムニバス
科目名
卒業研究Ⅰ
科目名(英語)
Graduation Thesis I
配当学年
4年
単位数
4.00単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
実習
対象学科
基_応用,基_環生
コース
科目区分
専門科目
必選の別
必修科目
担当者
小池 隆司
教室
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
世界最先端の研究を行う上で必要とされる有機化学・触媒化学・光化学の基礎知識及び実験操作を中心とした基礎技術を身に付けることを目的とする。この授業で得られる知識・技術は卒業研究IIを行う上で不可欠である。前半はゼミ形式で行い、後半は実験中心で行う。
達成目標1
有機化学の基礎的知識や実験技術を理解し、身につける。【20%】
達成目標2
有機化学に関する最新の英語論文を読み、内容をまとめ説明することができる。【20%】
達成目標3
与えられた研究テーマに関して、背景を理解し、方法・期待される成果を自ら考え、まとめることができる。【20%】
達成目標4
研究テーマについて、教員とのディスカッションを重ね、中間報告書を製作して期日までに提出することができる。【20%】
達成目標5
中間審査会で成果を発表し、その妥当性を客観的に評価することができる。【20%】
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
ガイダンス(1):分子触媒化学について
研究室で展開されている触媒化学研究、とくに光触媒反応に関連するテーマの内容と背景についての理解に努めること。また有機合成研究に求められる各種スペクトル測定法について知識を得ること。
第2回
ガイダンス(2):有機機能性分子について
分子軌道論に基づく有機分子の構造・機能・物性や、有機反応機構についての理解を深めること。
第3回
ガイダンス(3): 卒業研究テーマの決定
ガイダンス(1)と(2)の内容をよく鑑みた上で、卒業研
究のテーマを選択する。卒業研究は各人にテーマがあるが、チームで取り組むため、教員と他のグループメンバーとよく相談する。
第4回
関連論文の読み(1): 論文の書かれた背景
卒業研究テーマを実施するにあたり、必要な情報
を既報の論文から得ることは必要不可欠である。英語論
文や和文論文から研究背景に関して理解を深めること。
第5回
関連論文の読み(2): 論文の新規性
自ら選んだ速報誌の関連論文を読み、内容を把握するよう
に努めること。次回の抄録会のための資料の準備を行うこと。その際、論文本文の新しさ・エッセンスを抽出するだけでなく、実験項もよく読むこと。
第6回
関連論文の読み(3): 抄録会
選んだ関連論文の内容を15分間にまとめプレゼンテー
ションし、質疑応答を経験する。他のメンバーのプレ
ゼンテーションに対する質疑応答に積極的に参加する
こと。またプレゼンテーション終了後、答えることのできなかった質問の答えを調べておくこと。
第7回
研究プロポーザル会の準備(1): テーマの
背景、目的、ねらい、戦略の理解と「夢」
決定した研究テーマの背景、目的、一年の実験計画、さらにその先にどんな「夢」があるのかを10分のプレゼンテーションにまとめること。関連論文から得た情報をうまく使うこと。教員やグループメンバーの助言を仰ぐこと。
第8回
研究プロポーザル会の準備(2): 発表スラ
イドの製作
発表のスライドを製作する。
第9回
研究プロポーザル会の準備(3): 発表原稿
準備
発表の原稿を制作する。必要に応じて、スライドを手直しすること。
第10回
研究テーマのプロポーザル会
各人の研究テーマを紹介するプロポーザル会を行い、背
景、目的、研究計画、「夢」などを自分の言葉で説明する。事前練習を怠らないこと。グループメンバー間での質疑応答で得られた助言を参考に各人、研究計画及び内容を再考する。
第11回
基礎実験(1): 実験立案
論文などを参考に合成実験を計画する手法を修得する。
具体的には、実験スケールから必要量の計算方法、 溶
媒の種類及び選択などを身に付ける。
第12回
基礎実験(2): 実験方法
実際の合成実験を行い、反応装置の組み立て方、器具の使い方、加熱、光照射、後処理などの方法を身に付ける。
第13回
基礎実験(3): 精製
実際の合成実験を行い精製法を身に付ける。カラムクロマトグラフィーや再結晶など。
第14回
基礎実験(4): 分析
合成実験で得られた生成物の分析を各種スペクトル測定で行い、分析方法を身につけること。


課題等に対するフィードバック
適切なタイミングで議論を行い、理解を深める。課題に関してはteamsを通じて提出後、添削を行う。必要なことはその都度、口頭にて指導を行い課題の完成度を高めていく。
評価方法と基準
卒業研究の中間抄録を提出する。くわえて指導教員による日常の研究活動の評価が合格レベルにあると認められる場合に、本科目を合格とする。成績評価は達成目標の進捗状況を考慮し、100点満点で60から69点の獲得でC評価とする。
テキスト
現在非常に多くの学術誌が出版されている。また、論文には総説、コミュニケーション、フルペーパーなど種類がある。選択する論文の形式やダウンロードについては授業の中で指示する。
参考図書
抄録会に使用する論文は全て英文学術誌である。
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
本科目では、触媒化学における最先端研究を行う上で必要とされる基礎知識及び基礎技術を身に付けることを目的としている。最新の論文を介して研究のための基礎知識を得て、基礎実験を介して基礎的実験法を身に付けることができる。この科目で学修する内容は卒業研究IIへとつながり、デュプロマポリシーの「実践的技術力」に対応する。
履修登録前の準備
最新の研究論文を読む習慣をつけることと、過去の有機化学の講義内容を十分に理解しておくことが必要である。