シラバス情報

授業コード
510922
オムニバス
科目名
数理統計
科目名(英語)
Mathematical Statistics
配当学年
1年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
金曜2限、金曜3限
対象学科
先_データ
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
秋山 純一
教室
1-301
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
日常において目にするデータや情報は、偶然、不確実な要因によって出現している。本科目では、こうしたデータに潜む特徴、傾向を理解するための統計的手法を修得することを目的とする。具体的には、データの種類を理解し、母集団と標本の概念を修得する。また、データの整理方法、可視化方法を修得し、バラツキの概念を理解する。そして、データの偶然、不確実を数理的に扱うために必要な確率論の基礎となる概念を修得する。さらに、整理したデータを用いて統計的推計および検定について基礎となる概念を修得する。
達成目標1
平均や中央値、最頻値、分散、標準偏差などの基本統計量を理解し、計算できる。【20%】  
達成目標2
データの可視化方法を理解し、与えられたデータに対し適切な可視化を実践できる。更に、図示されたグラフから適切な解釈を選択できる。【20%】  
達成目標3
相関係数を計算し、散布図の図示と共に相関の強弱を説明できる。【10%】 
達成目標4
母集団と標本の概念を基に、確率変数や確率分布などの確率の基礎概念を理解し、説明できる。【20%】
達成目標5
中心極限定理、信頼区間、帰無仮説・対立仮説、第一種の過誤・第二種の過誤などの推測統計学の基礎概念を理解し、説明できる。【20%】
達成目標6
統計的仮説検定の手順に従い、二項分布や正規分布などの基礎的な確率分布に従う検定ができる。【10%】
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
ガイダンス
統計学の基本
エクセルの使い方を確認する(予習1時間)。PPDACサイクル、ビッグデータ、ロングテール、統計学で扱うデータの種類について復習する(復習1時間)。 
第2回
記述統計学『グラフの図示①』
データを可視化するグラフとしてどのような種類があるのかを調べる(予習1時間)。棒・折れ線・帯・円グラフ、散布図、レーダーチャートについて復習する(復習1時間)。
第3回
記述統計学『グラフの図示②』
エクセルの機能を調べ、どのようなデータの可視化方法があるか理解しておく(予習1時間)。ヒストグラム、箱ひげ図、幹葉図、度数折れ線、累積度数折れ線、について復習する(復習1時間)。
第4回
記述統計学『基本統計量①』
高校数学の統計の内容を確認しておく(予習1時間)。平均値、中央値、最頻値、分散、標準偏差について復習する(復習1時間)。
第5回
記述統計学『基本統計量②』
偏差値の正しい適用例を確認し、偏差値として適切に適用されているもの、偏差値とされているが不適切に適用されているもの、適切かどうかは諸説あるが慣例的に適用されているものを調べる(予習1時間)。レンジ、四分位数、標準化、偏差値について復習する(復習1時間)。  
第6回
記述統計学『2変量間の関係』
具体的な2変量データの種類を調べ、オープンデータや学習用のダミーデータを収集しておく(予習1時間)。クロス集計表、共分散、相関係数について復習する(復習1時間)。
第7回
グラフの読み取りを中心とした問題演習
統計検定3級レベルのグラフの読み取りを行う(予習1時間)。統計検定3級レベルの問題を演習する(復習1時間)。
第8回
統計の為の確率『母集団と確率の基礎理論』
高校数学の確率の内容について確認しておく(予習1時間)。全数調査、標本調査、無作為抽出、標本誤差、試行と事象、確率の定義、根源事象、『同様に確からしい』、加法定理、排反、場合の数、樹形図、辞書式配列、和の法則と積の法則について復習する(復習1時間)。
第9回
統計の為の確率『順列と組合せ』
階乗の記号と計算方法について確認しておく(予習1時間)。順列の公式、組合せの公式について復習する(復習1時間)。 
第10回
統計の為の確率『確率変数と確率分布』
現実世界でどのような場面で確率の計算が適用されるか調べておく(予習1時間)。離散型確率変数の確率分布、離散型確率変数の期待値と分散、連続型確率変数の確率分布、確率密度関数とそれを利用した期待値と分散、独立試行の定理、反復試行の定理、二項分布、正規分布、正規分布の性質とパーセント点について復習する(復習1時間)。
第11回
推測統計学の基礎理論①
中心極限定理について概要を理解し、出来るだけ大きな標本サイズをもつオープンデータまたは学習用のダミーデータを集めておく(予習1時間)。母平均、母分散、母集団分布、標本平均の公式、標本分布、中心極限定理、大数の法則について復習する(復習1時間)。
第12回
推測統計学の基礎理論②
統計学が活用されている調査にどのようなものがあるか調べておく(予習1時間)。母平均の推定、信頼区間、帰無仮説、対立仮説、有意水準、検定統計量の分布、棄却域、帰無仮説の棄却について復習する(復習1時間)。
第13回
推測統計学の基礎理論③
どのような検定が存在するか調べておく(予習1時間)。片側検定、両側検定、p値、第一種の過誤と第二種の過誤、検出力について復習する(復習1時間)。
第14回
総まとめと問題演習
第1回〜第13回に実施した範囲について教科書を通読し、疑問点をまとめておく(予習1時間)。疑問が解消し、理解した内容をまとめておく(復習1時間)。


課題等に対するフィードバック
・小テスト:解答後、全て解説を行う。
・授業中提出課題、実習課題:手順を事前に解説する。
・記述課題:内容を事前に講義する。
評価方法と基準
授業中に逐次実施する以下の項目について、総合評価を60%以上で合格(C評価以上)とする。
出席・態度(20%)、授業中提出課題(20%)、実習課題(10%)、小テスト(30%)、記述課題(20%)
期末試験は無いが、進捗により最終回のテストを実施する場合がある。
テキスト
涌井 良幸, 涌井 貞美 (著)『統計学の図鑑 (まなびのずかん)』技術評論社 (2015年) ISBN: ‎ 978-4774173313
参考図書
日花 弘子 (著)『Excel データ分析の教科書 仕事に役立つデータの準備・分析・グラフ化の方法』 SBクリエイティブ(2022年)ISBN:978-4815612337
中原 治 (著)『基礎から学ぶ統計学』羊土社(2022年) ISBN:978-4758121217
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
データサイエンスプログラムにおいて、本科目はデータサイエンス基礎科目(必修)である。統計検定3級レベルの基礎的な知識と計算を学ぶと共に、コンピュータで統計処理をする基礎的な操作を実践する。直系の発展科目として、データ工学(データサイエンス応用科目)を位置付けている。
履修登録前の準備
・テキスト必携。講義中の説明において頻繁に図表を参照し、課題の出題範囲としても使用する。本年度のデータ工学のテキストとしても使用予定である。,,,,,,,,,
・ノートPC必携(インターネット接続可、Microsoft Office ExcelとTeamsがインストール済)。電源が無い状態で、充分に稼働する状態のバッテリーを推奨する。
・前提知識は必要無いが、高校の確率・統計を学んでいると修得がよりスムーズである。