シラバス情報

授業コード
510134
オムニバス
科目名
ヒューマノイドロボット研究Ⅰ
科目名(英語)
Humanoid Robot Research I
配当学年
1年
単位数
1.00単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
集中講義
対象学科
先_ロボ
コース
科目区分
カレッジマイスタープログラム
必選の別
選択科目
担当者
樋口 勝、中里 裕一
教室
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
本科目では、市販ロボットの分解・組立・制御プログラムの作成を通じて、ロボットを構成するハードウェアおよびソフトウェアの種類・機能・特徴・使用されている理由・使用上の注意点を理解すると同時に、ロボット工学に投入される基礎技術や数学・物理法則などの重要性を認識し、これら基礎科目に対して積極的に学習できるようになることを目的とする。
達成目標1
ロボットの機構の設計に必要な①アクチュエータ、②減速機、③動力伝達要素(歯車・ベルト・ワイヤ等)、③機械要素(軸受・ねじ・キー・軸等)、④材料、⑤加工方法、等の種類・特徴を理解し、目的・仕様に合わせてこれらを適切に選択できるようになる。【25%】
達成目標2
作業に必要な工具の種類・使用方法を理解し、適切な工具を適切な方法で使用できるようになる。【25%】
達成目標3
メンバーから意見を引き出し、それを理解すると同時に、自分の意見を的確に伝えられるようになる。【25%】
達成目標4
問題解決に必要な情報を自ら収集し整理し、自ら考えて問題解決できるようになる。【25%】
達成目標5
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
ガイダンス
講義・演習を行う。

「ヒューマノイドロボット研究」の目的や活動方法を説明する。
また、受講者に①過去のものづくり経験、②工房を履修する目的、3年間の工房活動での目標、活動計画、。将来の目標等の項目からなる受講目的・受講計画書を作成させる。
予習
カレッジマイスター科目を履修する目的および3年間の目標を考える。
(1時間)

復習
質疑応答を整理する。
選抜試験での成功点と問題点を把握し整理する。
(1時間) 
第2回
自己紹介
実習を行う。

選抜試験を通過した新規メンバー、他のロボット工房科目を履修している上級生、および教員の自己紹介を行う。
大勢の前での自己紹介および質疑応答を通じて、的確に自分の意見を人に伝達する能力、初対面の目上の人とのコミュニケーション能力を磨くと同時に、ロボットコンテスト本番、卒業研究発表、就活の面接等の緊張する場面で緊張しない精神力を鍛える。
予習
選抜試験の反省に基づき自己紹介内容を作成する。
(1時間)

復習
質疑応答の整理
自己紹介での成功点と問題点を把握し整理する。
(1時間) 
第3回
ロボットコンテストの説明
講義を行う。

ロボットコンテストの種類およびそれらの詳細なレギュレーション、日程について講義する。
予習
ロボットコンテストについてWebやロボコンマガジン等の雑誌、書籍等を用いて調査する。
(1時間)

復習
ロボットコンテストのレギュレーションを整理する。
(1時間)
第4回
チーム作成・役割分担
講義および実習を行う。

出場するロボットコンテスト、製作するロボットの構想に従いチームを作成する。
予習
プロジェクトマネージメントの一連の作業について把握しておく。
(1時間)

復習
プロジェクトファイルを作成する。
(1時間) 
第5回
目標設定・計画作成
講義および実習を行う。

作成されたチームの中で、チームリーダを始めとする役割分担を決める。
チームの目標、製作するロボットの構想を決定する。
半年間のチームの計画を作成する。
予習
チームメンバーで話し合い、それぞれの個性や希望を把握しておく。
フリーのプロジェクト管理システム「Brabio」の使用方法を把握しておく。
(1時間)

復習
チームの計画を見直し、より具体的な計画にしておく。
第6回
締結要素の理解
講義および実習を行う。

ロボットの締結要素の種類と特徴を理解する。
また、これらの締結に必要な工具の種類・特徴・使用方法を理解する。
特に市販ロボットはタッピングねじで樹脂部品を締結しているが、タッピングねじの再締結方法を間違えると樹脂部品の雌ねじがだめになってしまう。そのため、タッピングねじの再締結方法は繰り返し実習する。
予習
締結要素の特徴を調査する。
(1時間)

復習
身近な機械の締結要素を観察してみる。
(1時間) 
第7回
工具の理解
講義および実習を行う。

インサートの使用方法も実習する。
ボルト・ナットを締結する工具を実際に使用してその特徴や使い方を理解する。
把持する工具、ギヤプーラ、インパクトドライバのような分解に使用する工具等、ロボットの分解組立に必要な工具は一通り実習を通して使用方法を理解する。
予習
工具の種類・特徴・使用方法を調査する。
(1時間)

復習
適切な工具の選択と使用による身近な機械・装置の分解・組立を行う。
(1時間) 
第8回
ロボットの構造の理解①(市販ロボットの分解)
実習を行う。

正しい工具の使用方法により、市販されているヒューマノイドロボットの分解を行う。
分解しながら、その構成と使用されている部品のスケッチを行う。
予習
ロボットのマニュアルを熟読し、構造を理解する。
分解手順を作成する。
(1時間)

復習
ロボットの構成および部品のスケッチを完成する。
(1時間) 
第9回
ロボットの構造の理解②
(市販ロボットの組立図、構成部品表の作成)
実習を行う。

前回作成したスケッチを元に、各部品を3次元CADソフトを利用して各部品の3次元図面を作成する。
予習
3次元CADソフトの使用方法を修得する。
(1時間)

復習
各部品の3次元図面を完成する。
(1時間) 
第10回
ロボットの構造の理解③
(組立図、構成部品表の作成)
実習を行う。

3次元CADソフトを使用してロボットの組立図を作成する。
また、機能・特徴を簡潔にまとめた部品表を作成する。
予習
3次元CADソフトの組立図作成方法を調査する。
(1時間)

復習
組立図を完成する。
部品表を完成する。
(1時間) 
第11回
ロボットの構造の理解③
(平面図の作成)
実習を行う。

3次元CADソフトを使用して作成した部品、組立図を基に、加工用の平面図を作製する。寸法公差、幾何公差についても理解する。
予習
部品の名称・機能・特徴を調査する。
(1時間)

復習
平面図を完成する。
寸法公差、幾何公差についても復習しておく。
(1時間) 
第12回
ロボットの構造の理解⑤
(市販ロボットの組立)
実習を行う。

正しい工具の使用方法により、市販されているヒューマノイドロボットの組立を行う。
予習
作成した組立図、スケッチ、およびマニュアルからロボットの構造を理解する。
組立手順書を作成する。
(1時間)

復習
ヒューマノイドロボットを完成する。
(1時間) 
第13回
模擬競技会
実習を行う。

分解・組立を行ったロボットを使用して、実際のロボットコンテストと同じルール模擬競技を行う。
予習
ロボットの特徴を把握し.良い成績を得るための戦略を作成する。
ロボットの操作を習熟する。
(1時間)

復習
模擬競技での成功点と問題点を把握し、整理する。
(1時間) 
第14回
まとめ
実習を行う。

一連の作業により得られた知識をまとめたノート(ファイル)の作成・プレゼンテーション。
予習
一連の作業をまとめたファイルを作成する。
プレゼンテーション資料を作成する。
(1時間)

復習
プレゼンでの成功点と問題点を把握し整理する。
まとめファイルを修正・完成する。
(1時間)


課題等に対するフィードバック
全体報告会での発表については、その場で問題点を指摘すると同時に、改良案を複数提案し学生にとって最良の方法を考えさせる。また、提出された課題については、個々に添削した後に学生に返却する。また、共通する問題点については、次回の全体報告会の時に周知し、改良方法を伝達する。 
評価方法と基準
模擬競技の結果、一連の作業をまとめた技術ファイル、および最終プレゼンテーションを総合的に判断する。これら競技、ファイル、プレゼン手ショーンの合計点が60点以上で合格(C評価)となる。
テキスト
文献調査能力も身に付けることを目的としているので、特定のテキストは指定しない。
参考図書
文献調査能力も身に付けることを目的としているので、特定の参考図書は指定しない。
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
「ヒューマノイドロボット研究II・III・IV・V・VI」と連続する、ヒューマノイドロボット研究6科目の最初の導入科目である。
以後もヒューマノイドロボット研究の科目を継続して履修希望する者は本科目を履修することを強く勧める。
また、本科目は専門科目で修得した知識を実践すると同時に、目的をもった授業履修を促し、工学技術への動機づけや自発性の喚起をはかる。
履修登録前の準備
ロボットの理解に必要な、基本的な数学・物理を自分のものにしておくこと。