シラバス情報

授業コード
520085
オムニバス
科目名
CAD演習
科目名(英語)
CAD Practice
配当学年
1年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
木曜1限、木曜2限
対象学科
先_ロボ
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
大城 昌之
教室
1-301
実務家教員担当授業
担当教員(大城昌之)は、産業用ロボットの機構、サーボ制御、モータ・インバータハードウェアに関する設計・開発の経験を持つ実務者でもあり、3D−CADを用いた設計も実施している。この経験とスキルを生かして機構モデルの作成を前提とした3D−CADの操作に関する授業を行う。   
授業の目的と進め方
【目的】機械系の設計者にとって3D-CADの利用は不可欠のスキルとなっている。この授業ではCADを初めて学ぶ者が3D-CADを実際に用いて基本的な操作方法と初歩的な機構モデルの作成方法を修得する。CADツールとしてはAutodesk Inventorを用いる
【進め方】毎回の授業で使用する資料は当該授業の数日前に配信して予習可能な内容となっている。また理解を深めるために原則として授業毎に課題を課してレポートでの提出を求める。更に中間段階および最終段階でも課題を与える。


達成目標1
思い通りの形状・寸法のスケッチが作成できる【20%】
達成目標2
基本的なフィーチャ作成機能を用いて3Dモデルの作成・編集ができる【10%】 
注)フィーチャ:3D形状の基本要素。これを積み上げて3Dモデルを形成する
達成目標3
3D空間内の任意の場所でのスケッチ及びフィーチャの作成、さらにこれらの編集ができる【10%】
達成目標4
様々なフィーチャ機能(穴、ねじ、コイル、パターン他)が利用できる【10%】
達成目標5
機構のアセンブリモデルの作成・修正・編集ができる【20%】 
達成目標6
3Dモデルから2D部品図を作成できる【10%】
達成目標7
作成したモデルに関して、要求された事項を正しく含み、読み手に理解されやすくかつ体裁が整ったレポートを作成することができる【20%】

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
3D-CADの概要、2D−CADに対する優位性、モデル作成の基本的な流れにつき学習する。
次にInventorの初期設定および基本的なスケッチの作成方法を修得する。


持参するPCにインストールしてあるCADツールが動作する事を確認しておく。
Inventorの機能について調査しておく。また、配信する教材で予習しておく【2時間】


第2回
スケッチにおける、幾何拘束、寸法拘束、パターン化、特殊な寸法指定方法等を修得する。
スケッチの作成方法(第1回)について復習しておく。また、配信する教材で予習しておく【1時間】
第3回
基本フィーチャである押し出しと回転による3Dモデルの作成方法を修得する。
スケッチの作成は3Dモデル作成の必須要件であるので第1回、第2回についてしっかりと復習しておく。また、配信する教材で予習しておく【1時間】   
第4回
押し出し及び回転フィーチャのより詳細な操作方法を修得する
押し出しと回転によるフィーチャの作成・編集の基本(第3回)について復習しておく。また、配信する教材で予習しておく【1時間】
第5回
フィーチャ編集機能(穴、ねじ、フィレット、面取り)及び、パターン化の操作方法を修得する。
木やレンガを彫って立体を作る場合と、3D-CADを用いて詳細なモデルを作る場合の、類似点と異なる点について考えてみる。また、配信する教材で予習しておく【1時間】 
第6回
作業フィーチャを利用した3Dモデル作成方法を修得する。
配信する教材で予習して、作業フィーチャがなぜ必要なのか理解しておく【1時間】
第7回
様々なフィーチャ(スイープ、ロフト、コイル、シェル、ねじ)の操作を修得する。
身の回りの工業製品で、管状、らせん状、薄肉なものを探しておく。また、配信する教材で予習しておく【1時間】
第8回
中間演習:これまでに修得した3Dモデル作成手法の復習と理解度測定のために、課題のモデルを作成し結果をレポートにまとめる。
前回までに学んだ、モデルの作成手法(第1回〜第7回)を復習してくる【1時間】
第9回
中間演習:つづき 
前々回までに学んだ、モデルの作成手法(第1回〜第7回)を復習してくる【1時間】 
第10回
アセンブリの基本操作を修得する。可動部を含んだアセンブリの作成も修得する。
配信する教材で予習しておく【1時間】
第11回
特殊なジョイント(関節部)や、可動部が多い機構のアセンブリモデルの作成方法を修得する。
機械が動く場合、動作部(関節部)にはどのような種類の拘束があるか考えてくる。また、配信する教材で予習しておく【1時間】 
第12回
3Dモデルから、2D図面を作成する基本操作につき修得する。
機械図面の例を探してどのように表記しているか研究しておく。また配信する教材で予習しておく【1時間】
第13回
総合演習:CAD演習で学んだ事項の復習と理解度測定を兼ねて、課題のアセンブリモデルを作成する。
ロボットなどの関節機構の構造について調べてくる。またアセンブリモデルの作成手法を復習しておく【1時間】
第14回
総合演習の続き:アセンブリモデルを完成させ、結果をレポートにまとめる。 
読みやすいレポートの作成方法につき調べておく。またアセンブリモデルの作成方法につき復習しておく【1時間】


課題等に対するフィードバック
授業毎に課している課題の解法に関する解説を次回の授業の冒頭で実施する。この際に各履修者には自分の解答と比較して理解を深めてもらう。
評価方法と基準
各章毎の課題レポート(50点満点)、中間演習レポート(20点満点)、期間最後の総合演習のレポート(30点満点)の得点合計が60点以上の者に対して所定の単位を認定する。
ただし、授業毎の課題レポートが4回以上未提出、中間演習レポートが未提出、総合演習レポートが未提出のいずれかに該当する者は履修放棄と見なし不合格とする。
また指定されたフォーマットでレポートを作成する事を重視するので、違反する場合は減点または未提出扱いとする事を原則とする。
尚、ポータルの誤った枠に提出した場合は未提出扱いとする。



テキスト
毎回の授業の開催に先立ち、授業毎の授業資料(PDF版)及び教材データをポータルにアップロードするので、各自ダウンロードして紙に印刷(モノクロ可)して持参するか、演習用のPC以外の8インチ以上の画面で参照可能としておくこと。また上記の遵守状況を検査し、守らない場合は減点する場合がある。
また課題については原則として授業の中で紙にて配付する。ただし授業資料と一括でポータル経由で配信する場合もある。課題部分の印刷は任意とする。
参考図書
MONO web 3DCADの基礎を学ぶ(https://d-engineer.com/3dcad/)
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
3D−CADを適用した設計・製造が常識化する中で、これに対応できる技術者を養成する第1ステップに位置付けている。
初めてCADを学ぶ者を対象に、3D−CADを用いた機械系の設計(モデリング)の方法と図面への変換方法を演習形式で学習する。
3D−CADツールとしてはAutodesk Inventorを用いるが、他のツールとの共通性を念頭に、できるだけ基本的な操作方法を用いたモデル作成方法で練習する。

履修登録前の準備
(1)CADツールとしては、Autodesk Inventor2025 professionalを用いる予定で、これを持参するPCにインストールしておくこと・・・・最終的なバージョンについては履修登録開始前に掲示板にて連絡する。
(2)Inventorは学生向けの無償版が配付されているのでこれをインストールすることができる(「Autodesk 教育機関限定ライセンス」で検索できる)。これにはAutodeskのアカウントを取得してからライセンスを取得する必要があるが、この際は学生である事の証明を求められる。要領についてはAutodeskのサイトの指示に従うこと。