シラバス情報

授業コード
520234
オムニバス
科目名
ヒューマノイドロボット研究Ⅳ
科目名(英語)
Humanoid Robot Research IV
配当学年
2年
単位数
1.00単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
集中講義
対象学科
先_ロボ
コース
科目区分
カレッジマイスタープログラム
必選の別
選択科目
担当者
樋口 勝、中里 裕一
教室
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
ロボットの機構設計・制御系設計だけでなく、ロボット競技会に出場するためのロボット開発をプロジェクトとし、一連のプロジェクトマネージメントができるようになる。さらに、プレゼンテーション能力として、自分の考えを単に伝えるのではなく、相手を説得させることのできる理論展開やプレゼン手ショーンができるようになる。
達成目標1
プロジェクトマネージャとして、プロジェクトマネージメントできるようになる。【25%】
達成目標2
論理的思考により問題解決できるようになる。【25%】
達成目標3
相手を納得させられる論理展開とプレゼンデーションを行うことができるようになる。【25%】
達成目標4
創造的な目標(仕様)を設定し、それを満たすロボットを設計できるようになる。【25%】
達成目標5
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
チーム編成
実習を行う。

参加するロボットコンテスト、製作するロボットのコンセプト等に基づき、チームを作成する。
予習
自分に不足している知識の把握と整理
(1時間)

復習
プロジェクトの準備(目標・計画・役割分担等)
(1時間)
第2回
PMの実践(目標・役割分担・計画・リスク管理)
実習を行う。

ロボット開発を成功に導くためのPM(プロジェクトマネージメント)をグループごとに実践する。
目標の設定、PMの3要素(成果物・品質、資源(人・金)、時間)の優先順位を決定する。
役割分担、計画作成、リスクマネージメント、計画の修正手続き方法、進捗状況管理方法等を決定する。
予習
過去のプロジェクト(ロボット創造工房での取組)に対するプロジェクトマネージメント的な評価
(1時間)

復習
プロジェクトファイルの作成
(1時間)
第3回
プロジェクト発表会
実習を行う。

プロジェクトの発表を行い、ディスカッションすることで、プロジェクトを客観的に評価する。
これと同時に、問題点を抽出し、その解決方法を議論し決定する。
予習
発表資料の準備
発表練習
(1時間)

復習
質疑応答の整理
問題点の把握と、解決方法の提案
修正したプロジェクトファイルの作成
(1時間)
第4回
KJ法による問題解決演習
実習を行う。

問題解決方法の一つであるKJ法の概要を説明し、簡単な演習問題をグループ毎に実践する。
なお、これとは別にプロジェクトの計画に従い、ロボット設計を進め、進捗状況報告を行う。
予習
KJ法を含む、問題解決方法の調査
(1時間)

復習
演習問題に対する各自の取り組みの評価
問題点の把握と、解決方法の提案
別の問題に対するKJ法の実践
(1時間)
第5回
KJ法によるロボット設計問題解決
実習を行。

ロボット開発の問題に対して、KJ法を適用して解決をする。
なお、これとは別にプロジェクトの計画に従い、ロボット設計を進め、進捗状況報告を行う。
予習
ロボット開発の問題点の列挙
解決方法の調査・列挙
(1時間)

復習
解決方法の整理
プロジェクトファイル(特に目的・計画)の修正
(1時間)
第6回
満足設計と最適設計
実習を行う。

ロボットの各部の設計に対して、満足設計と最適設計のどちらの設計を行うのか判断し、それぞれの設計問題に対して、制約条件(拘束条件)・設計変数・目的関数(評価関数)を設定する。
また、これらの設計問題に対する設計手順を決定する。
なお、これとは別にプロジェクトの計画に従い、ロボット設計を進め、進捗状況報告を行う。
予習
制約条件(拘束条件)、設計変数、目的関数(評価関数)に対する自分なりの考えの整理
(1時間)

復習
設計問題の整理
設計手順の整理
(1時間)
第7回
概念設計1(基本構想の決定)
実習を行う。

概念設計を完成させる。
特に目的との整合性や、実現可能性、計画性等に対して客観的な評価を行い、これらの問題の無い設計を行う。
また、問題に対しては、KJ法を始めとする問題解決法を適用し論理的に解決する。
予習
担当に従った概念設計の実行
(1時間)

復習
概念設計書の完成
(1時間)
第8回
概念設計2(計画図の作成)
実習を行う。

主要な寸法や許容されるアクチュエータ・減速機等の機能要素、軸受・歯車などの機械要素の寸法を決定し、
方眼紙を用いて計画図を作成する。
予習
機械設計製図の復習
(1時間)

復習
計画図の完成
(1時間)
第9回
概念設計発表会
実習を行う。

概念設計の発表を行い、ディスカッションすることで、概念設計を客観的に評価すると同時に、問題点を抽出し、その解決方法を議論する。
予習
発表資料の準備
発表練習
(1時間)

復習
質疑応答の整理
問題点の把握と、解決方法の提案
概念設計の修正
計画の修正と修正したプロジェクトファイルの作成
(1時間)
第10回
詳細設計1(アクチュエータ・減速機・機械要素の選定)
実習を行う。

納期がかかり、かつ自分で製作することが困難な機能要素(アクチュエータ・減速機・ブレーキ・クラッチ等)と機械要素の選定を行う。
各関節の運動(変位・速度・加速度)と力・トルクを見積もり、それらを満たす要素の種類・形式を選定する。
予習
機能要素・機械要素の調査
運動学・動力学の復習
(1時間)

復習
選定した部品リストの作成
予算の作成
発注リストの作成
(1時間)
第11回
詳細設計2(モデルによる強度設計)
実習を行う。

リンク、本体等の構造部品・軸・歯車等の動力伝達部品、ねじ・リベット等の締結要素についての強度設計を行う。
設計した各部品を単純なモデルに置き換え、概略設計を行う。
そして、3次元CADを使用して詳細な図面を完成させる。
予習
材料力学、機械要素設計の復習
3次元CADの使用方法の確認
(1時間)

復習
概略設計に基づく詳細設計図面の作成(3次元CAD)
(1時間)
第12回
詳細設計3(FEMによる強度設計)
実習を行う。

作成した3次元CADの図面に基づきFEM(有限要素法)により詳細な強度計算・剛性計算を行い、必要とする強度・剛性を満たす部品の形状・寸法・材質を決定する。
予習
有限要素法の復習
有限要素法ソフトの使用方法の確認
(1時間)

復習
計算結果の整理
修正した部品図の完成
(1時間)
第13回
詳細設計4(図面の完成)
実習を行う。

組立図、部品図を完成させる。
同時に部品リストを作成する。
部品の加工方法、加工手順、作成計画、および予算計画を作成する。
予習
公差や図面作成法の再確認
加工方法の特徴(加工精度、加工時間)の再確認
(1時間)

復習
詳細設計の完成
(1時間)
第14回
詳細設計発表会
実習を行う。

詳細設計の発表を行い、ディスカッションすることで、詳細設計を客観的に評価すると同時に、問題点を抽出し、その解決方法を議論する。
予習
発表資料の準備
発表練習
(1時間)

復習
質疑応答の整理
問題点の把握と、解決方法の提案
詳細設計の修正
今後の計画の作成
(1時間)


課題等に対するフィードバック
全体報告会での発表については、その場で問題点を指摘すると同時に、改良案を複数提案し学生にとって最良の方法を考えさせる。また、提出された課題については、個々に添削した後に学生に返却する。また、共通する問題点については、次回の全体報告会の時に周知し、改良方法を伝達する。
評価方法と基準
一連の作業をまとめたファイル、および毎回のプレゼンテーションを総合的に判断する。
提出ファイルおよび毎週のプレゼンテーションの合計点が60点以上で合格(C評価)となる。 
テキスト
文献調査能力も身に付けることを目的としているので、特定のテキストは指定しない。
参考図書
文献調査能力も身に付けることを目的としているので、特定の参考図書は指定しない。
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
「ヒューマノイドロボット研究V」でオリジナルロボットを開発するために、「ヒューマノイドロボット研究I・II」による基礎知識、「ヒューマノイドロボット研究III」による実践的知識・技術をベースとして、PM(プロジェクトマネージメント)を実践しながら、創造的なロボットの設計手法を身に付けることを目的とする。 
履修登録前の準備
「ヒューマノイドロボット研究I・II・III」、「ロボット工学演習」、「ロボット開発実験I」、「物理I」、「ロボット機構学」の履修および復習。