シラバス情報

授業コード
510454
オムニバス
科目名
構造力学・演習Ⅲ
科目名(英語)
Practical Structural Mechanics Ⅲ
配当学年
3年
単位数
3.00単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
月曜3限、月曜4限
対象学科
建_建築_Aコース
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択必修科目
担当者
田中 実
教室
2-275
実務家教員担当授業
担当教員の田中は、建設関係行政の実務経験がある。その経験を活かし、実践的なテーマや実例を授業で扱っている。
授業の目的と進め方
ほとんどの建築構造物は、不静定構造物である。不静定構造物は静定構造物と異なり、構造物に生じる応力を求めるには、「力の釣合い条件」のほかに「変形の適合条件」が必要となる。本講義では、変形の解析方法と不静定構造物の応力算定方法を複数講義する。構造物に応じた適切な解法を選択し、安全な建築構造物を設計できるようになることを目的とする。
達成目標1
仮想仕事法を用いて、構造物の変形が求められる。【70%】
達成目標2
応力法を用いて、不静定ラーメンの応力が求められる。【100%】
達成目標3
固定モーメント法を用いて、不静定ラーメンの応力が求められる。【100%】
達成目標4
構造物の状態に応じて、適切な解法により応力と変形を求められる。【70%】
達成目標5
構造物の崩壊荷重を求められる。【70%】
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
不静定次数、分布荷重と応力の関係
分布荷重が作用する静定梁の分布荷重とせん断力、曲げモーメントの関係を予習すること(構造力学・演習Ⅰ)。(2時間)
第2回
弾性曲線式、モールの定理による変形
弾性曲線式及びモールの定理を用いたたわみ角とたわみの算定方法を予習すること(構造力学・演習Ⅱ)。(2時間)
第3回
仮想仕事法(1)仕事とエネルギ、相反定理
身近な物理現象において、エネルギの概念を説明できるよう予習すること。(2時間)
第4回
仮想仕事法(2)仮想仕事法による変形
仮想仕事法を用いて、種々の荷重が作用する静定梁の変形を計算できるよう復習すること。(2時間)
第5回
仮想仕事法(3)仮想仕事法による不静定骨組の応力
反力を不静定力とした静定基本構造を用いて、応力法により応力を求める方法を復習すること。(2時間)
第6回
仮想仕事法(4)仮想仕事法による合成定骨組の応力
内力を不静定力とした静定基本構造を用いて、応力法により応力を求める方法を復習すること。(2時間)
第7回
たわみ角法(1)たわみ角法の基本式、剛度と剛比
単純支持梁と両端固定梁の応力と変形の関係を予習すること。(2時間)
第8回
たわみ角法(2)節点移動のない構造物の応力
節点における力のつり合いを予習し、節点方程式の考え方を復習すること。(2時間)
第9回
たわみ角法(3)節点移動のある構造物の応力
構造物全体における力のつり合いを予習し、層方程式の考え方を復習すること。(2時間)
第10回
固定法(1)分割率、到達モーメント
断面二次モーメントの算出方法(構造力学・演習Ⅱ)、剛度および剛比(第7回)の求め方を予習すること。(2時間)
第11回
固定法(2)節点移動のない構造物の応力
第8回の演習問題と同じ問題を固定法で解き、その結果を比較すること。(2時間)
第12回
固定法(3)節点移動のある構造物の応力
第9回の演習問題と同じ問題を固定法で解き、その結果を比較すること。(2時間)
第13回
水平荷重を受ける不静定ラーメンの変形
剛床仮定、層間変位、層間変形角の意味を調べておくこと。(2時間)
第14回
水平荷重を受ける不静定ラーメンの崩壊荷重
塑性解析法の概要を予習すること。(2時間)


課題等に対するフィードバック
演習授業内に採点を行う。授業内に終了しなかった受講生に対しても提出課題を採点し、次回の授業始まりに採点済の課題を返却する。
評価方法と基準
毎回の演習(30%)+ 期末試験(70%)
上記成績の評価が60点以上の者を合格とする。 
テキスト
適宜、プリントを配布する。

参考図書
構造力学研究会『建築構造力学 下』理工図書(2011年)【ISBN:978-4844607809】
岡田章、宮里直也『くわしすぎる構造力学演習Ⅲ 不静定構造編』彰国社(2015年)【ISBN:978-4395320349】
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
建築物の構造設計、構造解析の基本となる科目である。特にたわみ角法は、構造設計の実務で最も多用されているマトリクス法において、構造物各部の応力や変形を評価するための基礎となる。建築コースの学生にとって、3年次以降の構造系科目を理解するために必要不可欠な科目である。
履修登録前の準備
「構造力学・演習Ⅰ」および「構造力学・演習Ⅱ」の単位を取得していること。