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教員名 : 吉野 一
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授業コード
520195
オムニバス
科目名
環境工学Ⅱ
科目名(英語)
Environmental Engineering Ⅱ
配当学年
2年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
火曜2限
対象学科
建_建築_Aコース,建_建築_Lコース
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
吉野 一、深和 佑太
教室
5-203
実務家教員担当授業
担当教員の吉野一は、建築空間における空気環境制御や省エネルギーに関する実務経験がある。その経験を活かし、換気のメカニズムや換気効率に関して省エネルギーと絡めながら実践的なテーマや実例を授業で扱っている。
担当教員の深和佑太は、建築環境学をベースとしたデザインの実務経験がある。その経験を活かし、省エネルギーと絡めながら実践的なテーマや実例を授業で扱っている。 授業の目的と進め方
本講義では、機械設備に頼らない建築的な快適環境形成手法、特に必要換気量、自然換気・機械換気、騒音・遮音対策、室内音響計画の各項目について、これらを定量的に扱うための物理的原理を理解し、その計算手法を修得する。
達成目標1
室内空気環境に関して問題となっているシックハウスの原因や対策について理解し、設計に活用できる。【10%】
達成目標2
室内における室内空気汚染問題に対して、換気手法として汚染物質の発生量から必要換気量が算出できる。【20%】
達成目標3
機械換気の種類と適切な使用方法について説明できる。【10%】
達成目標4
自然換気の風力換気と温度差換気について、その違いや有効性、設計上の注意点について解説できる。【10%】
達成目標5
人の感覚としての音環境の評価を理解し、遮音性能や吸音性能を用いた騒音防止や室内音響計画ができる。【25%】
達成目標6
地域の気候特性を踏まえた建物の熱的性能の違いを理解したパッシブ手法の検討ができる。【25%】
達成目標7
アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
○
フィールドワーク
その他課題解決型学習
演習課題の中で、自然換気や音響設計等における問題点について考え、評価を行う内容を設定している。
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
建築基準法と環境工学について学習する
建築基準法に示された要素(温熱環境、空気汚染物質)についての用語を調べておくこと。(2時間)
第2回
室内空気環境と汚染物質について学習する
身近な室内空気汚染の現象を取り上げて、その発生要因について調べ、対策を検討すること。(2時間)
第3回
室内空気汚染の対策について学習する
様々な空気汚染対策手法について、対象物質や建物用途に対する適性の観点でまとめること。(2時間)
第4回
必要換気量の算出を学習する
空気汚染物質に応じた必要換気量の算出方法をしっかりと復習し、演習問題の回答ができるようにしておく。(2時間)
第5回
風力換気のメカニズムを学習する
建築学群棟の風力換気について、開放する開口部の違いや風の状況による換気量を体験すること。(2時間)
第6回
温度差換気と煙突効果について学習する
温度差換気の原理について理解し、高層建築の回転ドアや二重扉の意味を確認しておくこと。(2時間)
第7回
音環境の基礎を学習する
音の波としての特徴を地震波との関係で理解し、波長・周波数・音速等の専門用語を復習しておくこと。(2時間)
第8回
物理量と感覚量、レベルの合成を学習する
音の物理量と感覚量の関係を理解し、感覚量のレベルの合成や距離減衰の計算手法を確実に修得する。(2時間)
第9回
遮音と騒音防止計画を学習する
自宅や自室の遮音性能について調べ、地域や用途から十分な性能を確保できているか判断すること。(2時間)
第10回
室内音響計画(1)材料の吸音特性を学習する
内装材などの建築仕上げ材料や椅子等の什器に関して、吸音性能の面で整理してみること。(2時間)
第11回
室内音響計画(2)残響時間と音圧分布を学習する
音響施設や教室を取り上げ、形状や仕上げ材料について、残響効果の面で最適なものかどうか検討すること。(2時間)
第12回
都市環境と地球環境を学習する
都市や地球環境問題に関して、新聞や雑誌等で取り上げられている最近の話題について調べておくこと。(2時間)
第13回
地域気候特性を学習する
自分の住んでいる地域の気候特性を調べ、住宅設計における注意点についてまとめること。(2時間)
第14回
省エネルギー手法を学習する
最新の省エネルギー技術について、原理と効果、実施例などについて調べ、できれば見学すること。(2時間)
課題等に対するフィードバック
各回の授業において確認のためのテストを実施し、その解答と解説を行うことでフィードバックを実施している。
また、授業の前半(第7回:吉野)と後半(第14回:深和)におさらいを実施している。 評価方法と基準
授業毎に実施する小テスト【30%】+期末試験【70%】により評価し、
合計点が60点以上(100点満点)で合格とする。 テキスト
倉渕隆 『建築環境工学』 市ヶ谷出版社(2016年) [ISBN: 978-4-87071-024-5]
参考図書
木谷文樹 『建築環境設備学』彰国社 (2003年) [ISBN-13: 978-4395005406]
飯野秋成 『図とキーワードで学ぶ 建築環境工学』 学芸出版社 (2013年) [ISBN-13: 978-4761525521] 科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
「環境工学Ⅰ・Ⅱ」で修得した建築環境工学の原理・公式は、3年次の「建築設備」「建築・都市の設備計画」において学ぶ、配管設計や空調負荷計算等の実践で適用する手法へ応用される。また、「建築環境実験演習」「建築設備演習」では、これらの原理・公式を、測定・解析および設備設計の実務の中で体験することで理解を深めていける。
履修登録前の準備
1年次の必修科目「建築と住まい」「環境計画」の内容を復習しておくこと
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