シラバス情報

授業コード
520213
オムニバス
科目名
木造住宅の構造
科目名(英語)
Structure of Wooden Houses
配当学年
2年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
金曜2限
対象学科
建_建築_Lコース
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
藤井 佑太朗
教室
1-351
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
私たちの身近な木造建築はどのような仕組みで出来ているのか、在来軸組構法、ツーバイフォー構法、集成材構法などの構造・構法的特徴、空間特性についての理解を深めます。耐力壁の配置や壁量計算などの実務的な手法を学ぶことで、木造住宅の設計・施工に関する基礎知識を身に付けることができます。 
達成目標1
木材および木質材料ならびに木造住宅の利点・欠点が理解できる(20%)。
達成目標2
木造住宅の骨組のしくみがわかる(20%)。
達成目標3
在来工法やツーバイフォー工法の相違が説明できるようになり、木造建物全般の設計に関する基礎的能力が向上する(20%)。
達成目標4
木造軸組の接合部における継手・仕口の仕組みや効用を理解できる(10%)。
達成目標5
簡便な壁量計算の手法や評価方法の体験を通して、地震等による建物の揺れやねじれを考慮した木造住宅の設計感覚を得ることができる(30%)。
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
建築材料としての木材の特質・性質 
木造住宅の基本材料である木材について、物理・化学的性質に加え、天然材料としての利点・欠点をまとめること(2時間)。 
第2回
木材の防火・耐火・耐久性 
「燃える、腐る、狂う」が木材の欠点であるが、その対処法について参考資料からまとめておくこと(2時間)。 
第3回
合板、集成材、各種エンジニアリングウッド 
木材の欠点や環境を考慮した種々の木質材料が開発されている。それらの材料の材料的特徴の理解に努める(2時間)。 
第4回
構造形式の概要
木造住宅の多様な構造形式を把握し、その特徴や空間の雰囲気などを参考書等からまとめておくこと(2時間)。 
第5回
在来軸組構法の構造・特徴
今後の設計の参考となるべく、主要な構造形式である在来軸組構造の特徴をまとめておく(2時間)。 
第6回
ツーバイフォー(枠組壁工法)の構造・特徴
米国で生まれたツーバイフォー構法の生い立ちを参考書からまとめ、構造の特徴の理解に役立てること(2時間)。 
第7回
集成材構法の構造・特徴 
独特の形態を持つことが多い集成材構法の建物をHP等から検索し、可能な範囲で見学に出かけることを勧めたい(2時間)。 
第8回
木造住宅の床・壁・天井・屋根
床・壁・屋根の仕組みを概観し、基本的な部分の納まりについて寸法値をいれて作図しておくことが重要である(2時間)。 
第9回
木質構造の接合方法(継手・仕口)
多様な接合方法を用いる部分の主要構造材ごとに分類して整理し、仕組みや働きについて考察してみる(2時間)。 
第10回
木造住宅に求められる設計性能 
建築基準法施行令に掲げる木造について整理しておく(2時間)。 
第11回
演習・設計実例からみる木造部材断面の設計
簡明な住宅の骨組を考え、柱、梁、床などの耐力を構造計算から確認するので、図面を読み込んでおくこと(2時間)。 
第12回
演習・設計実例からみる耐力壁の配置と壁量計算1(壁量の検討) 
開放的な住宅を設計するあまり、建物のねじれや偏心が起こり脆弱化することを壁量計算から理解すること(2時間)。 
第13回
演習・設計実例からみる耐力壁の配置と壁量計算2(四分割法) 
壁量の検討結果を検証する。どの部分がなぜ脆弱なのか、などを考察してまとめておくこと(2時間)。 
第14回
演習・設計実例からみる耐力壁の配置と壁量計算3(図面化)
軸組図または軸組模型を作成し、架構を確認する(2時間)。


課題等に対するフィードバック
課題の提出後に採点をし、それを返却することでフィードバックとする。
評価方法と基準
課題成果(70%)+プレゼンテーション(30%)による総合評価。
上記内容の評価点および平常点の合計で60点以上を合格とする。 
テキスト
関連資料を適宜配布する。
参考図書
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
2年次に学ぶ一般構造科目である。一級建築士の受験にあたっては、本科目と1年秋学期の『建築のしくみ』を修得すれば科目分類の「建築一般構造」における受験資格を充足する。入門的な内容の『建築のしくみ』を経て、本科目においてより専門的な内容を学習する。本科目を通して、木造および木質構造の全体像を把握することが可能となり、木造建築による建築空間を設計・施工する際の重要な知識を得ることができる。
履修登録前の準備
テキストの該当部分をよく予習する。配布資料や他の参考書等も参照しながら、スケッチや簡易模型作成などによりディティール部分の理解を深めておくこと。