シラバス情報

授業コード
520454
オムニバス
科目名
世界遺産とアジアの建築
科目名(英語)
World Heritage and Asian Architecture
配当学年
3年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
木曜1限
対象学科
建_建築_Aコース
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
樋口 諒
教室
2-276
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
世界遺産とアジアの建築についての知識・理解を深め、アジアの歴史的建造物を主な対象に、保存修復の事例を通して、建築遺産を受け継ぎ現代に生かす意義を学び、その理念とともに具体的な手法に関する専門知識を習得する。 
達成目標1
世界遺産について、実例を挙げながら、その概念について説明できる。【20%】
達成目標2
アジアの建築文化の特性を知り、設計をはじめとする建築活動に役立てることができる。【20%】
達成目標3
建築文化財の保存修復理念と手法、国際協力の仕組みを理解し、建築業務や社会活動に役立てることができる。【15%】
達成目標4
建築遺産を受け継ぎ、現代に生かすことを考えることも、建築に携わる者のひとつの責務であることを自覚できる。【15%】
達成目標5
建物を取り壊す前に、再生・活用する手段がないかを考えることができる。【15%】
達成目標6
建築を通して異文化の理解を深め、異文化理解が国際化社会で活動する上で必要不可欠な要素であることを自覚できる。 【15%】
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
世界遺産とは何か 
「ユネスコ世界遺産」について、その目的、登録基準などを中心に調べ、世界遺産という概念を理解する。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。 
第2回
危機に瀕する文化遺産 
「危機遺産リスト」に登録された世界遺産について調べ、その主な要因、講じられている対応策などを理解する。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。
第3回
ヌビア遺跡救済プロジェクト 
ヌビア遺跡について調べ、「世界遺産」という概念が生まれたきっかけと、用いられた保存修復技術を理解する。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。 
第4回
ボロブドゥール遺跡保存修復プロジェクト 
「アジア」の定義とボロブドゥール遺跡をはじめとするインドネシアの建築について調べておくこと。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。 
第5回
ヴェニス憲章 
歴史的建造物の保存修復にあたっての基本理念とされる「ヴェニス憲章」について、自分なりの解釈を試みる。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。  
第6回
中間レポートの発表・講評 
課せられた世界遺産に関するレポートについて、各自その要点を発表できるように準備しておくこと。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。
第7回
アンコール遺跡とその危機の要因 
アンコール遺跡を例に、組積建造物の危機の要因を理解する。アンコール遺跡について調べておくこと。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。 
第8回
アンコール遺跡保存修復プロジェクト 
バイヨン寺院北経蔵の保存修復プロジェクトを中心に、アンコール遺跡保存修復に関わる理念、技術を理解する。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。 
第9回
ワット・プー遺跡保存修復プロジェクトとヴィエンチャン埋蔵文化財調査 
建築文化財保存修復に関わる国際協力の仕組みを理解する。「ODA(政府開発援助)」について調べておくこと。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。 
第10回
モザンビーク島保存修復プロジェクトと古建築の再生・活用 
古建築の保存修復手法のひとつとして「用途変更」があることを理解する。古建築の再生・活用例を調べておくこと。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。 
第11回
古民家再生プロジェクト 
古民家建築の調査方法や使い続けるための工夫について理解する。古民家再生例について調べておくこと。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。
第12回
アジャンター・エローラー石窟寺院保存修復・観光開発プロジェクト 
インドにおける石窟寺院の保存修復に関わる理念、技術を理解する。インドの建築と宗教について調べておくこと。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。
第13回
シェンクアン仏教寺院遺跡群保存修復プロジェクト 
歴史的建造物の保存修復プロジェクトの進め方を理解する。ラオス建築について調べておくこと。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。
第14回
最終レポートの発表・講評 
課せられた建築の再生・活用に関するレポートについて、各自その要点を発表できるように準備しておくこと。
予習時間・復習時間の目安として合計1時間以上とする。 


課題等に対するフィードバック
提出物についてはその都度、各人に講評を行う。
評価方法と基準
中間レポートと最終レポート、及び授業中の小課題の総合得点を求め、60点以上を合格とする。
提出された課題等は添削した後に返却する。内容を必ず復習すること。 
テキスト
テキストは指定しない。必要に応じてプリントを配布する。 
参考図書
日本建築学会編『東洋建築史図集』彰国社[ISBN:4-395-00087-8]
大河直躬・三舩康道編著『歴史的遺産の保存・活用とまちづくり』学芸出版社[ISBN:4-7615-3049-9]
西村幸夫・本中眞編著『世界文化遺産の思想』東京大学出版会[ISBN-13:978-4-13-023074-2]
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
世界遺産という考え方は、建築遺産などを人類共通の財産として保存していく必要性を示すものである。また現在の地球環境は、役割を終えた建物を取り壊して新築するのではなく、可能な限り使い続けることを要求している。リノベーション(大規模改修)・コンバージョン(用途変更)といったあらゆる手段を駆使してこれを具体化するには専門的な知識が必要とされる。
履修登録前の準備
どのような建築が世界遺産として登録されているか、アジアにはどのような歴史的建造物があるかを調べておくこと。