シラバス情報

授業コード
510471
オムニバス
科目名
都市とみどり
科目名(英語)
City and Green
配当学年
3年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
土曜3限、土曜4限
対象学科
建_建築_Aコース
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
深和 佑太、佐久間 護
教室
2-178
実務家教員担当授業
担当教員の佐久間護は、建築・都市空間における環境共生に関する評価・制御、屋上・壁面を含めた都市緑化を中心とした建築設計に関する実務経験がある。建築や都市計画を実践するうえで必要な環境に関する考え方などについて、実務経験の立場から事例を通して伝えることで、より高度な知識やスキルを修得するための指導を行う。
授業の目的と進め方
みどり豊かで快適な都市空間を創出するために各種の緑化形態および植栽空間が作り出す様々な効用を理解し、建築物に付帯する緑地を計画するための基礎知識を身につける。さらに、現実の体感的理解を理想とする緑地の計画に結びつける発想法を、グループによるワークショップ形式で身につける。
達成目標1
現在ある建築物に付帯する緑地を体感し、緑地の効果や存在価値を説明できる。【10%】
達成目標2
KJ法により、グループワークを通して複数名の意見を集約した理想像構築シートを作り上げることができる。【20%】
達成目標3
課題解決手法としてのKJ法および累積KJ法(ワークショップ)の手法を修得し、実践できる。【20%】
達成目標4
グループディスカッションを通して、頭でイメージしたものを言葉にして相手に伝えるための能力を高め、相手に自分のイメージを理解させることができる。【30%】
達成目標5
言葉でイメージしたことをビジュアルにして表現することができる。【20%】
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習
KJ法を中心としたワークショップ型の授業を展開してビジュアル表現を完成させる。

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
緑化研究事例紹介
KJ法及び累積KJ法の紹介と適用方法
研究事例を通し都市緑化との向き合い方について考えておく(1時間)。問題解決手法のKJ法&累積KJ法の概要についてまとめる(1時間)
第2回
緑化事例紹介:壁面緑化の変遷 
壁面緑化の評価構造について
都市緑化の一形態「壁面緑化」に関して、変遷過程及び求められる壁面緑化について整理する(1時間)。
第3回
壁面緑化の計画と設計について
設計条件の確認、緑化工法の選択、適用植物の種類
など各種留意点を整理する(2時間)。
第4回
壁面緑化の施工と維持管理及び不具合事例について
壁面緑化の現状を確認し、植栽の健全な生育と不健全な生育を理解し、その理由をまとめる(2時間)。
第5回
建築空間の緑化手法Ⅰ(緑化の意義)
建築物緑化の手法について予め調査し、好ましい緑化空間の作り方を考えておく(1時間)。
第6回
建築空間の緑化手法Ⅱ(秀作事例の紹介・解説)
屋上緑化と壁面緑化の秀作事例を観賞し、都市緑化に対する感性を養っておく(2時間)。
第7回
都市緑化の事例見学
心地よい緑地空間を体感する
見学会に向けて、緑化による快適性の質の違いについて考え、まとめておく(1時間)。
第8回
都市緑化の事例見学
心地よい緑地空間を体感する
見学会で体感した快適性の質の違いをレポートにしてまとめて理解する(2時間)。
第9回
グループワークショップ(1)現状把握:建築物に付帯する都市緑化の現状を把握する討議。
都市緑化の現状について実施するグループ討議に向けて、意見を考えておく(1時間)。
第10回
グループワークショップ(1)現状把握:都市緑化の現状を箇条書きにKJカードにまとめ、現状把握のA型図解を完成させる。
グループで現状把握のA型図解を完成させる過程で体得した図解作りの要点である表札作りと空間配置の手法を整理する(2時間)。
第11回
グループワークショップ(2)本質追及:現状把握の図解を用いた本質追求の討議の実施
現状把握(=現実を反映したもの)と本質追求(=思考内容の反映)の違いを考えておく(1時間)。
第12回
グループワークショップ(2)本質追及:都市緑化の本質を箇条書きにKJカードにまとめ、本質追求のA型図解を完成させる。
グループで本質追求のA型図解を完成させる過程で体得した図解作りの要点である表札作りと空間配置の手法を整理する(2時間)。
第13回
グループワークショップ(3)理想像構築:本質追求の図解を用いた理想像構築の討議を実施。
本質追求(=思考内容の反映)と理想像構築(=緑化の本質を反映)との違いを考えておく(1時間)。
第14回
グループワークショップ(3)理想像構築:緑化の理想像を箇条書きにKJカードにまとめ、理想像のA型図解を完成させ、成果発表を実施。
グループで完成させた理想像構築のA型図解やグループ毎の成果発表を通して、自分なりの理想像を吟味検証しまとめる(2時間)。


課題等に対するフィードバック
各回の最初に過程の振り返りを行うことで、実施内容の再確認を行っている。
最終成果を発表する際に、解説・コメントを加えることでフィードバックを実施している。
評価方法と基準
各自レポート【70%】 +グループ課題【30%】 
レポートとグループ課題による総合点が60点以上(100点満点)をC評価とする。
グループでの学び合いの効果を重視する。
テキスト
テキストは指定しない。必要に応じて資料を配布する。
参考図書
参考文献「建築空間の緑化手法」輿水肇著 彰国社1985年【ISBN-13 978-4395001941】
建築知識[別冊]緑のデザイン図鑑 エクスナレッジ 1998年5月号 【ISBN-13 978-4767807508】 など
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
建築計画に必要な植栽の意味について、よい事例と悪い事例を通して工学的に学ぶ。
グループワークショップの発想法を通して、都市緑化の現状を把握し、問題提起、本質追求、理想像の構築までの手順を自得する。この方法は他の課題の解決にも応用できる手法である。
履修登録前の準備
これまでに履修した環境系の科目、特に「環境計画」で学んだ都市の環境計画手法や緑化・生態系に関する内容について復習しておくこと。さらに、建築計画の講義で学んだ内容についても復習しておくこと。