シラバス情報

授業コード
520090
オムニバス
科目名
環境共生住宅
科目名(英語)
Symbiotic Housing
配当学年
1年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
月曜2限
対象学科
建_建築_Lコース
コース
科目区分
専門科目
必選の別
必修科目
担当者
樋口 佳樹
教室
2-373
実務家教員担当授業
担当教員の樋口佳樹は、環境共生住宅の設計に関する実務経験がある。その経験を活かし、パッシブデザインや持続可能な暮らしについての実例を授業で扱っている。
授業の目的と進め方
多角的な視点から、気候風土や居住者の特徴を正確に分析し、適切な環境技術を選択できるスキルを身につける。地球にやさしく、人にやさしいデザインを学び、環境に配慮したアイデアを設計製図に盛り込み、表現することができるようになる。 
達成目標1
・立地環境特性を正しく調査・分析し、その敷地のもつ長所と短所を明確にすることができるようになる。【20%】
達成目標2
・立地環境特性を踏まえた上で、適切な建物の配置や向きを検討することができる。【20%】
達成目標3
・太陽熱を有効に使い、暖房器具にできる限り頼らなくても暖かい室内環境を実現するための工夫を検討することができるようになる。ダイレクトゲインで採り込んだ熱を蓄熱し、夜間に熱を使用するしくみを理解できる。【20%】
達成目標4
・太陽の軌道と建物形状や窓・日よけの形状の関係を学び、適切な開口部のレイアウトを設計することができるようになる。【10%】
達成目標5
・開口部の配置と通風の関係を学び、適切な開口部の配置を計画できる。【10%】
達成目標6
・放射冷却や蒸発冷却、地中熱利用によって涼房を得る工夫を理解し、設計することができるようになる。【10%】
達成目標7
・地球上の水問題が顕在しており、水と人間社会の密接な関係を理解し、排水の再利用についての技術を学ぶ。【10%】

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
立地環境特性の調査・分析
設計製図で出題された敷地の環境特性を調査し、敷地の持つ長所と短所を分析すること(4時間)
第2回
建物配置、建物の向き
設計製図で設計する住宅の配置と向きについて、環境に配慮し検討すること。(3時間)
第3回
太陽熱を有効につかう(蓄熱材の利用法)
身の回りの素材を日向で温めてみて、どの素材が熱を蓄えることができるか検討すること。(2時間)
授業で覚えたことを踏まえて、設計製図で設計する住宅の配置について、再考すること(2時間)
第4回
太陽熱を有効につかう(事例説明)
冬に暖かい暮らしをするためのアイデアを調べておくこと。(2時間)
建築雑誌から、太陽熱を有効に使っている建築事例を探しておくこと(2時間)
第5回
アクティブソーラーシステム
太陽光発電と太陽熱給湯が載っている住宅を探し、どのようなシステムがあるかを分類すること。(2時間)
第6回
太陽熱利用の演習
事前配布した太陽熱利用住宅のしくみについて、できるかぎり詳しく説明すること。(3時間)
第7回
日射遮蔽
周辺を散策し、日射を遮蔽する装置をできる限り多く探し、種類分けをして、考察すること。(2時間)
太陽円津の有効利用について、これまでのレポートと課題を復習し、分からない部分を解決すること(2時間)
第8回
ヘリオドン
設計製図で制作した住宅模型について、ヘリオドンを用いて日射のコントロールが適切かどうかを検証すること。(3時間)
第9回
パッシブクーリング(通風、放射冷却、蒸発冷却)
身の回りで、夏を涼しく過ごすために行っている工夫を調べて、考察すること。(2時間)
設計製図で作成した模型をヘリオドンで検証すること。(2時間)
第10回
水環境・水問題
水が人間社会で、どのような事象に使われているかをできるだけ多く考えて、レポートにまとめること。(3時間)
第11回
水環境・有効利用
排水を浄化するシステムについて学んだことをレポートにまとめること。(2時間)
第12回
地産地消
地産地消に取り組んでいる事例を事前に調べておくこと。(3時間)
窒素循環など、重要なキーワードについて復習すること。(1時間)
第13回
自然素材の活用
住まいの壁・床・天井等の仕上げ材料が、どのような素材でできているかを調べておくこと。(3時間)
シックハウスやVOCなど、重要なキーワードについて復習し、説明できるようにすること。(1時間)
第14回
環境共生建築
人にやさしく地球にやさしい暮らしを設計するにはどのようなことを考えなければならないのかを考察する。(1時間)
演習問題で分からなかった部分を重点的に復習すること。(3時間)


課題等に対するフィードバック
出題するレポートの解説を授業内に行う
評価方法と基準
授業内で行われる演習およびレポート(50%)+ 期末試験(50%) 
演習およびレポートと期末試験の合計が60点以上(100点満点)を合格とする。
テキスト
テキスト:なし。毎回の配布資料
参考図書
倉渕隆 初学者の建築講座『建築環境工学(第三版)』 市ヶ谷出版社 2016年 【ISBN-13: 9784870710245】 
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
1年春の「環境と住まい」で身に付けた建築における環境配慮の基本を復習するとともに、より具体的に環境技術を住空間設計に落とし込むためのスキルを習得するための科目。この科目をとおして、住まい手の健康や快適性だけでなく、地球環境にも配慮した住宅設計とは何なのかを考える機会となり、より広い視野で設計を考えることができるようになる。
履修登録前の準備
1年次の「生活と住まい」の配布資料を見直しておくこと。また、講義中に紹介した内容については、見学に行くなど積極的に調べたりすること。