シラバス情報

授業コード
210176
オムニバス
科目名
燃焼工学特論
科目名(英語)
Combustion System
配当学年
1年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
水曜2限
対象学科
博前_機械
コース
科目区分
大学院科目
必選の別
選択科目
担当者
中野 道王
教室
実務家教員担当授業
担当教員の中野道王は、民間企業における内燃機関によるエネルギー変換に関する研究開発等の実務経験がある。その経験を活かし、熱とエネルギーの変換や燃焼に関して実例を授業で扱っている。 
授業の目的と進め方
エンジンの効率やエミッションを理解するためには、「工業熱力学」で学んだ内容に加えて化学反応的知見が重要である。そこで本講では、内燃機関を例として熱力学的および化学反応的立場から理論的限界や実用上の課題を学び、燃料・燃焼・排気に関わる現象を理解する。これにより、熱機関の性能改善において燃焼の観点から指針を示すことができるようになる。
達成目標1
化石燃料の分類と特徴について説明できる。【20%】
達成目標2
炭化水素と酸素の化学反応過程について、概略を説明できる。【20%】
達成目標3
内燃機関の燃焼と熱効率の関係を説明できる。【20%】
達成目標4
自着火とノッキングについて、基本的な現象と制御方法を説明できる。【20%】
達成目標5
内燃機関の排気後処理技術について、その概要を説明できる。【20%】
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
燃料と燃焼の基礎
予習:炭化水素燃料について調査しておくこと。(2時間)
復習:当量比が燃焼に及ぼす影響をまとめること。(2時間)
第2回
排気組成の基礎
予習:排気ガス中に含まれるHC、CO、NOx、PMについて事前にまとめておくこと。(2時間)
復習:HC、CO、NOx、PMの環境への影響をまとめること。(2時間)
第3回
燃焼と化学反応(1) 化学平衡
予習:化学平衡について調べておくこと。(2時間)
復習:化学平衡と燃焼生成物の関係をまとめること。(2時間)
第4回
燃焼と化学反応(2) 非平衡反応
予習:燃焼反応の中間生成物とラジカルについて調べておくこと。(2時間)
復習:ラジカルが連鎖反応で果たす役割をまとめること。(2時間)
第5回
エミッションと化学反応(1) 化学平衡
予習:排気ガス中の個別炭化水素について調査しておくこと。(2時間)
復習:当量比が排気中の成分に与える影響をまとめること。(2時間)
第6回
エミッションと化学反応(2) 非平衡反応
予習:排気ガスによる大気環境汚染について個別炭化水素の影響を調べておくこと。(2時間)
復習:光化学スモッグに対する燃焼生成物の影響をまとめること。(2時間)
第7回
熱効率向上と燃焼改善
予習:内燃機関の燃焼形態について、ガソリン機関とディーゼル機関のそれぞれについて調べておくこと。(2時間)
復習:熱効率を改善する基本的指針をまとめること。(2時間)
第8回
熱力学と化学反応から見た理想的燃焼
予習:熱解離について調べておくこと。(2時間)
復習:理想的な燃焼条件をまとめること。(2時間)
第9回
自着火燃焼(1) 熱効率の改善
予習:HCCI燃焼について特徴をまとめること。(2時間)
復習:HCCI燃焼の着火制御方法をまとめること。(2時間)
第10回
自着火燃焼(2) エミッションの改善
予習:HCCI燃焼のエミッションの特徴と原因を調べておくこと。(2時間)
復習:HCCI燃焼のエミッション改善策をまとめること。(2時間)
第11回
ノッキングと熱効率
予習:点火時期とノッキングおよび熱効率についてまとめておくこと。(2時間)
復習:MBTとノッキングの関係をまとめること。(2時間)
第12回
ノッキングのメカニズム(1) 自着火の発生
予習:化学反応と自着火について調べておくこと。(2時間)
復習:低温酸化反応が自着火およびノッキングに及ぼす影響をまとめること。(2時間) 
第13回
ノッキングのメカニズム(2) 衝撃波の発生
予習:デトネーション現象について調べておくこと。(2時間)
復習:ノッキングの周波数をデトネーションとシリンダボアの関係から説明すること。(2時間)
第14回
排気後処理技術
予習:三元触媒およびDPFについて調べておくこと。(2時間)
復習:ディーゼルエンジンに用いられる後処理システムの各要素と役割および課題をまとめること。(2時間) 


課題等に対するフィードバック
課題の解説として、授業内で説明を行うので、内容を必ず復習すること。
評価方法と基準
課題レポートにより評価(100点)し、60点以上を合格とする。
テキスト
特に定めない。
参考図書
廣安博之ほか『改訂内燃機関』コロナ社(1999)【ISBN-10: 4339040673、ISBN-13: 978-4339040678】
越智敏明ほか2名著 『熱機関工学』コロナ社(2006)【ISBN-10: 4339044709、ISBN-13: 978-4339044706】
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
燃焼技術は、エネルギー変換技術としてだけでなく、様々な工学的処理技術として活用されている。本特論では、現代社会に不可欠な熱機関の内部で生じる燃焼現象を例題として、化学反応の視点から燃焼を理解することで、工業技術の研究開発にとって有用な専門知識を身に着けることができる。
履修登録前の準備
熱力学に関する科目を復習しておくこと。