シラバス情報

授業コード
210647
オムニバス
科目名
流体工学特論
科目名(英語)
Advanced Fluid Engineering
配当学年
1年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
水曜5限
対象学科
博前_機械
コース
科目区分
大学院科目
必選の別
選択科目
担当者
桑原 拓也
教室
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
エネルギー・環境分野において機能性流体の工学的応用が注目されている。機能性流体は複雑な構造のものが多く、工学的に応用する場合には発展的な流体工学の知識が必要となる。研究開発において、機能性流体を活用できるような力を身に付ける。発展的な流体工学の知識と流体解析の手法について解説する。基本的に学生が主体となって洋書で予習し、予習し内容を発表形式で講義を進める。 
達成目標1
様々な種類の流体を理解し特徴を説明できる【15%】 
達成目標2
テンソルの基本事項を理解し活用できる【15%】
達成目標3
連続体力学を理解し高度な応用ができる【15%】
達成目標4
連続体力学をベースに流体力学や電磁気学へ展開できる【15%】 
達成目標5
数値計算法を理解し活用できる【15%】
達成目標6
流体解析の基礎を理解し活用できる【15%】
達成目標7
研究や開発において機能性流体を活用できる【10%】 

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
速度勾配テンソル、変形速度テンソル、回転テンソル 
事前準備として、テンソル表記方法、ベクトルとテンソルの計算方法を理解しておくこと(1時間)。復習では速度勾配テンソルと変形速度テンソル、回転テンソルの関係を理解すること(1時間)。  
第2回
連続の式
事前準備として、オイラーの記述と実質微分について十分に理解しておくこと(1時間)。復習では、連続の式の意味の理解と導出を演習として行い、説明できるようにすること(1時間)。  
第3回
レイノルズ輸送定理、コーシーの運動方程式
事前準備として、授業での理解を深めるためにもニュートンの運動法則について説明できるようにしておくこと(1時間)。復習ではレイノルズ輸送定理とコーシーの運動方程式を理解しながら自らの手で導出してみること(1時間)。 
第4回
応力テンソル
事前準備として、応力の定義とレオロジーを再確認すること(1時間)。復習では、応力テンソルを理解し、説明できるようすること(1時間)。 
第5回
オイラー方程式、ナビエ・ストークス方程式 
事前準備として、レイノルズ輸送定理、コーシーの運動方程式ついて説明できるように復習しておくこと(1時間)。復習では、ナビエ・ストークス方程式を自らの手で導出してみること(1時間)。  
第6回
電磁気学の基礎
事前準備として、高校ならびに大学初年度で学んだ電磁気学を理解しておくこと(1時間)。復習では、ビオ・サバールの法則、アンペールの法則、ファラデーの電磁誘導の法則を理解すること(1時間)。
第7回
電場に関するマックスウェル方程式
事前準備として、連続の式と電気の基礎を理解しておくこと(1時間)。復習では、ビオ・サバールの法則、アンペールの法則の式を導出すること(1時間)。
第8回
磁場に関するマックスウェル方程式
事前準備として、連続の式と磁気の基礎を理解しておくこと(1時間)。復習では、ファラデーの電磁誘導の法則の式を導出すること(1時間)。
第9回
電磁気機能性流体の基礎と応用
事前準備として、電磁気学、特に磁場について学んでおくこと(1時間)。復習では、磁性流体や非熱プラズマを理解し、それらの応用例の原理を理解すること(1時間)。 
第10回
数値計算の基礎
事前準備として、微分や積分の定義を理解しておくこと(1時間)。復習では、有限差分法を理解し、そのプログラミングを行うこと(1時間)。 
第11回
移流方程式
事前準備として、移流方程式について調べ理解しておくこと(1時間)。復習では、移流方程式の性質を理解し説明できるようにすること(1時間)。
第12回
移流方程式の数値計算
事前準備として、有限差分法と移流方程式について理解しておくこと(1時間)。復習では、移流方程式の数値的安定性を理解し説明できるようにすること(1時間)。
第13回
有限要素法の基礎
事前準備として、ガウス・グリーンの定理について理解しておくこと(1時間)。復習では、重み付き残差法を理解し説明できるようにすること(1時間)。 
第14回
ラプラス方程式の数値計算
事前準備として、ラプラス方程式とポテンシャル流れなどへの応用を理解しておくこと(1時間)。復習では、ラプラス方程式の数値計算を実践してみること(1時間)。


課題等に対するフィードバック
課題および演習に関しては、適宜講義内で解説し、フィードバックする。
評価方法と基準
演習および課題により評価し、60点以上で合格とする。 
テキスト
A. I. Borisenko I. E. Tarapov 『Vector and Tensor Analysis with Applications』 Dover(1979)[ISBN-13: 978-0486638331]
参考図書
R. Aris『Vectors、Tensors and the Basic Equations of Fluid Mechanics』 Dover (1989) [ISBN-13: 978-0486661100]

R. E. Rosensweig『Ferrohydrodynamics』 Dover (1985) [ISBN-13: 978-0486678344]
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
流体工学の応用が広がり、それに伴って細分化されている。機能性流体工学は流体工学の中でも比較的新しく注目されている分野であり、整備されつつある。機能性流体工学は流体力学がベースではあるが、電磁気学、放電工学、応用数学、コロイド化学などの多くの分野との融合で成り立っている。色々な知識をどのように修得し、融合させていくかを学ぶ科目である。
履修登録前の準備
科目の性質上、物理と数学の高度な知識が要求される。大学初年度で学んだ物理と数学全般を復習しておくこと。また、ベクトル解析と流体工学も復習しておくこと。マックスウェル方程式など電磁気学の知識も必要なため、各自修得しておくこと。応用流体力学を履修しておくことが望ましい。