シラバス情報

授業コード
210599
オムニバス
科目名
施設利用行動モデル論
科目名(英語)
Modeling Theory of Facility Usage Behavior
配当学年
1年
単位数
2.00単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
火曜5限
対象学科
博前_建築
コース
科目区分
大学院科目
必選の別
選択科目
担当者
木下 芳郎
教室
実務家教員担当授業
担当教員の木下芳郎は、公共的施設や大規模商業施設での利用行動の調査・分析に関する実務経験を持つ。その経験を活かし、建築計画、設計での実例を交えた実践的な授業を行う。
授業の目的と進め方
公共的施設の計画、設計に必要となる利用者行動の把握と予測のための調査方法、分析用法、モデル化理論、シミュレーション方法について理解し、各自で実施する具体的な実例調査、分析の中で実践的知識として修得する。
達成目標1
・施設利用行動について適切な既存データの活用、調査の実施ができるようになる。【30%】
達成目標2
・利用行動モデルを作成し、調査データからモデル内のパラメータを推計できるようになる。【35%】
達成目標3
・施設利用行動シミュレーションを行い、施設の安全性、利便性評価を行えるようになる。【35%】
達成目標4
達成目標5
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
施設利用行動モデルの背景知識(1)
 心理学における行動モデル
行動派心理学、認知心理学の行動モデルの特徴を理解し、簡単な実例を用いてまとめる。(2時間)
第2回
施設利用行動モデルの背景知識(2)
 経済学における行動モデル
効用の概念を理解する。行動経済学における行動モデルの特徴を理解し、簡単な実例を用いてまとめる。(2時間)
第3回
施設利用行動モデルの背景知識(3)
 待ち行列モデル
待ち行列理論の概要を理解し、簡単な実例を用いてまとめる。(2時間)
第4回
施設利用行動モデル(1)
 重力モデル、ハフモデル
重力モデルの特徴を理解し、簡単な実例と共にモデルで表現可能なことと出来ないことについてまとめる。(2時間)
第5回
施設利用行動モデル(2)
 ウィルソンのエントロピーモデル
ウィルソンのエントロピーモデルの特徴を理解し、簡単な実例と共にモデルで表現可能なことと出来ないことについてまとめる。(2時間)
第6回
施設利用行動モデル(3)
 ロジットモデル
ロジットモデルの特徴を理解し、簡単な実例と共にモデルで表現可能なことと出来ないことについてまとめる。(2時間)
第7回
施設利用行動の調査、分析(1)
 通行量と滞留の調査、分析
通行量と滞留の調査、分析方法について理解し、具体的な調査対象を定めて調査の実施、データの分析を行い結果をまとめる。(3時間)
第8回
施設利用行動の調査、分析(2)
 利用行動モデルのパラメータ推計
調査対象についての利用行動モデルを作成し、パラメータの推計を行い、結果をまとめる。(3時間)
第9回
施設利用行動の調査実習
 プレゼンテーションとディスカッション
実施した施設利用行動の調査、分析結果についてプレゼンテーションの準備をする。ディスカッションをふまえて追加調査、分析の改良を行う。(3時間)
第10回
施設利用行動シミュレーション
施設利用行動シミュレーション方法について理解し、作成したモデルを用いてシミュレーションを行い、結果をまとめる。(3時間)
第11回
施設利用行動モデルの作成実習
 プレゼンテーションとディスカッション
作成した施設利用行動モデルについてプレゼンテーションの準備をする。ディスカッションをふまえてモデル、パラメータ推計の改良を行う。(3時間)
第12回
シミュレーションによる施設安全性、利便性評価
施設の安全性、利便性評価方法について理解し、シミュレーション結果から安全性、利便性評価を行い結果とまとめる。(3時間)
第13回
施設評価のケーススタディ実習
 プレゼンテーションとディスカッション
実施した施設利用行動シミュレーション、安全性、利便性評価についてプレゼンテーションの準備をする。ディスカッションをふまえてシミュレーションの内容、施設評価の改良を行う。(3時間)
第14回
施設利用行動モデルの課題と今後の展開
実習の最終プレゼンテーションとディスカッション
これまでに学修した施設利用行動モデルの限界、課題について考察した結果をまとめる。これまで行った実習についての最終プレゼンテーションの準備をする。(3時間)


課題等に対するフィードバック
課題については授業内で発表し、講評を行う。
評価方法と基準
授業の中で行う実習のプレゼンテーション、ディスカッションで修得度合を評価(40%)し、最終的な理解度を最終プレゼンテーションで評価(40%)する。さらに、ディスカッションへの積極的な参加、貢献も評価(20%)する。100点満点の評価に対し、60〜69点をC評価とする。
テキスト
関連資料を適宜配布する。
参考図書
青木義次 『建築計画・都市計画の数学-規模と安全の数理-』 数理工学社(2006)[ISBN-10:4901683322、ISBN-13:978-4901683326]
栗田 治 『都市と地域の数理モデル -都市解析における数学的方法-』共立出版(2013)[ISBN-10:4320077121、ISBN-13:978-4320077126]
大佛俊泰、宮本文人、藤井晴行 『建築計画学入門-建築空間と人間の科学-』 数理工学社(2009)[ISBN-10:4901683667、ISBN-13:978-4901683661] 
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
建築をさまざまな視点から捉え、よりよい建築空間、生活空間ならびに地域環境を次世代に伝達することのできる人材を養成することを目標とする建築デザイン学専攻において、本科目は建築空間を利用者の行動と関係づけて捉えるための実践的知識と技術を身につけるための科目として位置づけられる。
履修登録前の準備
授業内容の概要を把握した上で、授業内で実施する実習で対象とする施設の候補を複数選定し、それぞれ施設の平面図、利用者の行動の概要、安全性と利便性について課題と考えられる点についてまとめた資料を作成しておく。