|
教員名 : 吉野 秀明
|
授業コード
210088
オムニバス
科目名
情報ネットワーク工学特論
科目名(英語)
Advanced Courseon Information Network Engineering
配当学年
1年
単位数
2単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
月曜2限
対象学科
博前_電子
コース
科目区分
大学院科目
必選の別
選択科目
担当者
吉野 秀明
教室
実務家教員担当授業
担当教員の吉野秀明は、通信ネットワークの設計・制御・管理に関する研究開発等に関する実務経験がある。その経験を活かし、通信ネットワークの構成と機能、及び通信ネットワークを設計・管理するための基盤技術に関して、学部授業よりも実践力を更に高める内容を授業で扱っている。
授業の目的と進め方
携帯電話やインターネットなど、情報通信技術(ICT)の中核をなす社会インフラである情報ネットワークと通信サービスを対象とし、情報ネットワークの機能と構成を理解すると共に、ネットワーク設計・運用の基盤技術を修得することを目的とする。
達成目標1
・交換や伝送などの情報ネットワークを構成する要素技術を修得することで、情報ネットワークが繋がる基本メカニズムを説明することができる【30%】
達成目標2
・通信プロトコルの基本概念を理解することで、通信ネットワークを構成する機能とそれらの相互関連を体系的に把握できる【20%】
達成目標3
・ユーザが満足する品質でネットワークを経済的に構築、運用するために必要となる通信品質、通信トラヒック技術を修得し、実問題に応用できる【30%】
達成目標4
・ネットワークを安全・安心に構築、運用するために必要となる情報セキュリティ技術を修得し、実問題に応用できる。
以上の目標を学生が達成できるように、講義と輪講を中心とした授業を行う【20%】 達成目標5
達成目標6
達成目標7
アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
情報通信技術(ICT)の最新動向
総務省情報通信白書などを参考にして、情報ネットワーク分野の産業、技術動向を調査しまとめておくこと(3時間)
第2回
回線交換とパケット交換の歴史と原理
固定電話網からインターネット、モバイル通信ネットワーク、SDNまでの情報ネットワークの発展の経緯について、ネットワークと端末の機能分担の観点から整理しておくこと(3時間)
第3回
回線交換とパケット交換の歴史と原理
交換が必要な理由、回線交換とパケット交換の特徴、適用領域、および、それぞれに適する通信サービスをまとめておくこと(3時間)
第4回
情報(文字・音・画像)のディジタル化
標本化・量子化・符号化のディジタル化の手順、シャノンのサンプリング定理を復習し、音声、音楽、HD品質映像、4K/8K品質映像に対する符号化方式の国際標準化動向をまとめておくこと(3時間)
第5回
通信プロトコル:OSI参照モデル、TCP/IP参照モデル
OSI参照モデルとTCP/IP参照モデル間の対応関係を整理し、各層の代表的なプロトコルと基本動作を復習しておくこと(3時間)
第6回
アプリケーション層:www、電子メール、IP電話
アプリケーション例と対応する主なプロトコルをまとめておくこと(2時間)
第7回
トランスポート層:TCP、UDP、RTP、フロー制御
トランスポート層の機能をまとめておくこと。特にTCPのフロー制御機能に関して研究論文として発表されている各種改良提案技術を整理しておくこと(3時間)
第8回
インターネット層:IPアドレス、ルーチング、IPv6
IPv4アドレスの枯渇問題とIPv6の普及状況を調査しまとめておくこと(3時間)
第9回
ネットワークインタフェース層:MACプロトコル
CSMA/CDとCSMA/CAの動作原理と違い、研究論文として発表されている各種改良方式について調査しまとめておくこと(3時間)
第10回
サーバ機能:DNS、DHCP、ゲートウェイ
DNSサーバのキャッシュ機能と動作手順、DHCPサーバが割り当てる情報を整理しておくこと(3時間)
第11回
ネットワーク設計:解析と合成、信頼性
通信ネットワーク設計の基盤となる性能評価技術について調査しまとめておくこと(3時間)
第12回
通信サービスの品質:QoS、QoE
電話サービス、映像配信サービスなどの通信サービスの品質が劣化する要因、劣化箇所、品質改善方法について調べておくこと(3時間)
第13回
通信トラヒック理論:待ち行列システム
確率と統計の基礎知識を復習しておくこと。身の回りにある待ち行列を対象にリトルの公式が成り立つことを実データに基づき確認すること(3時間)
第14回
ネットワークセキュリティ:暗号と認証
共通鍵暗号と公開鍵暗号の違い、両暗号を組み合せた認証・暗号通信について整理しておくこと(3時間)
課題等に対するフィードバック
調査課題に関するプレゼンテーションに対して、授業内で解説するなどにより適宜フィードバックする。
評価方法と基準
調査課題に対するレポートとプレゼンテーションに基づいて総合得点を求め、60点以上70点未満をC評価とする。
レポート、プレゼンテーションに対するコメントを必ず復習しておくこと。 テキスト
適宜プリントを配布
参考図書
五嶋一彦、北見憲一著『情報通信網[第2版]』朝倉書店(2007)【ISBN:978-4254227932】
川島幸之助監修,待ち行列理論の基礎と応用,共立出版(2014)【ISBN 978-4-320-12349-6】 科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
大学院修士1年次の講義として学部授業とは独立しているが、学部において、主にネットワーク関連専門科目の単位を修得していることが望ましい。
履修登録前の準備
参考図書等の通信工学関連テキストを一度読み通しておくことが望ましい
|