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教員名 : 佐野 健一
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授業コード
210246
オムニバス
科目名
ナノ・バイオシステム特論
科目名(英語)
Nano Biosystems
配当学年
1年
単位数
2単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
木曜1限
対象学科
博前_環境
コース
科目区分
大学院科目
必選の別
選択科目
担当者
佐野 健一
教室
実務家教員担当授業
担当教員の佐野は、企業の研究所はじめ様々な研究機関における生物工学、化学に関する研究開発等の実務経験がある。その経験を活かし、ナノバイオ工学に関して実践的なテーマや実例を授業で扱っている。
授業の目的と進め方
人類は、古くから生物の持つ機能を上手く利用し、暮らしに役立ててきた。近年、遺伝子工学の発達とシステム生物学の勃興により、生物の持つネットワークを人工的に改変し、合理的に再設計することで、より効率良く目的の物質を生産する技術、すなわちナノバイオシステム工学が注目を集めている。この授業では、生命システムの本質的な理解を通して、最先端の研究開発動向、内容を習得し、大学院での研究・PBLに活かします。
達成目標1
生物生産に適した材料の特徴を説明できる。(20%)
達成目標2
細胞または生体、生態系をひとつのシステムとして概念的に捉えることができるようになる。(20%)
達成目標3
転写制御に関する一連のシステムを理解できる。(20%)
達成目標4
細胞内情報伝達系をシステムとして表現することができるようになる。(20%)
達成目標5
有用物質の生物生産に向けた指針を理解し、利用できるようになる。 (20%)
達成目標6
達成目標7
アクティブラーニング
ディスカッション
○
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
○
フィールドワーク
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
生物工学概論
【予習】身近にある生物由来の製品について予め調べてくること。生物工学について、その概要を理解しておくこと。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第2回
発酵・代謝
【予習】糖(グルコース)代謝について予め調べてくること。代謝制御システムの特徴を理解しておくこと。また、主な発酵食品の作り方の概要を理解しておくこと。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第3回
抗生物質
【予習】主な抗生物質とその作用機作を理解しておくこと。抗生物質耐性メカニズムについても理解しておくこと。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第4回
バイオポリマー (1) 繊維
【予習】DNA(核酸)、糖(デンプン)、タンパク質、脂質などの構造を予め調べておくこと。また絹、綿、クモ糸など構造的、機能的な特徴を理解しておくこと。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第5回
バイオポリマー (2) バイオプラスチック
【予習】バイオプラスチックとは何か、予め調べておくこと。バイオプラスチックの製品化経路とエネルギー収支(環境負荷)について理解しておくこと。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第6回
転写制御システム概論
【予習】転写因子、エピジェネティックについて、予め調べておくこと。主な、遺伝子発現制御機構を理解しておくこと。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第7回
システムバイオロジー (1) 概念の理解
【予習】システムバイオロジーの成り立ち、記号化ルールなどを理解し、モデル化できるようになること。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第8回
システムバイオロジー (2) フィードフォーワード
【予習】フィードフォワードループを持つような簡易モデルを作成し、シミュレーションできるようになること。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第9回
システムバイオロジー (3) フィードバック
【予習】フィードバックループを持つような簡易モデルを作成し、シミュレーションできるようになること。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第10回
システムバイオロジー (4) ロバストネス
【予習】システム制御におけるロバストネスの概念を理解しておくこと。また、生物システムにおける脆弱性について理解しておくこと。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第11回
システムバイオロジー (5) 生物システムの階層性
【予習】生物システムの階層性を理解しておくこと。その上で、階層毎のモデルの単純化作業ができるようになること。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第12回
生物生産における最適化問題
【予習】第6-11回の講義の内容を復習しておくこと。また目的の有用物質の生産量を最大化するようなモデル式の導入・パラメータ設定ができるようになること。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第13回
バイオミネラリゼーション
【予習】バイオミネラリゼーションを利用した製品について、予め調べておくこと。ふたつのバイオミネラリゼーション反応の違いと形成されるミネラルの特徴を理解しておくこと。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 第14回
遺伝情報の拡張
【予習】アミノアシルtRNAの構造を予め調べておくこと。非天然アミノ酸を導入する方法を理解しておくこと。(2時間)
【復習】講義中に課す課題をおこなうこと。(2時間) 課題等に対するフィードバック
課題については、次回の講義で総評したのち、特に良かったものを紹介する。
評価方法と基準
各回の 課題レポート 100%。各回の課題は、次回の講義で解説をおこなうので良く復習すること。 合格には、すべての課題およびレポート提出と糖・アミノ酸、脂質代謝の理解、システムズ生物学の概要を理解し、簡単なモデル計算ができることが必須である。
テキスト
適宜、資料を配布する。
参考図書
講義の進捗、受講生の理解度に応じて適宜指示する。
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
生物応用デザインプロジェクトでは、生物のメカニズムを学び、工学技術の発展につなげることができる人材の育成を目指しています。この科目では、生物を使った生産を、システムバイオロジーの視点を交えて習得します。生物工学のもつ大きな可能性、システム制御理論の理解を通して、環境共生システム専攻が内含する広範な領域に応用できる人材になることを狙っています。
履修登録前の準備
学部で受けたシステム制御系の科目、生物系科目の内容を復習してきて下さい。
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