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教員名 : 大澤 正久
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授業コード
210276
オムニバス
科目名
量子化学特論
科目名(英語)
Advanced quantum chemistry
配当学年
1年
単位数
2単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
月曜1限
対象学科
博前_環境
コース
科目区分
大学院科目
必選の別
選択科目
担当者
大澤 正久
教室
実務家教員担当授業
担当教員の大澤は、有機発光材料の開発経験の実務経験がある。その経験を活かし、本授業では分子設計に不可欠な量子化学計算の実例を扱う。
授業の目的と進め方
1980年代以降飛躍的に進歩した計算化学は、分子構造からその物性予想が可能であることから材料開発の現場で不可欠なツールとなっている。本授業では計算化学の根幹である量子化学の基礎を理解し、かつその知識を使い先端の計算化学を知ることができる。授業内で行う課題(隔週)は採点後、翌週返却すると伴に解説を行う。必ず復習して下さい。
達成目標1
簡単な原子の波動関数を説明できる。【20%】
達成目標2
原子中での電子の振る舞いを知ることで、元素〔原子〕の特性を説明できる。【20%】
達成目標3
分子中の化学結合を知り、それに基づく物性が説明できる。【20%】
達成目標4
計算化学における量子化学の役割を知り、計算方法を説明できる。【20%】
達成目標5
簡単な分子について量子化学計算方法を習得する。 【20%】
達成目標6
達成目標7
アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
○
フィールドワーク
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
原子・分子の量子論
「量子論と古典論の違いを復習すること(1.5時間)」
「ボーアの原子模型について調べておくこと(1.5時間)] 第2回
量子的な原子の中の電子 vs 古典的な原子中の電子
「原子の構造(ボーアの原子模型)について復習しておくこと(2時間)」
「ニュートンの運動方程式について調べておくこと(1.5 時間)」 第3回
古典的波動方程式
「古典的波動方程式を復習しておくこと。また課題について復習しておくこと(2時間)」
「シュレジンガー方程式について予習しておくこと(1.5時間)」 第4回
シュレディンガー方程式
「古典的波動関数との違いを復習しておくこと(2時間)」
「角運動量の量子化について予習しておくこと(1.5時間)」 第5回
量子力学の仮説
「量子力学と古典力学との違いを復習しておくこと。また課題について復習しておくこと(2時間)」
「水素原子のエネルギー準位について予習しておくこと(1.5時間)」 第6回
水素原子
「シュレジンガー方程式を解くことで波動関数を求める手法をよく復習しておくこと(2時間)」
「電子が増えた場合の扱いを予習しておくこと(1.5時間)」 第7回
多電子原子
「多電子原子の扱いを復習しておくこと。また課題について復習しておくこと(2時間)」
「窒素、酸素、一酸化炭素の電子配置を予習しておくこと(1.5時間)」 第8回
二原子分子
「分子軌道法の扱いを復習しておくこと(2時間)」
「単純な分子である水の結合状態と電子配置を予習しておくこと「(1.5時間)」 第9回
多原子分子における結合
「二原子分子との違いを復習しておくこと。また課題について復習しておくこと(2時間)」
「電磁スペクトルについて調べておくこと(1.5時間)」 第10回
波動関数と物性 I (電磁スペクトルの概要)
「電磁スペクトルの原理を復習しておくこと(2時間)」
「振動・電子スペクトルについて予習しておくこと(1.5時間)」 第11回
波動関数と物性 II (振動スペクトルと電子スペクトル)
「振動・電子スペクトルの原理を復習しておくこと。また課題について復習しておくこと(2時間)」
「Gaussianについて予習しておくこと(1.5時間)」 第12回
計算量子化学I (ガウス型基底セットとGaussian)
「基底関数の種類とその意味を復習しておくこと(2時間)」
「汎関数の意味と種類を予習しておくこと(1.5時間)」 第13回
計算量子化学II [(TD)-DFT]
「TD-DFT計算の方法論を中心に復習しておくこと。また課題について復習しておくこと(2時間)」
「ポリエンの構造と電子配置を予習しておくこと(1.5時間)」 第14回
計算量子化学III (計算実習)
「ポリエンをモデル化合物としたTD-DFT計算の方法を復習しておくこと(2時間)」
「授業内での計算方法、結果の解説を復習しておくこと(2時間)」 課題等に対するフィードバック
各課題については採点の上、返却する。
評価方法と基準
授業内で行う六回の課題(50%)及び最後の二回を使って行う計算化学実習の結果(50%)により評価する。以上を100点満点で採点し、60~69点の獲得で「C評価」とする。実習の結果は授業内で講評(点数付け)を行う。
テキスト
特になし。
参考図書
マッカリー・サイモン「物理化学上」東京化学同人[ISBN978-4-8079-0508-9]
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
材料化学の開発研究の現場において、分子設計の常套手段となりつつある量子化学計算の基礎をなす量子化学(知識)およびその計算方法の実例(技能)を学ぶことは「専門的知識」を深化させる上で重要である。また、この授業で修得する「専門的技能」は現場での課題解決に必ず役立つ。
履修登録前の準備
本講義を履修するに際し、学部での化学、物理、物理化学の講義を履修していることが望ましい。
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