シラバス情報

授業コード
210510
オムニバス
科目名
画像認識特論
科目名(英語)
Advanced topics on Image Recognition
配当学年
1年
単位数
2単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
水曜5限
対象学科
博前_電子
コース
科目区分
大学院科目
必選の別
選択科目
担当者
新井 啓之
教室
実務家教員担当授業
担当教員の新井啓之は、図面認識システム、映像監視システム、電子看板の広告効果測定システム等の画像処理技術を活用したサービス提案、解析技術の開発、実サービス向けのエンジン(ソフトウェア)の開発の経験がある。その経験を活かし、画像処理の要素技術を実際にどのように活用していくのか、その実例を示しながら授業を行う。
授業の目的と進め方
近年、深層学習(DeepLearning)技術の進展により応用分野が急速に拡大している画像認識技術について、その技術体系および要素技術を理解し、自ら応用できるようになることを目指す。
なお、授業内課題の振り返りについてはそれぞれの提出期限後に講義内で解説するか、資料を配布する。
達成目標1
画像処理の基礎技術、画像からの特徴量抽出技術、統計モデルに基づく識別技術についてアルゴリズムを理解し概要を説明できるようになる 【50%】
達成目標2
OpenCVなどのオープンソフトを活用しながら自ら画像認識プログラムを作成し実行できるようになる【50%】
達成目標3
達成目標4
達成目標5
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
オリエンテーション/画像認識技術の概要
 ・講義の位置づけ、内容、目標
 ・評価方法の説明 等 
【予習】インターネットで「画像認識」に関して検索し、その技術概要と、どんな分野で応用されているか(アプリケーションやサービス)を確認しておく。(2.5時間),
【復習】画像中の人物が誰であるかを判定する画像認識処理が,どのような手順で行われるのかを復習しておく(1時間)。
第2回
カメラによる撮像の原理
 ・レンズと投影モデル,
 ・照明、反射率、レンズ、センサの関係
【予習】「ピンホールカメラ」の基本原理を調べ理解しておく(1時間)。
【復習】カメラ撮影において、照明、被写体、光学系、センサの関係を復習する(2時間)。
第3回
画像処理の基本技術(1):フィルタ処理
 ・線形フィルタとそのバリエーション
 ・非線形フィルタの例
【予習】「線形」「非線形」という言葉の意味を調べ、意味を確認しておく(0.5時間)。,
【復習】Sobelフィルタが線形フィルタであること、medianフィルタが非線形フィルタであることを、線形フィルタの定義を踏まえ説明できるようになるまで講義内容および参考図書を確認しておく(2.5時間)。
第4回
画像処理の基本技術(2):色情報の表現と変換
 ・色と何か
 ・色の定量的な表現方法
【予習】「可視光」とは何か、また人間の目で見える光の波長範囲を調べておく(1時間)。
【復習】「等色実験」とはどんな方法で何を計測したのか説明できるよう、講義内容確認しておく(2時間)。 
第5回
実習:OpenCVによるプログラム作成
【予習】OpenCVおよびOpenGLでどんなことができるかを調べておく。CVおよびGLが何を意味するかも調べておく。【1時間】
【復習】実習で使わなかったフィルタを実装して動作を確認してみる(2時間)。
第6回
特徴量抽出技術(1):色・形状・テクスチャ
 ・被写体の特徴を数値化する 
【予習】画像処理分野で使われるときの「テクスチャ」という用語が何を意味するか調べておく。(1時間)
【復習】カラーヒストグラムがどんなものであり、その類似性を評価するHistogram Intersectionの計算式を直感的に説明できるよう復習しておく。また照明光が変わることによりどのような影響が出るか検討する。(2時間)
第7回
特徴量抽出技術(2):特徴点ベースの記述
 ・SIFT、SURF等(キーポイント特徴) 
【予習】SIFTやSURFといった特徴点検出処理が、どのように利用されているかの事例をインターネットで調べておく(論文等の詳細内容の理解は不要)(1時間)。
【復習】SIFTによる特徴量の記述が、被写体のサイズや向きが変わっても安定であるのはなぜか説明できるよう講義内容を確認する(2時間)。 
第8回
特徴量抽出技術(3):方向ヒストグラム特徴
 ・HOG特徴(領域特徴) 
【予習】HOG特徴がどのような用途で利用されているかの事例を調べておく(詳細な理解は不要)(1時間)
【復習】HOG特徴の計算方法とHOG特徴を利用した人物検出の手順を説明できるよう講義内容を確認する(2時間)。
第9回
実習:OpenCVによる特徴点マッチングのプログラム作成 
【予習】第7、8回のSIFT、SURF、HOGの概要を復習しておく(1時間)。
【復習】実習で作成したプログラムにおいて、画像処理パラメータを変更することで挙動がどう変化するかを試してみる(2時間)。 
第10回
識別技術(1):識別処理の概要
 ・多次元特徴量空間における識別
【予習】平均値、分散、標準偏差の意味、計算方法を勉強しておく(2時間)
【復習】「教師あり」、「教師なし」という用語の意味を説明できるよう講義内容を確認する(1時間) 
第11回
識別技術(2):線形判別分析
 ・分布を考慮した距離の定義 
【予習】「共分散」「相関」という言葉を調べ、おおよその意味を理解しておく(1時間),
【復習】「分布からの距離」という言葉の意味を説明できるよう講義内容を確認する(2時間)
第12回
識別技術(3):サポートベクターマシン(SVM)
【予習】前回講義において「分布からの距離」がどんなものであったかを再度確認しておく(1時間)
【復習】「サポートベクター」とは何かを直感的に説明できるよう講義内容を確認する(2時間)。
第13回
識別技術(4):ニューラルネットワーク
 ・ニューラルネットによる学習
 ・深層学習の概要
【予習】「ニューラルネット」および「深層学習」がどんな技術であるか,その概要についてWEB等で調べておく(1時間)。
【復習】授業内で指定されたニューラルネットの実験プログラム(または実験を行えるWEBサイト)を利用し,学習がどのように進むか,また過学習がどのような場合に発生しやすいか確認する。(2.5時間)。 
第14回
画像認識の難しさと課題、および本講義のまとめ
【予習】前回講義の復習で検討した人物検出がうまくいかない理由について、箇条書きでよいのでメモを作成して授業に臨むこと(1時間)
【復習】講義全体を振り返りつつ、画像処理でどんなことができて、何が得意で不得意なのか、自分なりに考え、整理してみる(2時間)。 ,


課題等に対するフィードバック
毎回、Forms等を用いて講義の理解度を確認し、必要に応じて翌週にフィードバックを行う。
評価方法と基準
講義内での実習課題の取組み、達成状況【70%】,
講義内での小テストの結果【30%】,

以下1)2)を全て満たせばC以上となる。
1)欠席が4回以下
2)提出物が全て提出されている
テキスト
参考図書
ディジタル画像処理(CG-ARTS協会) ISBN978-4-903474-50-2
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
本講義は電子情報メディア工学専攻において習得すべきマルチメディア分野の中核技術である画像処理技術、映像解析技術について、その基本技術を体系的に理解するとともに、新たな課題に対して適用・応用する際の基礎技能を身につけることを目標とする。 ,
履修登録前の準備
第1回の授業(ガイダンス)の会場(教室)については、授業開始1週間前頃を目途に14号館1階の大学院生向け掲示板に掲示する。