シラバス情報

授業コード
220028
オムニバス
科目名
福祉空間設計論
科目名(英語)
Theory and Designof Assisted Living Space
配当学年
1年
単位数
2単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
金曜2限
対象学科
博前_建築
コース
科目区分
大学院科目
必選の別
選択科目
担当者
勝木 祐仁
教室
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
福祉という概念の歴史的な変遷や今日的な意義を捉えた上で、国内外の住環境や福祉関連施設の事例に対する批判的な分析を通じて、福祉の実現に向けた空間設計の可能性と限界、具体的な手法について洞察と理解を深める。 
達成目標1
福祉概念の成立と変容の過程を理解し、現代の福祉概念の歴史的・文化的な普遍性と特殊性について説明できる。(20%)
達成目標2
現代の福祉空間について考察するための基本的認識として、福祉施設の成立と変容の過程および現状について概要を説明できる。(20%)
達成目標3
福祉という概念と生活空間の関わりについて具体的な事例を挙げて説明できる。(20%)
達成目標4
福祉の実現に向けた空間設計の手法について具体的な事例を挙げて説明できる。(20%)
達成目標5
福祉空間の具体的な事例を調査・分析する演習を行い、その空間的特徴と設計の背景を説明できる。 (20%)
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
福祉という概念 
福祉概念の歴史的変遷、狭義および広義の意味における福祉概念をよく捉えておくこと。(2時間) 
第2回
明治期の生活困窮者と生活空間 
近代初頭の公的扶助のあり方について理解を整理するとともに、現代との関わりについて考察しておく。(2時間) 
第3回
大正・昭和初期の社会事業施設 
20世紀初頭の社会事業のあり方について理解を整理するとともに、現代との関わりについて考察しておく。(2時間) 
第4回
戦後の福祉と福祉施設 
戦後の福祉と福祉事業のあり方について理解を整理するとともに、現代との関わりについて考察しておく。(2時間) 
第5回
居住空間と福祉 
居住空間の現状を、福祉の概念や福祉的な配慮を通じて、どのように理解できるか考察しておく。(2時間) 
第6回
公共空間と福祉 
公共空間の現状を、福祉の概念や福祉的な配慮を通じて、どのように理解できるか考察しておく。(2時間) 
第7回
福祉施設の空間 
福祉施設の現状を、福祉の概念や福祉的な配慮を通じて、どのように理解できるか考察しておく。(2時間) 
第8回
「脱施設化」の意味と実際 
「脱施設」という事象について、意味を確認し、具体的な事例を確認しておく。(2時間) 
第9回
「地域包括ケア」の意味と実際
「地域包括ケア」について、意味を確認し、具体的な事例を確認しておく。(2時間) 
第10回
福祉空間の設計手法(1) 居住空間 
福祉の実現に寄与していると捉えられる居住空間の事例を抽出し、発表と議論の準備をしておく。(2時間) 
第11回
福祉空間の設計手法(2) 公共空間 
福祉の実現に寄与していると捉えられる公共空間の事例を抽出し、発表と議論の準備をしておく。(2時間) 
第12回
福祉空間の設計手法(3) 高齢者施設
福祉の実現に寄与していると捉えられる高齢者施設の事例を抽出し、発表と議論の準備をしておく。(2時間) 
第13回
福祉空間の設計手法(4) 障がい者施設 
福祉の実現に寄与していると捉えられる障がい者施設の事例を抽出し、発表と議論の準備をしておく。(2時間) 
第14回
福祉空間の設計手法(5) 総括 
福祉の実現に寄与していると捉えられる空間の事例について、導入された設計手法をよく見直し、整理しておく。(2時間) 


課題等に対するフィードバック
提出課題に対してはコメントを付して返却する。発表・討論においては、その場でフィードバックコメントを与える。 
評価方法と基準
提出課題(40%)、発表(40%)、討論への貢献(20%) 
現代における住環境や福祉関連施設に対する批判的な洞察に基づき、今後の福祉空間のあり方について、独自の見解を示せることを合格の条件とする。
テキスト
参考図書
長澤泰、岡本和彦、伊藤俊介 『建築地理学 - 新しい建築計画の試み』東京大学出版会(2007)【ISBN:978-4130611305】 
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
建築デザイン学専攻では、様々な視点から建築・環境を捉え、よりよい建築空間、生活環境を実現できる人材の育成を目標としている。本科目において、福祉という概念と建築・空間の関わりを捉え、高齢者、障がい者を含む多様な生活者の暮らしの場について、独自の視点を養い、より豊かな生活空間を提供するための設計手法について知見を養うことは重要である。
履修登録前の準備
学部で学んだ建築計画の基本概念を復習するとともに、近年の福祉を取り巻く状況を把握しておくこと。