シラバス情報

授業コード
220402
オムニバス
科目名
映像メディア解析特論
科目名(英語)
Advanced topics on Video Analysis and Recognition
配当学年
1年
単位数
2単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
水曜4限
対象学科
博前_電子
コース
科目区分
大学院科目
必選の別
選択科目
担当者
新井 啓之
教室
実務家教員担当授業
担当教員の新井啓之は、図面認識システム、映像監視システム、電子看板の広告効果測定システム等の画像処理技術を活用したサービス提案、解析技術の開発、実サービス向けのエンジン(ソフトウェア)の開発の経験がある。その経験を活かし、画像処理の要素技術を実際にどのように活用していくのか、その実例を示しながら授業を行う。
授業の目的と進め方
近年、深層学習(DeepLearning)技術の進展により応用分野が急速に拡大している画像認識技術のうち、特に動画像解析技術と深層学習(DeepLearning)技術を中心にその技術概要を理解し、自らプログラムを実行できるようになることを目指す。
なお、授業内課題についてはそれぞれの提出期限後に授業内で解説する。
達成目標1
動画像解析の基本技術、およびニューラルネットワークによる学習、認識の基本原理について説明できるようになること【40%】
達成目標2
OpenCVを用いて動画像解析のプログラムを実装し実行できるようになること【30%】
達成目標3
オープンソフトを活用しながら深層学習における学習および認識処理を自ら実行できるようになること【30%】
達成目標4
達成目標5
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
オリエンテーション/序論
 ・本講義の位置づけ、内容、目標,
【予習】映像監視分野において画像認識技術がどのように利用されつつあるかを、インターネットで検索、調査し、いくつかの事例を把握しておく。(1.5時間)
【復習】動画像を解析することで、どのような情報を取得できるのか列挙し、概要を説明できるよう、講義内容を確認する。(1.5時間)
第2回
動画像解析の基本技術(1):前景検出
 ・背景差分や前景検出の利用場面
 ・前景検出の複数のアルゴリズム
 ・前景検出が難しい理由
【予習】インターネットまたは統計学の書籍(入門書で十分)で、「平均」「分散」および「標準偏差」の意味と定義を確認しておく。また「正規分布」がどんなものであるか、平均と分散とどう関係するかを確認しておく。(1.5時間)
【復習】単純な背景差分で前景を検出しようとした場合、失敗する原因を列挙し、また、それぞれが,背景の画素値を学習する方式で解決できるかどうかを検討する。(1.5時間)
第3回
動画像解析の基本技術(2):オプティカルフロー
 ・動画像中の被写体の動き(速度)の計測
【予習】動画像の「フレームレート」およびその単位である「fps」という用語の意味を確認しておく。また「微分」の定義を確認しておく。(1時間),
【復習】オプティカルフローを計算する方法は大きく二つに分類される、それぞれの計算方法について、直感的に説明できるようになるまで講義内容を確認する。(2時間)
第4回
実習:OpenCVによる前景検出/オプティカルフローのプログラム作成
・OpenCVによる動画像解析を実践
【予習】OpenCVがどんなソフトウェアであるか、どんな環境で動作するか、どんな関数があるか、インターネットもしく書籍で確認しておく。(0.5時間),
【復習】実装したプログラムのパラメータを変えて処理結果がどう変化するかを確認する。(2.5時間) 
第5回
動画像解析の基本技術(3):画像照合と移動量の推定1
・画像同士の相関および正規化相関
【予習】統計学における「相関」とはどんな概念であるか調べておく。(1時間)
【復習】正規化相関の計算式と、その計算方法について説明できるよう講義内容を確認する。(2時間)
第6回
動画像解析の基本技術(4):画像照合と移動量の推定2
 ・位相限定相関/その他の照合方法 
【予習】「画像のフーリエ変換」がどんなものであるか参考書籍またはインターネットで確認しておく。(1時間)
【復習】位相限定相関の定義およびその長所を直感的に説明できるようになるまで講義内容を確認する。(2時間)
第7回
実習:OpenCVによる位相限定相関法のプログラム作成
 ・OpenCVによる画像照合を実装
【予習】前回講義の「位相限定相関」の計算方法および「空間周波数」の意味を確認しておく。(0.5時間),
【復習】位相限定相関の実行結果と画像との関係を説明できるよう確認する。(2.5時間) 
第8回
ニューラルネットワーク(1):誤差逆伝播による学習の原理
【予習】ある関数の微分(微分係数)がその関数の「傾き」を表すことを確認しておく。(1時間)
【復習】誤差逆伝播法で事例データを用いた学習が行えることを説明できるよう講義内容を確認する。(2時間)
第9回
ニューラルネットワーク(2):深層学習(Deep Learning)とは
【予習】「過学習」とは何かをインターネット等で調べておく。(2時間)
【復習】深層学習において「過学習」の問題をどう解決したのかを確認する。(2時間) 
第10回
ニューラルネットワーク(3):深層学習(Deep Learning)の応用
【予習】Convolutional Neural Networksがどんなものかインターネットまたは書籍等で確認しておく。(1.5時間)
【復習】SSD(SingleShotDetector)が、どんな技術であるかを説明できるよう講義内容を確認する。(1.5時間)
第11回
実習:オープンソフトによる深層学習の実験環境およびデータの準備
【予習】深層学習の実行のために必要な計算環境についてインターネットで確認しておく。(1時間),
【復習】データや実験環境を設定するにあたり、講義で説明された注意事項、また自分で気づいた点などを、今後も確認できるようノート等に列挙しておく。(2時間)
第12回
実習:学習処理の実行
【予習】前回までに記入した注意事項を確認しておく。(1時間)
【復習】実習時に気がついたこと、注意点、ノウハウをノートに追記していく。(2時間)
第13回
実習:認識処理の実行
【予習】前回までに記入した注意事項を確認しておく。(1時間)
【復習】実習時に気がついたこと、注意点、ノウハウをノートに追記していく。(2時間) 
第14回
まとめ(要点の総括)
【予習】講義全体を振り返り、各回の講義の要点を確認し、不明の点があれば確認(適宜,教官に質問してよい)する。(2時間)
【復習】講義全体を振り返り、各回の講義の要点を列挙する。(2時間)


課題等に対するフィードバック
毎回、Forms等を用いて講義の理解度を確認し、必要に応じて翌週にフィードバックを行う。
評価方法と基準
1)講義内での実習課題の取組み、達成状況【70%】
2)講義内での小テストの結果【30%】

以下1)〜3)を全て満たせばC以上となる。
1)欠席が4回以下
2)提出物が全て提出されている
3)定期試験が60点以上
テキスト
参考図書
ディジタル画像処理(CG-ARTS協会) ISBN978-4-903474-50-2
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
本講義は電子情報メディア工学専攻において習得すべきマルチメディア分野の中核技術である画像処理技術、映像解析技術について、その基本技術を体系的に理解するとともに、新たな課題に対して適用・応用する際の基礎技能を身につけることを目標とする。 ,
履修登録前の準備
第1回の授業(ガイダンス)の会場(教室)については、授業開始1週間前頃を目途に14号館1階の大学院生向け掲示板に掲示する。