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教員名 : 田中 章夫
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授業コード
220528
オムニバス
科目名
コンクリート材料設計論
科目名(英語)
Theory of Concrete Materials Design
配当学年
1年
単位数
2単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
火曜1限
対象学科
博前_建築
コース
科目区分
大学院科目
必選の別
選択科目
担当者
田中 章夫
教室
実務家教員担当授業
担当教員の田中は、コンクリート材料の設計・調査診断に係る業務に従事経験がある。原位置における構造物の耐久性診断技術をテーマとし、鉄筋コンクリート構造物に起きている現象をラボレベルから検討することを得意とする。実構造物の生の情報から診断を行うため、受講者は実構造物のばらつきの捉え方など様々な視点から研究を進める視野を得る。
授業の目的と進め方
コンクリートの時間的変化について学ぶ。特に鉄筋コンクリートの力学的変化に焦点をあて、コンクリートの収縮・クリープと構造性能の関わり、および構造物の要求性能を満足するための考慮すべき要点について学ぶ。また、コンクリートの代表的な劣化(中性化)について、予測手法の基礎的な概念を学ぶ。
達成目標1
国内における材料の地域性と特性を説明でき、地域によって構造物が必要とする性能を説明することが出来る。【30%】
達成目標2
コンクリートの時間的変化を説明できる。【40%】
達成目標3
学会指針における計算手法を修得する。【30%】
達成目標4
達成目標5
達成目標6
達成目標7
アクティブラーニング
ディスカッション
○
ディベート
グループワーク
○
プレゼンテーション
○
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
コンクリートの要求性能と地域性
国内の鉄筋コンクリート構造物に求められる要求性能の項目を調べまとめること。(2時間)
第2回
コンクリートの地域性と材料特性
国内の地域性(例えば環境)とセメント・骨材等の力学的性質に関し調査しておくこと。(2時間)
第3回
コンクリートの収縮変形メカニズム
コンクリートの収縮メカニズムを論文より調査し調べること。(2時間)
第4回
コンクリートの温度応力
コンクリートの温度応力に関し、コンクリート材料の1つであるセメントの種類と水和発熱に関し調べておくこと。(2時間)
第5回
コンクリートの自己・乾燥収縮の予測
コンクリートの自己収縮・乾燥収縮の意味を調査し、材料による違いを調査すること(2時間)
第6回
コンクリートの圧縮強度・ヤング係数の予測
コンクリートの圧縮強度・ヤング係数の予測に及ぼす項目を調査し、材料による特徴を整理すること。(2時間)
第7回
コンクリートのクリープ係数の予測
コンクリートのクリープが発生する理由を調査し、発生しやすい部位とその特徴を整理すること。(2時間)
第8回
コンクリートの耐久設計(中性化)
コンクリートの中性化と地域性を調査し、中性化の進行 に及ぼす要因について整理すること。(2時間)
第9回
コンクリートの耐久設計(その他の劣化)
コンクリートの劣化(中性化を除く)について、種類と原因を調べておくこと。(2時間)
第10回
演習(1)水和発熱の予測と実測
コンクリートの水和反応を理解し、コンクリートの発熱予測を算出しておくこと。(2時間)
第11回
演習(2)仮想断面における力学的変化の算定
コンクリートの時間的変化の予測手法を理解し、計算できるようにしておくこと。(2時間)
第12回
演習(3)鉄筋腐食リスクの算定
コンクリートの中性化と信頼性理論による鉄筋腐食リスクの算定方法を理解しておくこと。(2時間)
第13回
演習(4)収縮ひずみの予測と実測
コンクリートの収縮ひずみを予測し、算出しておくこと。(2時間)
第14回
総合演習
コンクリートの要求性能と予測手法の関係性をまとめ、コンクリート構造物の材料設計の意味を整理しておくこと。(2時間)
課題等に対するフィードバック
解答例を示すことでフィードバックとする。
評価方法と基準
演習課題【100%】
演習課題の内容に基づいて評価し、60点以上を合格とする。 テキスト
プリントを配布する。
参考図書
日本建築学会著
「建築工事標準仕様書・同解説JASS5 鉄筋コンクリート工事」 ISBN978-4-8189-1548-0 「マスコンクリートの温度ひび割れ制御設計・施工指針・同解説」ISBN978-4-8189-1086-7 科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
コンクリートに用いられる材料(セメント・骨材)の視点からコンクリートに発生する時間的変化について解説する。コンクリート材料の設計や力学的作用のメカニズムなどについて解説し、コンクリートの時間的変化の予測手法を修得する。
また、構造物・コンクリートの施工性や耐久性などとの関係性を理解することで、コンクリート構造物の実務設計・普及に資する高い専門的知識を身に着ける。 履修登録前の準備
学部で履修した「建築材料」と「鉄筋コンクリート構造」を十分に理解し、授業にて学んだ推定式を復習し、理解しておくこと。さらに、身近な鉄筋コンクリート構造物を観察し、不具合を整理しておくこと。
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