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教員名 : 清水 博幸
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授業コード
220552
オムニバス
科目名
高電圧工学特論
科目名(英語)
Advanced High-Voltage Engineering
配当学年
1年
単位数
2単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
月曜3限
対象学科
博前_電子
コース
科目区分
大学院科目
必選の別
選択科目
担当者
清水 博幸
教室
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
高電圧・大電流工学の基礎である絶縁破壊・放電に関する知識を電離気体運動論の観点から体系的に学ぶ。それらを踏まえて、種々の形式の放電現象や絶縁破壊現象の機構について理解を深め、高電圧・大電流の扱い方について、安全工学的観点をも含めて技術的な事項を学ぶ。
達成目標1
気体・液体・固体放電の基礎過程について、説明できること【30%】
達成目標2
高電圧・大電流の発生方法・測定の概要が説明できること【30%】
達成目標3
電気機器・設備等に対する高電圧試験の目的と方法を説明できること【20%】
達成目標4
絶縁破壊機構と各種の放電現象の特徴を説明できること【20%】
達成目標5
達成目標6
達成目標7
アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
静電界の性質
予習:“電位”・“電圧”・“電界”の定義と、それらの物理的意味、および空間の電位分布から各点の電界を求める方法を再確認しておくこと。
(2時間) 復習:電界の定義について整理すること(1時間) 第2回
気体の絶縁破壊
予習:中性原子の構造模型(原子核と核外電子の配置と最外殻電子のエネルギー状態、等)を確認しておくこと。
(2時間) 復習:物質中にある原子や分子の大きさや密度によって、荷電粒子の運動の様子が変わってくることを整理・確認しておくこと。(2時間) 第3回
気体放電の基礎過程
予習:電子と粒子の衝突、励起と電離、電子付着、再結合について確認しておくこと。
(2時間) 復習: 電界中での電子とイオンの移動度の相違について説明できること。 (3時間) 第4回
気体放電の開始理論
予習:気体中における粒子の衝突、電離機構、電子の付着現象について整理・確認しておくこと。
(2時間) 復習:タウンゼントの理論、ストリーマ理論、パッシェンの法則について説明できるようにすること。 (2時間) 第5回
各種電極の放電特性
予習:平等電界分布、不平等電界分布について調べておくこと。
(2時間) 復習:不平等電界電極で発生する放電形態について説明できるよう整理・確認しておくこと。 (2時間) 第6回
真空・高圧ガス・各種ガスの放電
予習: 真空や絶縁材料に用いられる各種ガスの特徴を調べておくこと。
(2時間) 復習:真空・各種ガス中の絶縁特性について説明できること。 (2時間) 第7回
液体・固体の絶縁破壊
予習:液体と固体の特徴を調べておくこと。
(2時間) 復習:液体・固体絶縁物が絶縁破壊するメカニズムを説明できること。 (2時間) 第8回
複合絶縁の絶縁破壊
予習:液体・固体絶縁物の電気伝導現象・機構について、その特性や特徴を気体と比較して確認しておくこと。
(2時間) 復習:三重点や沿面放電の特徴を整理・理解しておくこと。 (2時間) 第9回
高電圧・大電流の発生法
予習:過渡現象の内容を整理しておくこと。
(2時間) 復習: インパルス電圧発生用の基本回路、波形パラメータ(波高値・波頭長・波尾長)との関係を調べること。 (3時間) 第10回
高電圧・大電流の測定法
予習:測定の不確かさについて調べておくこと。
(2時間) 復習:各種高電圧に用いられる測定方法について整理しておくこと。 (2時間) 第11回
各種高電圧機器
予習:がいしの構造とその責務について、事前調査しておくこと。
(2時間) 復習:各種高電圧機器の構造について説明できること。 (2時間) 第12回
高電圧絶縁試験
予習:絶縁耐力試験と絶縁特性試験について調べておくこと。
(2時間) 復習:予習で事前調査した絶縁耐力試験と絶縁特性試験の工学的意義を説明できるようにしておくこと。 (2時間) 第13回
雷現象と防護
予習:雷雲となる巨大な積乱雲の発生機構と積乱雲の中に電荷が蓄積される機構について、調べておくこと。
(2時間) 復習:架空地線や避雷針による雷遮蔽理論について説明できること。 (3時間) 第14回
高電圧技術の応用
予習:高電圧技術、大電流技術、放電現象の各方面への応用例を調査し、それぞれの概要をまとめておくこと。
(2時間) 復習:各種の高電圧技術応用について、それぞれの概要を説明できること。 (2時間) 課題等に対するフィードバック
課題について適宜解説を行う。
評価方法と基準
レポートを総合的に評価し、60点以上をC評価とする。
テキスト
配布資料
参考図書
河村達雄、他 電気学会大学講座「高電圧工学(第3版改訂)」電気学会 [ISBN 978-4-8686-237-3]
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
強電・弱電を問わず、各種の電気回路、電気機器・装置の信頼性を担保する最も重要な要因の一つである電気絶縁に関して学習する科目。電気材料・物性論、電気機器学系の科目とも関連が深い。高電圧・大電流現象に関連する安全工学的な事項についても学習する。
履修登録前の準備
学部で履修した「高電圧・放電工学」の内容を復習しておくこと。
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