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教員名 : 樋口 佳樹
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授業コード
510192
オムニバス
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科目名
環境工学Ⅰ
科目名(英語)
Environmental Engineering Ⅰ
配当学年
2年
単位数
2単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
月曜4限
対象学科
建_建築_Aコース,建_建築_Lコース
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
樋口 佳樹、伊藤 大輔
教室
5-104
実務家教員担当授業
樋口佳樹は、環境共生住宅の設計に関する実務経験がある。その経験を活かし、パッシブデザインや排水の再利用などに関して、実践的なテーマや実例を授業で扱っている。
授業の目的と進め方
本講義では、機械設備に頼らない建築的な快適環境形成手法、特に断熱と結露防止、自然採光と日射遮蔽の各項目について、これらを定量的に扱うための物理的原理を理解し、その計算手法を習得する。
達成目標1
・熱の伝わる原理・特徴を理解し、建物の断熱性を評価するために必要となる熱貫流率の算出方法を習得し、壁面や屋根、開口部の断面構成や材料の違いによる断熱性能の違いについて説明できる。【25%】
達成目標2
・空気中の水蒸気量を表す湿度(相対湿度・絶対湿度・露点温度など)の意味を理解した上で、湿り空気線図の見方・使い方を習得し、結露発生の判断と結露を発生させないための対策の検討ができる。【25%】
達成目標3
・自然採光を用いたパッシブな光環境の形成手法や、光束法による適切な照明計画手法を説明できる。また、建物に対する日射の影響について、熱と光の双方の面で良し悪しの判断ができる。【25%】
達成目標4
・色彩の評価方法や同化などの感覚的な特徴について理解し、色彩計画に反映できる。【25%】
達成目標5
達成目標6
達成目標7
アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
建築における環境工学【樋口・伊藤】
自分の生活空間における環境要素(熱・光・空気・色・音など)が快適であるかどうか考えておく。(1時間)
第2回
伝熱の基礎[【樋口】
伝熱の基礎となる、伝導・放射・伝達について、熱の伝わる仕組み・原理、それぞれの違いを復習し、理解すること。(2時間)
第3回
材料と熱特性/断熱の意味【樋口】
身の回りの建築材料の熱伝導率をテキスト等からもとめ、熱の伝わりやすい材料・伝わりにくい材料を調べる。(2時間)
第4回
熱貫流率と貫流熱量【樋口】
熱貫流率の算出方法を理解し、演習問題を繰り返し実施し、確実に計算できるようにしておく。(2時間)
第5回
開口部の熱特性【樋口】
ガラスの種類・特徴を整理し、地域や用途・目的に応じた使い分けを理解すること。(2時間)
第6回
放射と相当外気温度【樋口】
放射熱伝達の原理を確実に理解するとともに、日射による効果・影響の重要性を復習すること。(2時間)
第7回
湿り空気と空気線図【樋口】
湿り空気線図の使い方を復習し、相対湿度・絶対湿度の意味と違いを理解すること。(2時間)
第8回
結露のメカニズムとその対策【樋口】
湿り空気線図を使って、結露が発生する条件を判断できるようになること。(2時間)
第9回
太陽位置(日影曲線と日ざし曲線)【伊藤】
日影規制を理解し、日影曲線と日ざし曲線の使い方を復習し、日影時間の算出できるようになること。(2時間)
第10回
光環境の基礎/測光量の基礎【伊藤】
光環境の基礎を復習し、光の単位(光束・光度・照度・光束発散度・輝度)のそれぞれの意味を理解すること。(2時間)
第11回
自然採光と昼光率【伊藤】
立体角投射率から求められる昼光率の算出方法について理解し、演習問題を確実に解けるようになること。(2時間)
第12回
採光計画【伊藤】
自然採光が採用されている建物を探して、昼光率を高めるための工夫・技術を調べること。(2時間)
第13回
人工照明と照明計画【伊藤】
身近な空間において、照度基準に対して光束法による照度計算で必要な照明器具の算出を行ってみる。(2時間)
第14回
色彩環境【伊藤】
自分の好きな建物の配色が色彩のどんな特徴を活かして選択してあるのか、調べてみること。(2時間)
課題等に対するフィードバック
演習課題の出題後に解説を授業内で行う。
評価方法と基準
期末試験(100%)
60点以上(100点満点)を合格とする。 テキスト
倉渕隆 初学者の建築講座『建築環境工学(第三版)』 市ヶ谷出版社 2016年 【ISBN-13: 9784870710245】
参考図書
木谷文樹 『建築環境設備学』 彰国社 2003年 【ISBN-13: 978-4395005406】
飯野秋成 『図とキーワードで学ぶ 建築環境工学』 学芸出版社 2013年 【ISBN-13: 978-4761525521】 科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
建築環境工学の目的は、快適な室内環境を形成するための物理的・生理的・心理的な要因を統合し、建築計画に役立てることである。1学年で学んだ快適環境形成手法や環境影響について、それらが発生する原理や公式を「環境工学Ⅰ・Ⅱ」で学ぶ。「環境工学Ⅰ」では熱・湿気・光・色を取り上げ、「環境工学Ⅱ」では空気・音を中心に取り上げる。
履修登録前の準備
建築コースの学生は、「建築と住まい」「環境計画」、生活環境デザインコースの学生は、「生活と住まい」「環境共生住宅」の内容を復習しておくこと。
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