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教員名 : 小川 次郎
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授業コード
510376
オムニバス
科目名
空間構成論
科目名(英語)
Spatial Composition of Architecture
配当学年
3年
単位数
2単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
金曜2限
対象学科
建_建築_Aコース
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
小川 次郎
教室
1-352
実務家教員担当授業
担当教員の小川は、建築設計・監理に関する豊富な実務経験をもつ。その経験を活かし、建築意匠に関して実践的なテーマや実例を授業で扱っている。
授業の目的と進め方
この授業では、単位となる空間とそれらの全体における配列という視点から実体としての建物を捉え、建築における秩序形成の方法である「構成形式」の概念を理解するとともに、それらを図面として表現する方法を修得する。
達成目標1
・概念としての「構成論」と「計画論」の差異を、両者の立脚点の違いから説明できる【20%】。
達成目標2
・室、室群、外形ヴォリュームといった構成形式において単位となる空間の意味を理解できる【20%】。
達成目標3
・住宅程度の小規模な建築の構成を、室、外形ヴォリューム、動線から把握し、図式化できる【20%】。
達成目標4
・各種建築の規模による構成を、室群、外形ヴォリューム、ヴォリュームの配列から把握し、図式化できる【20%】。
達成目標5
・構成形式の概念をもとに、自らの設計する建築を図式化し、その構成の意義を解説することができる【20%】。
達成目標6
達成目標7
アクティブラーニング
ディスカッション
○
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
○
実習
○
フィールドワーク
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
建築の空間構成
参考文献をとおして、「建築の構成」に関する概論を理解すると共に、アイソメ、アクソメ等の図法を復習する。(2時間)
第2回
計画論と構成論
「建築計画」の授業を振り返り、建築計画学、計画論の概念を再確認しておく。(2時間)
第3回
「室建築」という考え方
面白いと思える住宅の構成を、「室建築」の概念をもとに理解し、図式化する。(2時間)
第4回
「室群建築」という考え方1、【小課題A:室群建築を書いてみる】 発表と講評
面白いと思える各種建築の構成を、「室群建築」の概念をもとに理解し、図式化する。(2時間)
第5回
「室群建築」という考え方2
建築の用途と構成形式の関係を、配布されたプリントを基に再確認する。(2時間)
第6回
プロジェクトへの展開1 住むための室建築・室群建築
これまで製図の授業で設計した建築を、「室群建築」の概念をもとに理解し、図式化する。(2時間)
第7回
課題1「面白い室群建築」 発表と討論1
面白いと思える各種建築の構成を、アイソメ図、アクソメ図、パース、テキスト等を用いてA3用紙一枚に表現する。(2時間)
第8回
課題1「面白い室群建築」 発表と討論2
発表・講評された建築作品を建築誌等から探し、授業の内容を踏まえて構成を確認する。(2時間)
第9回
室群建築の外部空間、【小課題B:室群建築の外部空間を書いてみる】 発表と講評
面白いと思える外部空間の構成を、「室群建築の外部空間」の概念をもとに理解し、図式化する。(2時間)
第10回
プロジェクトへの展開2 ハコはどこまで広がるか?
これまで製図の授業で設計した外部空間を、「室群建築の外部空間」の概念をもとに理解し、図式化する。(2時間)
第11回
課題2「面白い外部空間」 発表と討論
面白いと思える外部空間の構成を、アイソメ図、アクソメ図、パース、テキスト等を用いてA3用紙一枚に表現する。(2時間)
第12回
ハコの壊し方1/建築の家具化、家具の建築化
単位空間の反復によらない建築の例を建築誌等から探し、授業の内容を踏まえて構成を確認する。(2時間)
第13回
ハコの壊し方2/構成材の部品化・置き換え
単位空間の反復によらない建築の例を身近な環境から探し、授業の内容を踏まえて構成を確認する。(2時間)
第14回
課題3「身近な非−ハコ空間」 発表と討論
簡単な「非−ハコ空間」を設計し、アイソメ図、アクソメ図、パース、テキスト等を用いてA3用紙一枚に表現する。(2時間)
課題等に対するフィードバック
・大課題については優秀と思われる提出物を複数取り上げ、教員と受講者によるディスカッションを行う。
・小課題については適宜見解を伝えアドバイスする。 評価方法と基準
演習課題による。作品の調査能力20%、解説・批評能力20%、図面表現力60%
これらを総合し、60点以上をC評価以上とする。 テキスト
教員作成による関連資料を適宜配布する。
参考図書
『建築設計資料集成 総合編』 日本建築学会=編・丸善株式会社、『建築構成学 建築デザインの方法』 坂本一成、小川次郎、足立真ほか・実教出版、『ハウジング・プロジェクト・トウキョウ』 都市環境構成研究会・東海大学出版会
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
建築を設計するためには、単に感覚や経験に頼るのではなく、実体としての建物を抽象化して把握する「構成形式」の概念を理解し、それらを用いて構想することが必要となる。「建築設計Ⅳ」以降の、高度な内容をもつ製図科目において設計を展開するうえで、この科目をとおして学ぶ構成形式の概念は有効である。また、建築家の設計による作品を教材として多数用いていることも、表現としての建築を理解する上で一助となろう。
履修登録前の準備
参考図書『建築構成学 建築デザインの方法』を購読していることが望ましい。
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