シラバス情報

授業コード
510421
オムニバス
科目名
生活空間実験演習
科目名(英語)
Life Environment Experiment
配当学年
3年
単位数
2単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
金曜3限、金曜4限
対象学科
建_建築_Lコース
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択必修科目
担当者
樋口 佳樹、伊藤 大輔、藤井 佑太朗
教室
W2-2F、5-301、5-302
実務家教員担当授業
担当教員の樋口佳樹は、環境共生住宅の設計に関する実務経験がある。その経験を活かし、パッシブデザインや排水の再利用などに関して、実践的なテーマや実例を授業で扱っている。
 
授業の目的と進め方
安全・安心で快適な環境を考えデザインするためには、生活空間の特性や材料の性能などを実際に体験しつつ、設計論理との関係を理解することが重要である。ここでは環境要素の実測や構造材料の実験を踏まえて、空間の諸問題について理解を深める。
達成目標1
・居住環境の熱的快適性に関わる要素について定量的に測定することができ、快適な室内環境を実現するための手法を修得する。【10%】
達成目標2
・身の回りに流れる「水」の水質を測定し、人間社会と水の汚染との関連性について理解できる。【15%】
達成目標3
・室内の「光」環境の測定を通して、昼光利用による省エネ効果の検討や、適切な机上面照度の設計ができる。【15%】
達成目標4
・日射遮蔽装置を用いた「影」の学習を通して、夏期の日射遮蔽と冬期のダイレクトゲインを確保するための手法を修得する。【15%】
達成目標5
・環境設備設計や住宅設計に必要な基礎的知識を修得でき、熱的快適性の様々な工夫を気候風土に合わせて適切に選択できる。【15%】
達成目標6
・材料の良否を判定する手法の一つである官能検査を体験的に学習して手法の意味を知り、材料選択の視点の幅を広げる。【15%】
達成目標7
・主要構造材料の機械的性質(引張・圧縮・曲げ強度)を実験から把握し、構造設計の観点からの基礎的知識を修得する。【15%】

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
授業の内容の説明【樋口・伊藤・藤井】
水のデザイン:飲料水の水質検査 【樋口】
過去に自分が経験した実験をふりかえってまとめてみる。
実験方法と水循環に関する基礎的な知識を復習すること(2時間) 
第2回
水のデザイン:排水の水質検査 【樋口】
河川、排水について、どのような水質基準が定められているのかを調べておくこと(2時間)
第3回
光のデザイン(人工照明による机上面照度測定) 【伊藤】
照明器具の種類、均せい度について事前配布資料をもとに予習しておくこと(2時間)
第4回
光のデザイン(自然採光による机上面照度測定) 【伊藤】
採光の違いによる照度分布を作図し、省エネルギーや均せい度について考察すること(2時間)
第5回
建物の熱性能を学ぶ模型実験:夏の暑さをしのぐ工夫
【伊藤】
クリモグラフを用いて、日本の気候特性について調べ、諸外国との違いについて学習しておくこと(2時間)
第6回
建物の熱性能を学ぶ模型実験:冬の寒さをしのぐ工夫
【伊藤】
他のグループとの比較を踏まえてレポートをまとめること(2時間)
第7回
温熱環境4要素の測定 【樋口】
温熱4要素について、事前配布資料をもとに予習し、どのような時に暑さ・寒さを感じるかを纏めておくこと(2時間)
第8回
床のすべりの官能検査/車椅子の走行実験 (1) 【樋口】
床のすべりの重要性を認識すると共に、すべりの測定方法およびすべりの評価方法を復習すること(2時間)
第9回
床のすべりの官能検査/車椅子の走行実験 (2)
【樋口】
車椅子の安全性や操作性について、室内での官能検査や路上での実体験から考えること(2時間)
第10回
床のすべりの官能検査/車椅子の走行実験 (3)
【藤井】
(1)(2)で得られた実験結果をもとに、設計計画上の問題点・改良点等を考えること(2時間)
第11回
コンクリート・鋼材・木材の強度試験(1) 
【藤井】
コンクリート、鋼材、木材の強度試験方法を配布資料をもとに予習し、実際の強度試験から強度諸値を確認する(2時間) 
第12回
コンクリート・鋼材・木材の強度試験(2) 
【藤井】
諸強度と材料密度や変形量(歪)との関係を考察するとともに、3種類の試験方法をまとめておくこと(2時間)
第13回
コンクリート・鋼材・木材の強度試験(3) 
【藤井】
得られた実験結果をもとに、樹種と曲げ強度、密度と圧縮強度、引張強度性状とヤング係数の関係を考察すること(2時間) 
第14回
成果発表【樋口、伊藤、藤井】 
これまでの内容を再構成して、効果的なプレゼンテーションの方法を考える(2時間)


課題等に対するフィードバック

提出された課題等は添削して返却をする。返却方法については課題ごとに授業内で説明
を行うので、内容を必ず復習すること 
評価方法と基準
毎回の課題演習(100%)
提出された演習の平均点が60点以上(100点満点)で合格とする。
提出された課題等は添削し返却します。内容を必ず復習してください。 
テキスト
指定なし。資料を配布する。
参考図書
日本建築学会編『建築材料用教材』丸善出版(2013)【ISBN978-4-8189-2229-7 C3052】 ほか
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
2学年までの座学で学習した内容の集大成ともいえる科目で体験的実験や演習を通じて学修する。
この実験演習では、居住環境の快適性や環境負荷について学修し、適切な環境技術を考えることができるようになる。また、建築材料の強度の算出方法を実供試体によって再確認する。
この実験演習は4年次の卒業計画の基礎を形づくるもので、卒業計画を履修する場合の重要な科目の一つと位置づけている。
履修登録前の準備
関連科目である『住空間の設計』、『環境工学Ⅰ』、『建築仕上材料』、などを履修して予備的知識を身につけておくことが望ましい。
さらには構造力学系の基礎科目を復習し、各種材料強度の算出方法などを把握しておく。