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教員名 : 深和 佑太
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授業コード
510455
オムニバス
○
科目名
建築環境実験演習
科目名(英語)
Laboratory and Practice in Architecutural Environment
配当学年
3年
単位数
3単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
火曜3限、火曜4限、火曜5限
対象学科
建_建築_Aコース
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択必修科目
担当者
深和 佑太、樋口 佳樹、吉野 一、伊藤 大輔
教室
1-351、1-352、1-353
実務家教員担当授業
担当教員の吉野一、樋口佳樹、深和佑太は、環境・設備分野における建築設計・施工に関する実務経験がある。これらの経験を活かし、実際の建築計画において起こりうる熱・光・空気・音・水等に関する現象を取り上げて、それらの現象を測定・解析・考察し、改善を提案するなどの実践的な内容を授業で扱っている。
授業の目的と進め方
音環境・空気質と換気・温熱環境快適性・住宅の気密性能、排水の水質などの建築環境項目について、実験室での測定あるいは屋外での実測を通して、それらの基礎的原理や測定法についての理解を深め、測定と解析、評価の手法を修得する。
達成目標1
・全般:使用する測器の測定原理と対象とする物理現象のマッチング、データ収録・解析・図化など、一連の実験計画・解析の基礎を理解し、考察も含めたレポートを作成できる。【25%】
達成目標2
・音環境:環境騒音や室間遮音性能の測定・表示方法を修得し、音環境保全施策や建物空間の遮音性能評価ができる。【15%】
達成目標3
・空気環境:室内空気汚染物質と換気量の測定方法を修得し、汚染物質の発生量から必要換気量を算出できる。【15%】
達成目標4
・温熱環境:建物周辺気流や温熱快適性の測定方法を修得し、ビル風や温熱的な快適感の要因の特定と改善検討ができる。【15%】
達成目標5
・光環境:自然採光や人工照明時の光環境の測定・評価手法を修得し、最適な照明計画の基本的な検討ができる。【15%】
達成目標6
・水環境:水質の測定・評価手法を修得し、汚染の原因を探るなど、要因の特定と改善検討ができる。【15%】
達成目標7
アクティブラーニング
ディスカッション
○
ディベート
グループワーク
○
プレゼンテーション
実習
○
フィールドワーク
○
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
講義と演習 (1)温熱快適性と建物周辺気流【樋口・吉野・伊藤・深和】
代表的な温熱快適性指標の意味、ビル風害の発生メカニズム、気密測定法の原理をしっかり復習すること。(2時間)
第2回
講義と演習 (2)音環境の基礎【深和】
住まいの遮音性や住んでいる地域の音環境を意識して、音源抽出や建物部位の構造などを調べる。(2時間)
第3回
講義と演習 (3)光環境と水環境【伊藤・樋口】
教室や自宅等で自然採光時と人工照明時について体験しておく。パックテストの原理を事前資料で予習しておく。(2時間)
第4回
講義と演習 (4)室内空気環境 【吉野】
自分の身の回りで発生している室内空気汚染をとりあげ、その要因と対策を調べる。(2時間)
第5回
実験演習 (1)室内気候の測定【伊藤・樋口】
室内温熱環境の測定データから作成した分布図等から、快適性に影響を与える要因を考察し、レポートにまとめる。(2時間)
第6回
実験演習 (2)騒音・振動の測定【伊藤・樋口】
道路交通騒音や住宅地の環境騒音の測定資料を基に、環境基準や地域の音環境を考察、評価し、レポートにまとめる。(2時間)
第7回
実験演習 (3)水質汚濁の測定【深和】
水質の測定結果から、排水の発生源を予想する。水質を汚染しやすい物質について考察し、レポートにまとめる。(2時間)
第8回
実験演習 (4)建物周辺気流の測定【吉野】
風速分布と基準風の測定から風速比分布を求め、ビル風の発生状況や発生のメカニズムについて考察する。(2時間)
第9回
実験演習 (5)遮音の測定【深和】
竣工時の状態と側路伝搬の条件から、室間の遮音性能を考察、評価し、レポートにまとめる。(2時間)
第10回
実験演習 (6)光環境の測定 【吉野】
複数の手法で算出する昼光率や、照度計算と測定結果の違いについて考察し、レポートにまとめる。(2時間)
第11回
実験演習 (7)住宅の気密性能の測定【樋口・吉野・伊藤・深和】
室内の気密を損なう要因となるべき主要な個所を特定し、気密を確保する対策を検討し、レポートにまとめる。(2時間)
第12回
実験演習 (8)室内音響特性の測定【伊藤・樋口】
音響設計空間と一般空間との音響特性測定資料を基に、空間形状、内装材料等の違いを考察し、レポートにまとめる。(2時間)
第13回
実験演習 (9)室内空気汚染物質と換気量の測定 【吉野】
空気汚染濃度の測定データから、汚染の発生要因について考察し、効果的な対策を考察し、レポートにまとめる。(2時間)
第14回
レポート返却と解説・講評【深和】
提出したレポートで間違いや考察が不十分であった点を見て、加筆・修正を行う。(2時間)
課題等に対するフィードバック
各実験内容に関して、それぞれ振り返りを実施している。
評価方法と基準
演習問題を含む毎回のレポート【100%】
提出されたレポートの平均点が60点以上(100点満点)で合格とする。 レポート内容についての評価は講義で行う。指摘事項について復習をすること。 テキスト
日本建築学会 『環境工学実験用教材』 丸善出版 (2011) 【ISBN-13: 978-4818922259】
参考図書
適宜指定する。
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
1年次の「建築と住まい」「環境計画」で学んだ建物や都市の環境配慮手法の基本、ならびに2年次の「環境工学Ⅰ・Ⅱ」で学んだ熱・光・空気・音等の建築環境工学の原論・公式について、実際の建物・都市の環境評価の上で、実際に適用・応用されている測定・解析手法を体験により理解を深めていく。また、計画・データ収集・解析・考察・まとめ、の流れは、卒業計画のトレーニングの位置づけとすることもできる。
履修登録前の準備
環境工学Ⅰ・Ⅱで学んだ温熱環境・光環境・空気環境・音環境等の建築環境工学の原論・公式について整理し、理解しておく。また、「工学基礎物理実験」の内容について復習しておくこと。
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