シラバス情報

授業コード
510496
オムニバス
科目名
構造力学・演習Ⅲ
科目名(英語)
Practical Structural Mechanics Ⅲ
配当学年
3年
単位数
3単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
月曜3限、月曜4限
対象学科
建_建築_Aコース
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択必修科目
担当者
上田 学
教室
2-276
実務家教員担当授業
担当教員は、建築物の構造設計、躯体監理および耐震診断に関する実務経験を有する。その経験を活かし、授業内容に関連する構造設計の実例等を説明している。
授業の目的と進め方
多くの建築構造物は、不静定構造物である。不静定構造物は静定構造物と異なり、部材に生じる応力(内力)を求めるために、「力の釣合い条件」のほかに「変形の適合条件」が必要となる。本講義では、変形を求める3つの方法−弾性曲線式、モールの定理、仮想仕事法−と、不静定構造物の応力算定方法−応力法、たわみ角法、固定モーメント法−を修得することを目的とする。
達成目標1
仮想仕事法を用いて、構造物の変形が求められる。【15%】
達成目標2
応力法を用いて、不静定梁の応力が求められる。【15%】
達成目標3
たわみ角法を用いて、不静定ラーメンの応力が求められる。【25%】
達成目標4
固定モーメント法を用いて、不静定ラーメンの応力が求められる。【25%】
達成目標5
構造物の状態に応じて、応力を適切な解法により求められる。【10%】
達成目標6
構造物の状態に応じて、変形を適切な解法により求められる。【10%】
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
荷重と応力の関係
「構造力学・演習Ⅰ」で学修した曲げモーメントとせん断力の関係を復習すること。(2時間) 
第2回
不静定構造物と不静定次数
「構造力学・演習Ⅰ」で学修した構造物の支点と反力の種類、接合部のモデル化について復習すること。
第3回
静定構造物の変形(1)−弾性曲線式、モールの定理
「構造力学・演習Ⅱ」で学修した弾性曲線式とモールの定理を復習すること。「構造力学・演習Ⅰ」で学修した静定構造物の応力算定法を復習すること。 
第4回
静定構造物の変形(2)−仮想仕事法
定積分の計算方法を復習しておくこと。
第5回
応力法(1)−応力を不静定力とする骨組み
第3回の内容を復習しておくこと。静定梁の変形を求められるようにすること。
第6回
応力法(2)−反力を不静定力とする骨組み
支点に外力モーメントを受ける単純支持梁について,支点のたわみ角を求められるようにしておくこと。部材の断面二次モーメントの算定方法を復習しておくこと。
第7回
たわみ角法(1)−たわみ角法の基本式、剛比
たわみ角法の基本式と節点におけるモーメントの釣合いについて復習すること。
第8回
たわみ角法(2)−節点移動のない構造物の応力
第7回の剛比の算定方法を復習すること。
第9回
たわみ角法(3)−節点移動のある構造物の応力
第1回の内容を復習し、層方程式の考え方を予習すること。
第10回
固定モーメント法(1)−分割モーメント、到達モーメント
第7回の内容を復習し、固定端モーメントの算定式をまとめておくこと。
第11回
固定モーメント法(2)−節点移動のない構造物の応力
第10回の内容を復習すること。曲げモーメント図と変形の関係を復習すること。
第12回
固定モーメント法(3)−節点移動のある構造物の応力
第9回の内容を復習すること。曲げモーメント図と変形の関係を復習すること。
第13回
水平荷重を受ける不静定ラーメン(1)−層せん断力と層間変形
力と変形の関係(フックの法則)を復習すること。
第14回
水平荷重を受ける不静定ラーメン(2)−水平剛性と固有周期
水平荷重を受けるラーメンの応力と変形を、たわみ角法もしくは固定モーメント法で求められるよう復習すること。


課題等に対するフィードバック
演習課題の採点・チェックを通して、課題のフィードバックとする。
評価方法と基準
期末試験(70%)と課題(30%)の結果に基づいて総合得点を求め、60点以上を合格とする。
テキスト
プリントを配布する。
参考図書
寺本隆幸・長江拓也『建築構造の力学Ⅱ(第2版)|不静定力学・振動応答解析編|』森北出版(2021年)[ISBN 978-462750552]
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
「構造力学・演習Ⅰ」で学んだ静定構造物の応力算定法と、「構造力学・演習Ⅱ」で学んだフックの法則および弾性曲線式を修得していることが前提となる。線材置換された不静定構造物の応力解析における基本的な考え方を学修する。特にたわみ角法は、構造設計の実務で最も一般的なマトリックス法において、構造物各部の応力と変形を評価するための基礎となる。3年次以降の構造系科目を修得するための基礎となる科目である。
履修登録前の準備
「構造力学・演習Ⅰ」、「構造力学・演習Ⅱ」の単位を取得していることが望ましい。