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教員名 : 小﨑 美勇
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授業コード
510904
オムニバス
科目名
電気電子工学基礎
科目名(英語)
Fundamentals of Electricity and Electronics
配当学年
2年
単位数
2単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
金曜1限
対象学科
基_機械
コース
科目区分
専門科目
必選の別
必修科目
担当者
小﨑 美勇
教室
3-325
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
諸君は機械工学科で学ぶ学生である。その機械をより安全に、より効率よく、より便利なものとするには、電気および電子工学を併用した技術が有用である。本講義では、電気の基礎を修得したうえで、電気を情報や信号として扱う電子工学を中心に学ぶ。
達成目標1
オームの法則やキルヒホッフの法則を身に着けた上で、所望の電流および電圧を得るための簡単な回路を作ることができる。【20~30%】
達成目標2
半導体を用いた回路素子の動作機序、それらを用いた基本的な回路の動作を理解する。【20~30%】
達成目標3
オペアンプを用いた基本的な回路の解析と設計ができるようになる。【20~30%】
達成目標4
簡単な論理式、回路、真理値表が示す内容を理解し、相互に書き換えることができる。【20~30%】
達成目標5
達成目標6
達成目標7
アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
授業ガイダンス
電気の基礎1:電気とは(電気の正体、電流) 【予習】人間が「電気」と呼ばれるものをどのように発見していったのか?どのように発展させていったのか?現在はどのように用いられ、どのような学問が関連しているのか?などについて考える。電気が流れるとはどういうことなのか考える。(1時間)【復習】電気電子工学に関する学問として、どのような分野や機器があるのかを調べながら考える。電気が流れる量を数式で表す方法について考える。(2時間)
第2回
電気の基礎1:電気とは(電圧、抵抗、オームの法則、ジュールの法則)
【予習】電気を流そうとする作用、電気の流れを妨げようとする作用について、電気が流れる量はどのように決まるのかについて、考える。(1時間)【復習】電流、電圧、抵抗の各パラメータの定義の再確認。オームの法則とジュールの法則の再確認。演習問題を解きなおす。(2時間)
第3回
電気の基礎2:電気回路での電気のふるまい(キルヒホッフの法則)
【予習】電子(電流)が流れる電線が分岐し、その先の抵抗値が異なるとき、電子はどういった比率で分かれていくのかを考える。(1時間)【復習】電流については「分流」、電圧については「電位差」「分圧」「電圧降下」の意味を考える。複数の「抵抗」を直列または並列に接続したときに、全体の抵抗値がどのようになるのかを算出する。(2時間)
第4回
電気の基礎2:電気回路での電気のふるまい(可変抵抗器)
【予習】前回までの授業を復習しておく(しつこいようだが大事なので今回の授業でもオームの法則にしっかりと向き合う)。(1時間)【復習】可変抵抗器の使い方を復習し、演習問題を解きなおす。可変抵抗器のつなぎ方について、その理由や間違えたときにどのようなことが起こるか、キルヒホッフの法則を念頭においてよく考える。(2時間)
第5回
電気の基礎2:電気回路での電気のふるまい(電圧計と電流計のつなぎ方)
電気の基礎3:交流回路(交流のきほん、インダクタ、コンデンサ) 【予習】前回までの授業を復習しておく(しつこいようだが大事なので今回の授業でもオームの法則にしっかりと向き合う)。直流と交流の違いについて考える。直流の場合で良いので、インダクタとコンデンサについて勉強しておく。(1時間)【復習】電流計、電圧計のつなぎ方について、その理由や間違えたときにどのようなことが起こるかよく考える。交流回路における電圧と電流の関係が、抵抗・インダクタ・コンデンサによってどのように影響を受けるのかを数式とグラフを参照しながら復習する。(2時間)
第6回
電気の基礎3:交流回路(電力、インピーダンス)
前半の復習 【予習】直流と交流での電力の違いについて考える。交流では、インダクタやコンデンサが、電圧と電流の関係に大きさだけではなく位相差にも影響を与える。その関係を簡単に計算する方法について考える。(1時間)【復習】交流回路における電力の種類を再確認し、その計算方法を確認する。交流回路における電圧と電流の関係が、インピーダンスを直流のときの抵抗値と同じように扱うことで計算できることを確認する。(2時間)
第7回
半導体1:半導体とは(半導体と言う言葉、p型・n型半導体)
半導体2:半導体素子(pn接合ダイオード) 【予習】電気を通す物質とそうでない物質の違いを考える(1時間)【復習】金属、p型半導体、n型半導体それぞれにおいて、「電気が流れる」ということはどのようなことかを考える。pn接合ダイオードの原理について、「キャリア」や「空乏層」といった言葉を使って説明できるようにする。(2時間)
第8回
半導体3:半導体素子(トランジスタ)
【予習】pn接合を利用して電流の流れの有無やその大きさを制御する方法を考えてみる。(1時間)【復習】各種トランジスタの動作原理について説明できるようにする。(2時間)
第9回
半導体4:半導体素子を用いた基礎的な回路(整流、平滑、増幅)
【予習】これまで学んできた電気回路素子を用いて下記の回路を考えてみる。(1) 交流を直流に変換する回路。(2) コンピュータ等が情報として扱う小さな電気エネルギーで、モータ等を動かすような大きな電気エネルギーを制御する回路。(1時間)【復習】整流回路、平滑回路について、電圧および電流の入出力グラフがどのようになるのかを考えながら書く。(2時間)
第10回
半導体5:集積回路(IC)
オペアンプ1:オペアンプの基本 【予習】使用頻度が高い回路を毎回新規に作るのは時間の無駄である。どのようにすればよいか考える。オームの法則、キルヒホッフの法則、電圧の分圧、電圧降下などの回路の基本知識の復習をする。【復習】電子部品の通信販売業者や集積回路メーカのホームページを見てどのような種類の集積回路があるのかを眺めてみる。講義中に例示したオペアンプ回路の数式を用いて、入力と出力電圧の関係を計算してみる(2時間)
第11回
オペアンプ2:オペアンプを利用した代表的な回路
【予習】オペアンプの基本特性、非反転回路の増幅度、オームの法則、キルヒホッフの法則、電圧の分圧、電圧降下などの知識の復習をする。(1時間)【復習】オペアンプを利用した代表的な回路を判別し、公式を用いてその出力を算出できるようにする。(2時間)
第12回
ディジタル回路1:ディジタル情報のきほん(進数、符号化、ブール代数とその演算)
ディジタル回路2:論理回路の基本(基本論理素子、論理回路の作りかた) 【予習】数字、文字、音声、画像を何かに記録して保存・再生する方法を考える。そのうえで、スマートホン等のディジタル機器ではどのようにそれらが電気信号として記録され、処理されているのかを考える。(1時間)【復習】ブール代数の演算について復習する。各基本論理演算について演算名、真理値表、論理式、論理素子記号を書けるようにする。簡単な論理素子を組み合わせた論理回路について、真理値表・論理式・論理回路を相互に書き換えられるようにする(2時間)
第13回
ディジタル回路3:論理回路の例(組合せ回路、順序回路)
ディジタル回路4:論理回路の実現方法(ロジックIC、その他IC) 【予習】計算をするための論理回路や、情報を記憶する論理回路を考えてみる。ここまで0と1の情報を処理するものとして回路を扱ってきたが、実際の回路に流れるのは電流である。ディジタル回路が実体としてどのようになっているのかを考える。(1時間)【復習】授業で取り上げた回路の動作を確認する。ロジックICの使用法について復習する。(2時間)
第14回
後半の復習、全体の復習
その他(マイコン、集積回路の作り方、電子部品の実装) 【予習】授業の内容を総復習する。装置を制御するようなコンピュータが、どのような役割をもった回路群で構成されているか考えてみる。小さく高密度に作られている集積回路の製造方法について考える。(1時間)【復習】指定用紙へ講義や予習復習で獲得した知識をまとめる。半導体素子や電子回路の製造過程を考えながら、そこではどのような技術が用いられているかを技術者の視点に立って考えてみる。(7時間)
課題等に対するフィードバック
必要に応じて演習問題や課題の解説を行う。
評価方法と基準
試験で評価する。小テストを考慮して配点調整を行う。60点以上で合格とする。
テキスト
西堀賢司『メカトロニクスのための電子回路基礎』コロナ社 [ISBN- 978-4339044089]
参考図書
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科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
基礎的な電気・電子・情報の知識を身に付けるために開講している。
履修登録前の準備
オームの法則について勉強しておくこと。
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