シラバス情報

授業コード
510998
オムニバス
科目名
IoTシステムデザイン
科目名(英語)
IoT System Design
配当学年
3年
単位数
2単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
水曜2限
対象学科
先_データ
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
吉野 秀明
教室
3-325
実務家教員担当授業
担当教員の吉野秀明は、通信システムの設計・制御・管理に関する研究開発等に関する実務経験がある。その経験を活かし、IoTシステムの構成と機能、及びIoTシステムを設計・管理するための基盤技術に関して、実践で役立ち、応用できる内容を授業で扱っている。 
授業の目的と進め方
モノのインターネットと呼ばれるIoTシステムは、センサデータの収集、通信ネットワークを介したデータ集約、エッジやクラウドでのビッグデータ解析、分析結果のフィジカル世界へのフィードバック等を包含するデータ駆動型システムである。本講義では、IoTシステムの主要な構成と仕組みを理解するとともに、IoTシステムを設計・管理するための基盤技術を修得することを目的とする。講義と授業時間外課題の両軸で授業を進める。提出された課題等については、次回以降の授業内で解説するので、内容を必ず復習すること。
達成目標1
IoTシステムの普及・発展が進んでいる背景と情報通信技術(ICT)の最新動向を説明できる【20%】
達成目標2
IoTシステムを構成する要素技術を理解することで、IoTシステムがどのような仕組みで繋がり、機能するかという基本メカニズムを説明することができる【40%】
達成目標3
ユーザが満足する品質でIoTシステムを経済的に構築、運用するために必要となる要素技術として、通信品質技術、通信トラヒック技術、シミュレーション技術、情報セキュリティを修得し、実問題に応用できる【40%】
達成目標4
達成目標5
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
ガイダンス、情報通信技術(ICT)とIoTシステムの発展の経緯と背景
総務省情報通信白書などを参考にして、IoTシステム及びICT分野の産業、技術動向を調査し、まとめておくこと(2時間) 
第2回
IoTシステムの構成要素とシステムアーキテクチャ、サイバーフィジカルシステム
データサイエンスとAI入門で学んだSociety 5.0の仕組み、サイバーフィジカルシステムについて復習しておくこと(3時間)
第3回
IoTデバイス:センサ、アクチュエータ、センサデータ種別、サンプリング定理とデジタル化
身近にあるセンサやアクチュエータを調べておくこと。標本化・量子化・符号化のデジタル化の手順、シャノンのサンプリング定理を復習しておくこと(3時間) 
第4回
通信ネットワーク(1):IoTゲートウェイ、LPWAネットワーク
代表的なLPWAネットワークの方式について、その特徴や普及状況を調べておくこと(3時間)
第5回
通信ネットワーク(2):通信ネットワークの変遷と本質的な機能、基本構造
通信ネットワークにおいて交換が必要な理由、回線交換とパケット交換の特徴、適用領域をまとめておくこと(3時間)
第6回
通信ネットワーク(3):通信プロトコル、階層化、参照モデル
OSI参照モデルとTCP/IP参照モデル間の対応関係を整理し、各層の代表的なプロトコルと基本動作を復習しておくこと(3時間)
第7回
フォグ/エッジ/クラウド・コンピューティング
及び中間まとめ
フォグ/エッジ/クラウドの概念の違い、適用領域について整理しておくこと。これまでの講義内容について復習しておくこと(4時間)
第8回
通信品質技術:サービス品質QoSとユーザ体感品質QoE
通信サービスの品質が劣化する要因、劣化箇所、品質改善方法について調べておくこと(3時間) 
第9回
通信トラヒック技術(1):IoTシステムの設計と通信トラヒック工学 
ケンドールの記号で表される各種待ち行列モデル及びリトルの公式について理解を深めておくこと(3時間)
第10回
通信トラヒック技術(2):基本トラヒックモデル、性能評価指標の導出 
基本トラヒックモデルの解析手順を復習し、待ち行列モデルに対する各種の性能評価指標が導出できることを確かめること(3時間) 
第11回
シミュレーション技術(1):シミュレーション手法、モデル化 
離散型・連続型・エージェントの3種のシミュレーション手法の分類、シミュレーションの手順とモデル化のポイントについてまとめておくこと(3時間)
第12回
シミュレーション技術(2):シミュレーション結果の分析 
乱数の生成、初期状態の除去方法、複数回のシミュレーション実行結果に対する95%信頼区間の算出法を復習しておくこと(3時間)  
第13回
情報セキュリティ技術:暗号と認証、IoTのセキュリティ
共通鍵暗号と公開鍵暗号の違い、両暗号を組み合せた認証・暗号通信について整理しておくこと(3時間)
第14回
総まとめ:各授業回の主要ポイントの総復習
これまでの学修内容を総復習し理解を深めること(5時間) 


課題等に対するフィードバック
課題に対して、授業内で解説の時間を設けるなどにより適宜フィードバックする。 
評価方法と基準
課題・小テストへの取り組み(80%)と平常点(20%)を基本として総合得点を求め、60点以上70点未満をC評価とする。
課題に対する解答内容の解説をよく理解し、復習しておくこと。
テキスト
講義スライドをサーバにアップロードする。
参考図書
MCPCモバイルコンピューティング推進コンソーシアム監修『IoT技術テキスト 基礎編 改訂第3版』リックテレコム(2022)【ISBN978-4295015321】
MCPCモバイルコンピューティング推進コンソーシアム監修『IoT技術テキスト 第4版』リックテレコム(2024)【ISBN978-4-86594-422-8】
岩下基著『情報通信工学』共立出版(2012)【ISBN978-4320085701】
川島幸之助監修、塩田茂雄、川西憲一、豊泉洋、会田雅樹著『待ち行列理論の基礎と応用』共立出版(2014)【ISBN:978-4320123496】 
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
情報通信ネットワーク関連の科目、特に、「センサネットワーク」(2年秋)の単位を修得していることが望ましい。
履修登録前の準備
「データサイエンスとAI入門」「センサネットワーク」の単位を修得した学生は、学修内容を復習しておくこと。