|
教員名 : 髙根沢 真
|
授業コード
511128
オムニバス
科目名
交流回路
科目名(英語)
AC Circuits
配当学年
2年
単位数
2単位
年度学期
2025年度春学期
曜日時限
木曜1限
対象学科
基_電電,基_電情
コース
科目区分
専門科目
必選の別
必修科目
担当者
髙根沢 真
教室
2-375
実務家教員担当授業
担当教員の高根沢は、電機メーカーでの発電機器製造と絶縁システムに関する実務経験を活かした実践的な内容を授業で扱っている。
授業の目的と進め方
この授業は、主に直流回路について学んだ「電気回路基礎」に引き続き、学生が正弦波交流に対する回路素子(抵抗、インダクタ、キャパシタ)の作用および回路における電圧と電流の関係を理解するために、電圧および電流のフェーザ表示を用いた記号的計算法(複素計算法や記号法とも呼ばれる)による交流回路の解析手法を修得することを目的としている。
授業形態は講義形式とする。 達成目標1
正弦波交流とその表し方および正弦波交流に対する回路素子(抵抗、インダクタ、キャパシタ)での電圧と電流の関係について説明できる(20%)
達成目標2
回路素子のインピーダンスおよびアドミタンスについて説明できる(20%)
達成目標3
交流電力(瞬時電力、平均電力、皮相電力、力率)および複素電力(有効電力、無効電力)について説明できる(20%)
達成目標4
フェーザ表示を用いて、様々な回路(回路素子の直列回路、並列回路、ブリッジ回路など)の電圧および電流を計算する手法を説明できる(10%)
達成目標5
回路の共振現象の意味および共振回路の応用例について説明できる(10%)
達成目標6
交流回路における諸定理(重ね合わせの原理、テブナンの定理など)について説明できる(10%)
達成目標7
三相交流、三相交流回路の結線法、および負荷への電力の供給法について説明できる(10%)
アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
直流回路のまとめと復習(オームの法則、抵抗の直列接続と並列接続、電圧源と電流源、電力と電力量、キルヒホッフの法則、重ね合わせの原理、テブナンの定理とノートンの定理)
1年秋学期の「電気回路基礎」での学習項目について復習しておくこと(2時間)
第2回
正弦波交流回路(正弦波交流とその表し方、正弦波交流に対する回路素子での電圧と電流の関係)
テキスト第2章「正弦波交流、回路素子、正弦波交流に対する回路素子での電圧と電流の関係」を熟読して、抵抗、インダクタ、キャパシタの働きを理解しておくこと。また、正弦波交流の発電法を調べ、なぜ正弦波交流が使われているのかを考えてみること(2時間)
第3回
正弦波交流に対する複数の回路素子で構成された回路での電流と電圧の関係、正弦波交流の複素数表示(複素数の表示)
テキスト第2章「複素数の表示」を熟読しておくこと(2時間)
第4回
三角関数と指数関数の関係、正弦波交流の複素数表示、複素数表示での時間微分と時間積分、フェーザ表示とインピーダンス(フェーザ表示、回路素子のインピーダンス)
テキスト第2章「正弦波交流の複素数表示、フェーザ表示、回路素子のインピーダンス」を熟読しておくこと。この部分が交流回路を理解するための基本事項になるので、繰り返し復習すること(2時間)
第5回
回路素子のアドミタンス、回路素子の直列接続と並列接続、交流電力(瞬時電力、正弦波交流の平均電力、電力の複素数表示)
テキスト第2章「回路素子の直列接続と並列接続、正弦波交流の瞬時電力および平均電力、複素電力」を熟読しておくこと。また、正弦波交流を考えるときに、電圧・電流の最大値ではなく実効値を用いる理由を調べてみること(2時間)
第6回
電気回路の素子での電力、最大有効電力の供給条件、交流回路解析の具体例(RL直列回路)
テキスト第2章および第3章「電気回路の素子での電力、最大有効電力の供給条件」を、「直流回路の最大電力」と対比しながら熟読しておくこと。また、インダクタやキャパシタでは、なぜ電力を消費しないのかを調べてみること(2時間)
第7回
交流回路解析の具体例(RC直列回路、RL並列回路)
テキスト第3章「RC直列回路、RL並列回路」を熟読しておくこと。直列回路ではインピーダンスを、並列回路ではアドミタンスを用いた方が回路解析が簡単になることを確認し、その理由を考えてみること(2時間)
第8回
交流回路解析の具体例(RC並列回路、交流ブリッジ回路)
テキスト第3章「RC並列回路、交流ブリッジ回路」を熟読しておくこと。各種の交流ブリッジおよびそれらの平衡条件について調べてみること(2時間)
第9回
共振回路(RLC直列回路、RLC並列回路)
テキスト第3章「共振回路」を熟読し、共振回路のQ値(式(3-46)および式(3-57))を導出してみること。また、各種の共振現象について調べてみること(2時間)
第10回
相互誘導回路(相互誘導回路のインピーダンス、相互誘導回路の等価回路、結合係数と理想変成器)
テキスト第3章「相互誘導回路」を熟読しておくこと。また、相互誘導現象について調べ、相互インダクタンスの正負について調べてみること(2時間)
第11回
交流回路の線形性と双対性(交流回路における線形性と重ね合わせの原理、テブナンの定理、双対性とノートンの定理)
テキスト第4章「交流回路の線形性と双対性」を「直流回路における重ね合わせの原理、テブナンの定理とノートンの定理」と対比しながら熟読しておくこと(2時間)
第12回
回路解析(グラフの基礎、ループ解析、行列によるループ解析、ノード解析、行列によるノード解析)
テキスト第4章「回路解析」を「直流回路の回路方程式」と対比しながら熟読しておくこと。行列演算および行列を用いた連立方程式の解法について復習すること(2時間)
第13回
三相交流回路の基礎(対称三相交流、回路の結線法、結線と電圧・電流の関係、Y形負荷への電力の供給、三相交流回路の電力)
テキスト第4章「対称三相交流、対称三相負荷への供給」を熟読しておくこと。また、三相交流の発電法について調べてみること(2時間)
第14回
三相交流回路の基礎(Δ形負荷への電力の供給、非対称三相回路の解析)
テキスト第4章「Δ形負荷への供給、非対称三相回路の解析」を熟読しておくこと。また、対称座標法について調べてみること(2時間)
課題等に対するフィードバック
提出された課題の解説については、授業内で解説の時間を設ける。
評価方法と基準
修得度確認テスト(50%)+ 期末試験(50%)
※ 演習課題は、提出後に解答を行うので必ず復習すること。 期末試験と修得度確認の結果に基づいて総合得点を求め、60点以上を合格とする。 テキスト
高田進・加藤政一・佐野雅敏・田井野徹・鷹野致和・和田成夫 共著、「電気回路」、(実教出版) 2016年 【ISBN】978-4-407-31316-1
参考図書
・高田和之・坂貴・井上茂樹・愛知久史 共著、「電気回路の基礎と演習」、(森北出版)、2005年 【ISBN】4627733828
・小亀英己・石亀篤司 共著、「基礎からの交流理論」、(電気学会)、2002年 【ISBN】4886862306 科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
この科目は本学科のほぼ全ての専門科目を学ぶために必須な電気電子通信工学に関する基幹科目である。本科目では、主に直流回路の解析法を学んだ1年秋学期の「電気回路基礎」に引き続き、交流電源を含む回路の定常状態における振舞いを解析する手法(通称、記号的計算法)とそれを用いた様々な交流回路の解法について学習する。
履修登録前の準備
1年秋学期の「電気回路基礎」「電気回路基礎演習」の単位を取得していることが望ましい
|