シラバス情報

授業コード
520060
オムニバス
科目名
機械材料2
科目名(英語)
Materials of Mechanical Engineering 2
配当学年
1年
単位数
2単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
木曜1限
対象学科
基_機械
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
瀧澤 英男
教室
5-104
実務家教員担当授業
科目担当者(瀧澤)は金属材料メーカに勤務した経験を持つ。材料の具体的な用途や材料の利用者が配慮すべきことなど実務的な事例を挙げて記憶に定着できるような説明を心掛ける。
授業の目的と進め方
機械の設計において構造部材料を利用するための知識や考え方を身につける。特に炭素鋼の熱処理による相・組織の変化およびこれによる強度の変化について理解する。ここまでの内容(前半)を中間試験の範囲とする。後半は、各論として、合金鋼、ステンレス鋼、鋳鉄の他、非鉄金属材料について理解する。なお、期末試験は前後半の全体を範囲とする。授業は板書を中心に行うため、必ずノートを取ること。また、講義の復習の位置づけで毎回、復習課題を出すので、これを必ず提出すること。なお、第1回から第3回は「機械材料1」の復習を含む。
達成目標1
鉄鋼材料の相変態の特徴について、平衡状態図と関連づけて説明できる。【25%】
達成目標2
鉄鋼材料の熱処理により得られる主な組織の名称と機械的性質を理解し、説明できる。【25%】
達成目標3
代表的な材料記号について、正式名称を説明できる。【10%】 
達成目標4
焼結金属(粉末冶金)の工程と原理を理解して、説明できる。【10%】  
達成目標5
ステンレス鋼における不動態被膜を理解して金属の耐食性のメカニズムを説明できる。【10%】
達成目標6
鋳鉄の組織における炭素の形態と延性の関係について、専門用語を用いて適切に表現できる。【10%】
達成目標7
アルミニウム、マグネシウム、チタン、銅の各種非鉄合金の特性を理解して、説明できる。【10%】 

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
鉄の相変態、平衡状態図の読み方
予習: 「機械材料1」の内容を見直しておくこと。特にテキストの2.1節を確認すること(1時間)。
復習:Teamsを使って復習課題を課す(1時間)。
第2回
基本的な状態図の読み方
予習 : テキスト2.2節を読み内容を把握しておく(1時間)。
復習:Teamsにて復習課題を課す(1時間)。 
第3回
Fe-C系状態図を読む
予習 : テキスト2.3を読み講義の内容を把握しておく(1時間)。
復習:Teamsで復習課題を課す(1時間)。
第4回
炭素鋼の熱処理の基本
予習 : テキスト4.1節を読み講義の内容を把握しておく。TTT曲線の意味を確認する(1時間)。
復習:Teamsで復習課題を課す(1時間)。 
第5回
焼入れ・焼戻し
予習 : テキスト4-2-2を読み講義の内容を把握しておく。(1時間)。
復習:Teamsで復習課題を課す(1時間)。
第6回
連続冷却曲線・焼入れ性の評価・その他の熱処理
予習 : テキスト4-3-1〜4-3-4を読んで講義の内容を把握しておく(1時間)。特に焼入れ性と質量効果の関係および評価試験法について確認しておくこと。
復習:Teamsで復習課題を課す(1時間)。 
第7回
【中間試験】
予習 :春学期の「機械材料1」の内容(状態図の読み方、鉄の相変態)も含めて、鋼の熱処理についての理解を深めておく。ここまでの授業の復習課題を見直しておくこと(3時間)。
復習:解けなかった問題についてその日のうちに見直しておくこと(1時間)。
第8回
機械的性質と合金鋼
予習 : テキスト1.1節、5.1節および5.2節の1.を読んで講義の全体像を把握しておく(1時間)。
復習:Teamsにて復習課題を課す。(1時間)。 
第9回
構造用合金鋼の特性(焼入れ性・焼戻し軟化抵抗・低温脆性・クリープ特性・合金鋼のJIS記号)
予習 : 焼入れ性・焼戻し軟化抵抗・低温脆性・クリープ特性に関するテキストを読んで講義内容を把握しておく。合金鋼のJIS記号の基本的なルールを理解する(1時間)。
復習:Teamsにて復習課題を課す(1時間)。 
第10回
工具鋼・超硬合金
予習 : テキスト5.3節を読んで講義の全体像を把握しておく(1時間)。
復習:Teamsで復習課題を課す(1時間)。
第11回
ステンレス鋼・鋳鉄
予習 : テキスト5.4節、第6章を読んでおくこと。腐食防止のメカニズムを確認しておくこと。鋳鉄における炭素の形態がこれまでの鋼と異なる点に注目すること。(1時間)
復習:Teamsで復習課題を課す。(1時間)
第12回
アルミニウムとその合金
予習 : テキストの第7章を読んでおくこと。主要な添加元素と析出強化・固溶強化について理解する。(1時間)
復習:Teamsで復習課題を課す。(1時間)
第13回
銅・チタニウム・マグネシウム
予習 : テキスト第8、9、12章に目を通し、代表的な非鉄金属である銅、チタン、マグネシウムの特徴について調べておくこと。(1時間)
復習:Teamsで復習課題を課す。(1時間)
第14回
全体のまとめ 
予習 : Teamsで予習課題を課す(1時間)。
復習:期末試験の対策として、材料の特性を表現するための概念や考え方を復習すること(3時間)。 


課題等に対するフィードバック
講義後の課題については、解答を締め切ったのちに、詳解を記した模範解答を配布する。また、正答率の低かった課題については次の講義で復習を行う。
評価方法と基準
Teamsを使って指示する毎回の課題を20%、中間試験を30%、および期末テストの合計を50%として、合計100%で評価し、合計60%以上を合格とする。
中間試験はノート持ち込み可とするが、期末テストはノート持ち込み不可。
期末テストの範囲は、秋学期講義の全範囲とする。
テキスト
黒田大介編著 「機械・金属材料学」実教出版 (2015) 【ISBN978-4-407-33725-9】 
参考図書
日本機械学会編「JSMEテキストシリーズ 機械材料学」丸善 (2008)【ISBN978-4-88898-169-9】
渡辺義見他著「図でよくわかる機械材料学」コロナ社 (2010)【ISBN978-4339046052】
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
この講義では機械に用いられる材料の特性を記述するための用語や特性の改善方法について講義する。主に機械で用いる鉄鋼材料について説明する。熱処理と炭素含有量の調整による機械的性質の改善を中心に、ステンレス鋼、鋳鉄などについても説明する。また、非鉄金属材料についても基本を講義する。個々の事象を暗記するのではなく、本質を理解する必要がある。選択科目ではあるが、機械技術者として知っておくべき基本的な内容と位置づけている。
履修登録前の準備
春学期の機械材料1の続きの授業である。鉄鋼材料の状態図に関して含有する炭素量が得られる組織とどのように関係しているのか復習しておくこと。