シラバス情報

授業コード
520101
オムニバス
科目名
ヒューマノイドロボット研究Ⅱ
科目名(英語)
Humanoid Robot Research II
配当学年
1年
単位数
1単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
集中講義
対象学科
先_ロボ
コース
科目区分
カレッジマイスタープログラム
必選の別
選択科目
担当者
樋口 勝、中里 裕一
教室
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
本科目では、市販ロボットの分解・組立・制御プログラムの作成を通じて、ロボットを構成するハードウェアおよびソフトウェアの種類・機能・特徴・使用されている理由・使用上の注意点を理解すると同時に、ロボット工学に投入される基礎技術や数学・物理法則などの重要性を認識し、これら基礎科目に対して積極的に学習できるようになることを目的とする。
達成目標1
ロボットの電装系の設計に必要な①コンピュータ(マイコン)、②モータドライバ、③センサ、④バッテリー、⑤通信方法、等の種類・特徴を理解し、目的・仕様に合わせてこれらを適切に選択できるようになる。【25%】
達成目標2
ロボットのソフトウェアの設計・実装に必要な①プログラミング言語、②コーディング方法、③コンパイル(メイク)方法、④ロボット本体への書込み方法、等の種類・特徴・使い方を理解し、目的・仕様に合わせてこれらを適切に選択できるとともに、これらを使用して作成したプログラムをロボットに実装できるようになる。【25%】
達成目標3
メンバーから意見を引き出し、それを理解すると同時に、自分の意見を的確に伝えられるようになる。【25%】
達成目標4
問題解決に必要な情報を自ら収集し整理し、自ら考えて問題解決できるようになる。【25%】
達成目標5
達成目標6
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
ガイダンス
講義・演習を行う。

「ヒューマノイドロボット研究I」の内容の復習を行い、組み立てた市販ロボットを動かしながら、ロボット作製に必要になる要素の概要を説明する。
予習
「ヒューマノイドロボット研究I」の内容について復習しておく。
(1時間)

復習
説明で初めて知った要素について調べておく。
(1時間)
第2回
マイコンの種類と特徴
講義・演習を行う。

ロボット作製に利用される事の多いマイコンを例に挙げ、それぞれの特徴と主な用途を解説する。
これまでに作成されたロボットに触れながら、マイコンの違いを体験する。
予習
「ヒューマノイドロボット研究I」の内容について復習しておく。
(1時間)

復習
説明で初めて知った要素について調べておく。
(1時間)
第3回
モーターとモータードライバ
ロボットに必ず利用されるモーターとモータードライバの種類や特性について講義を行う。
実際にある用途を想定して、モーターとモータードライバの選定を行ってみる。
予習
モーターの種類と特性について調べておく。
(1時間)

復習
条件を変えてモーターの選定をし直してみる。
(1時間)
第4回
バッテリーの理解
講義・演習を行う。

バッテリーの種類・特徴・充放電方法・保管方法を修得する。
特に、ロボットに多く使用されるリチウムイオン電池・リチウムポリマ電池は使用方法を間違えると爆発するため、注意事項を中心に実習を通して使用方法を修得する。
予習
バッテリーの種類と特性について調べておく。
(1時間)

復習
実際にバッテリーを充電してみて、電圧の変化を確認してみる。
(1時間)
第5回
センサの種類
講義・演習を行う。

光センサ、ジャイロ・加速度センサ等の各種センサの機能・特徴・使用上の注離の理解と、それぞれの接続の理解。
ロボットの運動を妨げず、ノイズの影響を受けにくく、断線のリスクが少ない配線の取り回し方法、結束方法を修得する。
予習
ロボットに利用されるセンサの種類について調べる。
(1時間)

復習
センサデータの利用方法について復習しておく。
(1時間)
第6回
通信方式の理解
講義・演習を行う。

マイコンとパソコン、マイコンとサーボモーター等をつなぐ通信について、その方式と利用方法について理解、修得する。
市販のソフトウェアを利用して、通信について動作確認を行う。
予習
通信方式について調べておく。
(1時間)

復習
パソコン上で利用できる通信方式について利用してみる。
(1時間)
第7回
プログラミング言語の種類
講義・演習を行う。

ロボット作製に利用されるプログラミング言語の種類と特性、開発環境について理解し、それぞれの用途に合わせたプログラミング言語を選択できるように説明する。
予習
プログラミング言語の種類について調べておく。
(1時間)

復習
紹介されたプログラミング言語を利用してみる。
(1時間)
第8回
プログラミング演習①
通信プログラムの作成。
演習を行う。

パソコンからモーターを動作させる通信プログラムを作製する。指令値を変化させる事で、モーターが動作する事を確認しながらプログラミングを行う。
予習
モーターの通信方式と指令コマンドについて調べておく。
(1時間)

復習
様々な計算結果でモーターを動かしてみる。
(1時間)
第9回
プログラミング演習②
演習を行う。

作成したプログラムをマイコンへの書き込み動作させる。
マイコンにはセンサやモーターを接続し、簡単なプログラムを通して、プログラムのテストを行う。
予習
マイコンのプログラム開発環境について調べておく。
(1時間)

復習
マイコンのプログラムやセンサの種類を変えて、モーターを駆動させてみる。
(1時間)
第10回
プログラミング演習③
演習を行う。

プログラムのデバック方法について修得する。
少し複雑なプログラムを作製した際に、どのようにモニタしバグを見つけ出すかを演習をしながら修得する。
予習
バグの種類と対応方法について調べておく。
(1時間)

復習
プログラム内にバグになるものを作製し、そのプログラムの挙動を確認してみる。
(1時間)
第11回
ロボットの機構
講義・演習を行う。

目的の動作させる為、ロボットの手先や足先を目標の点に動作させるための関節角度の計算を行い、プログラムで動作させてみる。目標点を連続的に変化させ、目標軌道に追従するプログラムを作成する。
予習
機構学について調べておく。
(1時間)

復習
目標軌道を変化させ、プログラムを行う。
(1時間)
第12回
ロボットの動力学特性
講義・演習を行う。

単にプログラムを作るのではなく、まず、戦略をたてて、その戦略に従ったプログラム作成を行う。
作成したプログラムとロボットの運動との関係を精密に把握し、ロボットの動力学的特性を感覚的に把握する。
予習
動力学について調べておく。
(1時間)

復習
制御プログラムとロボットの運動の関係の整理。
(1時間)
第13回
模擬競技会
実習を行う。

作成した制御プログラムを使用して、実際のロボットコンテストと同じルール模擬競技を行う。
予習
ロボットの特徴を把握し良い成績を得るための戦略を作成する。
ロボットの操作を習熟する。
(1時間)

復習
模擬競技での成功点と問題点を把握し整理する。
第14回
まとめ
実習を行う。

一連の作業により得られた知識をまとめたノート(ファイル)の作成・プレゼンテーション。
予習
一連の作業をまとめたファイルの作成
プレゼンテーション資料の作成
(1時間)

復習
プレゼンでの成功点と問題点の把握と整理
まとめファイルの修正・完成
(1時間)


課題等に対するフィードバック
全体報告会での発表については、その場で問題点を指摘すると同時に、改良案を複数提案し学生にとって最良の方法を考えさせる。また、提出された課題については、個々に添削した後に学生に返却する。また、共通する問題点については、次回の全体報告会の時に周知し、改良方法を伝達する。
評価方法と基準
模擬競技の結果、一連の作業をまとめた技術ファイル、および最終プレゼンテーションを総合的に判断する。これら競技、ファイル、プレゼン手ショーンの合計点が60点以上で合格(C評価)となる。
テキスト
文献調査能力も身に付けることを目的としているので、特定のテキストは指定しない。
参考図書
文献調査能力も身に付けることを目的としているので、特定の参考図書は指定しない。
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
「ヒューマノイドロボット研究I・III・IV・V・VI」と連続する、ヒューマノイドロボット研究6科目の入門科目である。
2年次以降もヒューマノイドロボット研究の科目を継続して履修希望する者は本科目を履修することを強く勧める。
また、本科目は専門科目で修得した知識を実践すると同時に、目的をもった授業履修を促し、工学技術への動機づけや自発性の喚起をはかる。
履修登録前の準備
ロボットの理解に必要な、基本的な数学・物理を自分のものにしておくこと。