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教員名 : 清水 博幸
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授業コード
520203
オムニバス
科目名
電気磁気学応用
科目名(英語)
Applied Electromagnetics
配当学年
2年
単位数
2単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
金曜1限
対象学科
基_電電,基_電情
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
清水 博幸
教室
5-203
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
学生が電磁誘導現象、電磁波を応用した電気・電子機器の回路設計、システム設計をするため、電流と磁界の関係を理解するとともに磁気回路の考え方を修得する。また磁束が時間的に変化することにより生ずる電磁誘導現象についての理解を深め、電磁波に関する基礎的知識を身に付ける。
授業形態は講義形式および演習形式とする。 達成目標1
アンペールの周回積分の法則を説明できる(20%)
達成目標2
フレミングの左手の法則を説明できる(20%)
達成目標3
磁性体の種類を説明できる(20%)
達成目標4
起磁力、磁束、磁気抵抗の関係を説明できる(10%)
達成目標5
自己インダクタンス、相互インダクタンスを説明できる(10%)
達成目標6
変位電流を説明できる(10%)
達成目標7
マクスウェルの方程式が書ける(10%)
アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習
授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
電流間に働く電磁力とその外積表現、フレミングの左手の法則
電磁力は電流と磁界の作用によることを説明する際、ベクトルの外積を使うので予め調べておくこと。外積で表記された電磁力とフレミングの左手の法則との関係をよく復習しておくこと。(2時間)
第2回
アンペールの周回積分の法則
ベクトル場の発散と回転の数学的表記、及び線積分について予習しておく。電流と磁束密度の関係を表すアンペールの周回積分の法則に出てくる鎖交の概念をよく復習しておくこと。鎖交する場合、しない場合についてまとめておく。(2時間)
第3回
無限長導体に流れる電流の周りの磁束密度
磁束密度の定義について予め調べておく。無限長導体に流れる電流周囲の磁束密度をビオ・サバールの法則により求めるプロセスについてよく復習し、理解しておく。(2時間)
第4回
磁束分布とベクトルポテンシャル
静電界での電位と対応しながら説明するので、これらについて事前に調べてしておくこと。静磁界と静電界の性質の違いについてよく復習して、まとめておくこと。(2時間)
第5回
磁性体の性質
磁界は電流により現れることを予め調べておく。磁性体が磁化されるのは新たに導入する磁化電流の概念により説明されることを復習し、理解しておくこと。(2時間)
第6回
磁性体内の磁界、B-H特性
アンペールの周回積分の法則を見直しておく。磁界の強さの概念を導入して説明される磁界の強さと伝導電流の関係をよく復習し、理解しておく。透磁率により分類される磁性体の名称と特性を復習しておく。(2時間)
第7回
磁性体に蓄えられるエネルギー
誘電体に蓄えられるエネルギーとの対応から説明するので、これについて事前に調べておくこと。誘電体に蓄えられる静電エネルギーと磁性体に蓄えられる磁気エネルギーの大きさの違いについてよく復習し、理解しておくこと。数値計算した結果をまとめておくこと。(2時間)
第8回
磁気回路ー起磁力、磁束と磁気抵抗
磁性体で構成された磁気回路は、電気回路との相似関係を用いて計算できることを理解する。磁気回路と電気回路との相似関係についてよく復習しておくこと。(2時間)
第9回
電磁誘導、フレミングの右手の法則
電磁誘導現象を表わすファラデーの法則を理解する。運動導体に発生する速度起電力とフレミングの右手の法則について復習し、理解しておくこと。(2時間)
第10回
自己インダクタンス・相互インダクタンス
電磁誘導について予め調べておくこと。インダクタンスには、自己インダクタンスと相互インダクタンスがあることを理解し、両者の違いについてよく復習し、整理しておくこと。(2時間)
第11回
インダクタンスと磁気エネルギー
鎖交磁束、電流及びインダクタンスの関係を事前に調べておく。コイルは磁気エネルギー蓄積素子であることを理解し、磁気エネルギーの誘導過程をよく復習しておくこと。(2時間)
第12回
変位電流
キャパシタの特徴を予め調べておくこと。変位電流を導入することにより伝導電流を対象にしたアンペールの法則は拡張されることをよく復習し、変位電流と伝導電流の扱いについてよく復習し、理解しておくこと。(2時間)
第13回
マクスウェルの方程式
電磁現象を統一的に説明できるマクスウェルの方程式について理解し、この関係式を用いて導体表面付近での電界、磁界が誘導できることをよく復習するとともに、導体の表皮効果について理解しておく。表皮効果について、数値計算した結果をまとめておく。(2時間)
第14回
電磁波の概念の導入とポインティングベクトル
電磁波の性質、伝搬定数、位相速度について理解し、伝送される電力はポインティングベクトルを用いて表記されることをよく復習し、理解しておくこと。(2時間)
課題等に対するフィードバック
講義時に提示する演習課題やレポートについては、次回講義時に解答および解説およびフィードバックを行う。
評価方法と基準
演習課題30%、期末試験70%として評価し、60点以上をC評価とする。
テキスト
岸野正剛著『基本から学ぶ電磁気学』電気学会【ISBN】978-4886862662
参考図書
川村 康文著『ドリルと演習シリーズ 基礎電磁気学』電気書院【ISBN】978-4-485-30226-2
伊藤 文武著『ドリルと演習シリーズ 電磁気学』電気書院【ISBN】978-4-485-30217-0 山口、高橋他著『電磁気学の講義と演習』日新出版【ISBN】978-4-8173-0193-2 山口昌一郎著『基礎電気磁気学』電気学会【ISBN】978-4-88686-223-7 科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
電磁気に関する科目、及び電磁現象、電磁波を応用した電気・電子機器に関する科目の学習に取り組む前に、電磁誘導現象、電磁波の基本概念や数式的表記を身につけるための科目である。ここでは、現象の数式表現と物理的イメージの把握に重点を置く。また関連する実験は、2年次の「電気電子通信工学実験Ⅱ」、および3年次の「電気電子通信工学実験Ⅲ、Ⅳ」で行う。
履修登録前の準備
ベクトルを用いて現象を数式表記するので、ベクトル解析について復習しておくこと。また、微分、積分についてもよく復習しておくこと。
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