シラバス情報

授業コード
520251
オムニバス
科目名
技術科教育法Ⅱ
科目名(英語)
Study of Industrial Arts Ⅱ
配当学年
2年
単位数
2単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
木曜3限
対象学科
基_機械,基_電電,基_電情,先_情報
コース
科目区分
教職科目
必選の別
教職科目
担当者
本村 猛能
教室
5-601
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
技術科教育法Ⅱは、知識及び実践的態度の修得に必要な応用教科である。技術科教育法Ⅰで学習した内容に基づき、さらに指導力を身に付けるため、「ものづくり教育の在り方」「指導計画と指導方法」の育成と「知識・技能、思考・判断力・表現力等、学びに向かう力・人間性等の評価の観点」の目標の3観点を理解することを目的とする。その中で、具体的かつ実践的素養を修得するため、模擬授業を多く取り入れ、レポートを課し、添削後返却する。
達成目標1
技術科教育の目的と課題を理解し、技術分野の4つの内容の学習指導を説明できる。【20%】
達成目標2
諸外国の技術教育と日本の技術科教育を相対的に理解し、それぞれの特徴を説明できる。【10%】
達成目標3
「材料と加工の技術」の内容の具体的な教材を考案し、授業の設計とその評価ができる。【15%】
達成目標4
「エネルギー変換の技術」の内容の具体的な教材を考案し、授業設計とその評価ができる。【15%】
達成目標5
「生物育成の技術」の内容の具体的な教材を考案し、授業の設計とその評価ができる。【15%】
達成目標6
「情報の技術」の内容の具体的な教材を考案し、授業の設計とその評価ができる。【15%】
達成目標7
遠隔方式の授業も想定した模擬授業を通して、実践的な学習指導計画・指導案作成、ICT利活用や各種メディア媒体を効果的に活用し、評価の観点を考慮した学習評価の方法を理解する事ができる。【10%】

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習
○2017年以降学習指導要領を始め検討されている「イノベーションの育成」を考慮に入れた「ものづくり教育と実践方法」に向け、本教科では教育課程の編成や具体的な指導計画と指導方法を考える必要がある。その上で到達目標と評価等の一体化を目指す必要がある。これが「課題解決型学習」としての具体的な方法である。

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
技術科教育の体系化と目標・目的と技術分野の課題
既習の技術科教育法Ⅰの学習内容を踏まえた技術教育の目標と意義について新学習指導要領と併せて確認すること。併せて、既習のICTを効果的に活用したり、問題解決・創造性を引き出させるような模擬授業などを再確認しておくこと。(予習:1時間、復習:1時間) 
第2回
技術科教育における学習指導と教材構成の在り方
技術科教育の目標と意義に照らし合わせた適切な学習教材を検討するので、授業設計をよく検討しておくこと。(予習:1時間、復習:1時間) 
第3回
改訂された学習指導要領−技術科教育における授業設計とその分析
2020年度以降の新学習指導要領での技術科教育の実践のための授業設計方法とその分析について、学習者のレディネスを考慮した手法が理解出来るようにすること。(予習:1時間、復習:1時間) 
第4回
改訂された学習指導要領−技術科教育における授業設計とその評価
2020年度以降の新学習指導要領での技術科教育の実践のための授業設計方法とその分析として評価の観点と照らし合わせながら、かつ、学習者のレディネスを考慮した手法が理解しておくこと。(予習:1時間、復習:1時間) 
第5回
諸外国における技術教育の実態と課題
事前にアジア、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア等の小・中・高校の技術教育の概要をインターネットや図書館等で調べること。学習後は、わが国と外国の技術教育の違いは何か確認しておくこと。(予習:1時間、復習:1時間) 
第6回
材料と加工の技術の教材開発の研究と指導計画
工学の専門分野(各種材料の加工技術)と中学校技術科教育の内容について、その関連性を確認すること。学習後は各自の工学専門と「材料と加工の技術」の教材化を検討しておくこと。(予習:1時間、復習:1時間) 
第7回
生物育成の技術に関する教材開発の研究と指導計画
工学の専門分野(バイオ関係の技術)と中学校技術科教育の内容について、その関連性を確認すること。学習後は各自の工学専門と「生物育成の技術」の教材化を検討しておくこと。 (予習:1時間、復習:1時間)
第8回
エネルギー変換の技術に関する教材開発の研究と指導計画
工学の専門分野(光・熱・風・化学・バイオ等のエネルギー変換の技術)と中学校技術科教育の内容について、その関連性を確認すること。学習後は各自の工学専門と「エネルギー変換の技術」の教材化を検討しておくこと。(予習:1時間、復習:1時間)
第9回
情報の技術の教材開発の研究と指導計画
工学の専門分野(インターネット・セキュリティ・プログラミング等の各情報関連技術)と中学校技術科教育の内容について、その関連性を確認すること。学習後は各自の工学専門と「情報の技術」の教材化を検討しておくこと。(予習:1時間、復習:1時間) 
第10回
対面方式と遠隔方式を想定した発展的な模擬授業の実施・授業評価1−中学校3年間の体系化に基づくカリキュラム作成を視点として
技術科教育法Ⅰでの模擬授業経験とこれまでの教科教育の基礎理論の構築を踏まえて、中学校3年間の教育の体系化に基づくカリキュラム作成を検討すること。授業後はその小項目として各学年での授業設計を考えておくこと。(予習:1時間、復習:1時間) 
第11回
対面方式と遠隔方式を想定した発展的な模擬授業の実施・授業評価2−各学年の学習内容に基づくカリキュラムを視点として
技術科教育法Ⅰでの模擬授業経験とこれまでの教科教育の基礎理論の構築を踏まえて、中学校3年間の教育の体系化に基づく各学年のカリキュラムを検討すること。授業後はその具体的な教材を活用した授業設計を考えておくこと。(予習:1時間、復習:1時間) 
第12回
対面方式と遠隔方式を想定した発展的な模擬授業の実施・授業評価3−学習者及び生徒の実態に応じた教材作成を視点として
技術科教育法Ⅰでの模擬授業経験とこれまでの教科教育の基礎理論の構築を踏まえて、教育の体系化に基づく各学年の技術科のカリキュラムを生徒の実態を検討し教材を構成する。授業後は実習と実験の関係の具体的な在り方について考えておくこと。(予習:1時間、復習:1時間)  
第13回
対面方式と遠隔方式を想定した発展的な模擬授業の実施・授業評価4−各自の目標設定と指導案に基づき実験方式の模擬授業を行い評価する。
技術科教育法Ⅰの基礎理論と模擬授業の経験を踏まえて、さらにこれまでの各自の模擬授業教育を通して、体系化に基づく各学年の技術科カリキュラム・教材構成・実習と実験の関係等の具体的な在り方について確認すること。これらの各種授業形態の評価方法を再確認しておくこと。(予習:1時間、復習:1時間)   
第14回
小・中・高等学校全体を俯瞰した学習指導要領改訂後における中学校技術科教育の在り方,及びSTEAM教育との関係を理解する。
技術科教育法Ⅱとしての模擬授業と教科教育の基礎理論を踏まえ、さらに各自の模擬授業教育を通して、体系化に基づく各学年の技術科カリキュラムの在り方や教材構成等について確認すること。その上で、ICTの効果的活用・オンライン授業・課題解決型授業など将来的見地に立った2023年以降の授業方法と評価方法を良く確認すること。 (復習:1時間) 


課題等に対するフィードバック
課題は、基本から展開期の内容である。
適宜講義時に説明し、提出するものとする。
特に、講義においては実践的に発表あるいは提案や模擬授業等の活動を各自(グループもあり)することになるので、これらの活動においても整理・校正した上で提出するものとする。
これらの課題等については、添削など行った後、返却あるいは重要な点については皆で議論の題材とする。
評価方法と基準
提出すべきレポート(30%)
プレゼン・提案・模擬授業の内容(30%)
課題への取り組み(40%)
なお、本授業の秋学期は対面あるいはオンラインのいずれかの模擬授業を行うことがあるので、レポート、及び、模擬授業と指導案の提出に基づいて総合得点を求め、60点以上を合格とする。 
テキスト
1.中学校学習指導要領解説 技術・家庭編、文部科学省、  ISBN 978-4877302344
2.中学校技術・家庭科 技術分野 教科書2社(東京書籍・開隆堂出版)
東京書籍  ISBN 978-4-487-12121-2
開隆堂出版 ISBN 978-4-304-08134-7

参考図書
1.中学校技術・家庭科 技術分野 教科書、教育図書 ISBN 978-4-87730-490-4 
2.イノベーション力を育成する技術・情報教育の展望 ジアース教育新社 
森山潤・菊地章・山崎貞澄編、 山崎貞澄・山本利一・角和博・本村猛能・島田和典・他著、2016
ISBN 978-4-86371-356-7
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
・中学校技術科教育の教員となるために必須の学習内容。
・必須科目の技術科教育法Ⅰと専門教科の内容や各教職関係科目を踏まえ、技術科教育Ⅱと密接に関連する。
履修登録前の準備
既習の教職に関する科目と技術科教育法Ⅰの目標と意義、及び、模擬授業を通した学習内容を確認し、対面方式と遠隔方式を踏まえた2021年度以降からの新学習指導要領を再確認しておくことが望ましい。