シラバス情報

授業コード
520334
オムニバス
科目名
構造力学・演習Ⅱ
科目名(英語)
Practical Structural Mechanics Ⅱ
配当学年
2年
単位数
3単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
火曜3限、火曜4限
対象学科
建_建築_Aコース
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
上田 学
教室
5-401
実務家教員担当授業
担当教員は、建築物の構造設計、躯体監理および耐震診断に関する実務経験を有する。その経験を活かし、構造設計等の実務において、構造力学の知識や考え方がどのように関係するのか、実例等を用いて説明している。
授業の目的と進め方
建築物に生じる応力と変形の関係を理解し、弾性力学の基本となる知識を修得する。部材断面の性質、応力度の算定方法、応力と変形の関係について学修する。「構造力学・演習Ⅲ」で学習する不静定構造物の解法の基礎となる知識を修得する。
達成目標1
力の流れを理解し、身近な物理現象を力学的に説明できる。【10%】
達成目標2
応力とひずみを理解し、応力とひずみの関係を説明できる。【20%】
達成目標3
部材断面の性質を理解し、断面二次モーメントや断面係数の意味を説明できる。【20%】
達成目標4
部材断面に発生する各種応力を理解し、部材の変形と応力との関係を説明できる。【20%】
達成目標5
部材の座屈現象を理解し、座屈荷重や座屈応力度を計算できる。【20%】
達成目標6
部材の曲げ変形と応力の関係を弾性曲線式を使って説明できる。【10%】
達成目標7

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
応力度と歪み度(1)材料の性質
さまざまな材料の許容応力度や弾性係数を調べ、応力度と変形の関係を理解すること。【2時間】
第2回
応力度と歪み度(2)軸方向力が作用する部材
物理科目で学修したフックの法則を復習し、ポアソン比について調べること。【2時間】
第3回
部材断面の性質(1)断面1次モーメントと図心
物理科目で学修した重心の求め方を復習し、図心と重心の相違点をまとめること。【2時間】 
第4回
部材断面の性質(2)断面2次モーメント、断面係数
断面1次モーメントの求め方を復習するとともに、構造部材の断面形状を調べること。【2時間】
第5回
せん断力と曲げモーメント 積分による方法
「構造力学・演習Ⅰ」で学修した力の釣り合いを復習するとともに、数学科目で学修した不定積分を復習すること。【2時間】
第6回
部材断面の応力度(1)曲げ応力度
平面保持の仮定、微小区間における曲げ変形と応力の関係を復習すること。【2時間】
第7回
部材断面の応力度(2)せん断応力度
「構造力学・演習Ⅰ」で学修したせん断力図の描き方と、曲げモーメントとせん断力の関係を復習すること。【2時間】
第8回
部材断面の応力度(3)主応力度とモールの応力円
モールの応力円について予習し、任意方向の応力度と主応力度との関係を調べておくこと。【2時間】
第9回
座屈荷重の計算
各種構造科目で学修した弾性座屈荷重の理論式と、座屈荷重に影響する因子をまとめること。【2時間】
第10回
静定梁の変形(1)弾性曲線法による方法
−片持ち梁について−
数学科目で学修した微分方程式の解法を復習し、第6回に導出した梁の基本式を復習すること。【2時間】
第11回
静定梁の変形(2)弾性曲線法による方法
−単純梁について−
微分方程式を解くために必要な幾何学的境界条件を、片持ち梁と単純支持梁についてまとめること。【2時間】
第12回
静定梁の変形(3)弾性曲線法による方法
−分布荷重が作用した場合について−
「構造力学・演習Ⅰ」で学修した分布荷重が作用した場合の反力および曲げモーメント図の計算方法を復習しておくこと。【2時間】
第13回
静定梁の変形(4)モールの定理による方法
−片持ち梁について−
弾性曲線式で変形を求める手順を復習し、モールの定理の利点をまとめること。【2時間】
第14回
静定梁の変形(5)モールの定理による方法
−単純梁について−
幾何学的境界条件と力学的境界条件の対応を復習すること。【2時間】


課題等に対するフィードバック
演習課題の採点・チェックを通して、課題のフィードバックとする。
評価方法と基準
期末試験(70%)と課題(30%)の結果に基づいて総合得点を求め、60点以上を合格とする。
テキスト
適宜、資料を配布する。
参考図書
村上雅英『基礎からわかる 静定構造力学(第3版)』学芸出版社(2020) [ISBN: 978-4761532154]
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
建築物における力と変形の関係を理解することが、弾性力学の基本である。本科目は、建築物の構造設計を行う上で基本となる力学的知識と計算手法を身に付ける科目である。
「構造力学・演習Ⅲ」、「構造力学・演習Ⅳ」の履修には、本科目の単位を取得していることが望ましい。
履修登録前の準備
力の3要素や力の釣合い、荷重と反力、外力と応力(せん断力、曲げモーメント)などの基本的な用語を良く理解しておくこと。また、微分積分に関する最低限度の知識を勉強しておくこと。