シラバス情報

授業コード
520502
オムニバス
科目名
電力発生技術
科目名(英語)
Electric Power Generation Engineering
配当学年
3年
単位数
2単位
年度学期
2025年度秋学期
曜日時限
月曜3限
対象学科
基_電電,基_電情
コース
科目区分
専門科目
必選の別
選択科目
担当者
竹本 泰敏
教室
3-325
実務家教員担当授業
授業の目的と進め方
水力発電、火力発電、原子力発電、変電技術、新エネルギーの順序で講述する。
授業は、講義形式で実施するが授業後半で理解度を確認するため基本的な演習を実施する。
達成目標1
水力発電の基本的な設備、機器構成について説明できる。【15%】
達成目標2
理想的な条件下での水力発電出力を計算することができる。【15%】
達成目標3
火力発電所の基本的な設備、機器構成について説明できる。【15%】
達成目標4
基本的な火力発電とコンバインドサイクル発電の熱サイクルについて説明できる。【15%】
達成目標5
原子力発電の基本的な設備、機器構成について説明できる。【15%】
達成目標6
変電設備の設備構成と役割について説明することができる。【15%】
達成目標7
再生可能エネルギー、分散型電源、コージェネレーションシステムについて、それぞれ機器構成、特徴について説明することができる。【10%】

アクティブラーニング
ディスカッション
ディベート
グループワーク
プレゼンテーション
実習
フィールドワーク
その他課題解決型学習

授業計画
授業時間外課題(予習および復習を含む)
第1回
電気エネルギーの概要
電力設備(発電設備、変電設備)の概要、日本の電気エネルギー事情、電力系統の需給バランス、需給調整と各発電種別の役割について講義する。
日本の電気エネルギー事情について予習しておくこと。(1時間)
電力設備、エネルギー消費の動向と課題、電力需要と供給、系統周波数の関係について復習ること。(1時間)
第2回
水力発電所の種類と河川流量
水力発電所の種類と特性、ダムの種類、河川流量、水位流量図、流量曲線について講義する。
水力発電の原理について、テキストを参考に予習しておくこと。(1時間)
ダムの構造、河川流量計算、流量曲線の作成について復習すること。(1時間) 
第3回
水力発電設備と水力学
水力発電の水力設備および水力学、理論水力、揚水発電の効率について講義する。
流量と流速の関係、ベルヌーイの法則について予習しておくこと。(1時間)
水力設備の役割、理論水力、効率について復習すること。(1時間) 
第4回
水車の種類と特性
水車の種類と特徴、調速機、速度変動率、速度調停率について講義する。
基本的な反動水車、衝動水車の種類と特徴について予習しておくこと。(1時間)
調速機の役割、速度変動率、速度調停率について復習すること。(1時間) 
第5回
火力発電所の基本構造と比熱
火力発電の種類と設備構成、熱力学の第1法則、第2法則、エンタルピーについて講義する。
汽力発電、内燃力発電の基本的な構成について予習しておくこと。(1時間)
熱力学の第1法則、第2法則、気体がなす仕事、エンタルピーについて復習すること。(1時間)
第6回
熱力学の諸法則とエントロピー
熱力学の諸法則とエントロピー、水の状態変化、蒸気の状態、蒸気曲線について講義する。
熱力学の諸法則、水の状態変化について予習しておくこと。(1時間)
熱効率、エントロピー、水の状態変化について復習すること。(1時間) 
第7回
火力発電の熱系設備と水の状態変化
水の状態変化と火力発電の熱系設備(ボイラ、タービン、復水器など)について講義する。(1時間)
水の状態変化、蒸気曲線、各熱系設備の役割と原理について復習すること。(1時間)  
第8回
火力発電設備と熱サイクル
火力発電設備と熱サイクルの関係、環境対策系設備について講義する。(1時間)
熱サイクルと各設備の関係、コンバインドサイクル、各環境対策設備の役割と原理について復習すること。(1時間) 
第9回
まとめ①
第8回までの講義内容についての理解度確認を行う。
事前に配布した演習問題・小テストを予習すること。(1時間)
理解できていない内容について復習すること(1時間) 
第10回
原理職発電の概要
原理力発電の原理と特徴、設備構成、原子核のエネルギーについて講義する。
原理力発電所の設備構成、原子と原子核について予習しておくこと。(1時間)
原子核、質量欠損、核分裂について復習すること。(1時間) 
第11回
原子炉の種類と核燃料 
原子炉の種類と構造、核燃料、原子炉の安全の確保について講義する。
沸騰水型、加圧水型原子炉、それぞれの構造について予習しておくこと。(1時間)
核燃料、原子炉の種類と核燃料、制御方法について復習すること。(1時間)
第12回
変電・電力変換設備
変電設備の種類と機器構成および役割主変圧器の結線方法、調相、周波数変換について講義する。
三相変圧器の結線方法、調相について予習しておくこと。(1時間)
変電設備の機器構成、BTB、HVDC、調相容量について復習すること。(1時間) 
第13回
再生可能エネルギー・分散電源と系統連系
再生可能エネルギー利用発電システム、燃料電池、ガスタービン・ガスエンジン発電などの分散電源設備、分散電源を系統連系する際のグリットコードについて講義する。
再生可能エネルギー発電、コージェネレーションシステムの構成と特徴について予習しておくこと。(1時間)

自然変動電源の課題と出力変動対策、自家発電設備の系統連系規定について復習すること。(1時間)
第14回
まとめ②
13回までの講義内容について理解度の確認を行う。
事前に配布した演習問題・小テストを予習すること。(1時間)
理解できていない内容について復習すること。(1時間)


課題等に対するフィードバック
講義時に提示する演習課題については、次回講義時に解答・解説を行いフィードバックを行う。
評価方法と基準
「まとめ①」および「まとめ②」で実施する「理解度確認演習」の成績を60%、講義内に実施する演習課題40%として100点満点で成績評価を行う。最終的な評価点が、60点以上70点未満の場合、C評価となる。
テキスト
加藤政一、中野茂、西江嘉晃、桑江良明 著、「電気・電子工学ライブラリ 電力発生工学」、数理工学社【ISBN:978-4901683906】
参考図書
伊与田功 著、「OHM大学テキスト 電力発生・輸送工学」、オーム社【ISBN:978-4274214516】
吉川榮和、八尾健、垣本直人 著、「電気学会大学講座 発変電工学」、電気学会【ISBN:978-4886862983】
科目の位置づけ(学習・教育目標との対応)
電力発生技術は、力学、熱力学などの物理的内容、および、電気回路、電磁気学などの電気工学の基礎的内容をもとに、電力の発生および変電の専門に関する基本的内容を修得することを目標とする。電気電子通信工学科のディプロマポリシーにある「工学に関する基礎的な考え方と電気電子通信工学に関する専門知識を有する」に関連する科目である。
履修登録前の準備
「電気回路」、「交流回路」、「電気磁気学」、「電機エネルギー変換」、「電力系統技術」、「電気電子通信工学実験Ⅲ」、「電気電子通信工学実験Ⅳ」が電気工学分野での関連科目となる。また、力学および熱力学に関する諸法則を用いるため事前に学習していることが望ましい。